参院本会議で6月7日、「齋藤健法務大臣問責決議案」について、牧山ひろえ議員が賛成討論を行いました。
本決議案は、法務委員会において、入管行政に関わるさまざまな論点について、閣法、議員立法それぞれの質疑が行われてきたなか、多くの論点が残されていることに加え、難民審査参与員の審査数等に著しい偏りが見られるなど、立法事実を揺るがしかねない新たな事案も発覚しており、なお、十分な議論が必要である中、与野党間の合意もないままに採決を強行しようとしていること等から提出されました。
牧山議員は、齋藤健法務大臣問責理由について、理由を2つ挙げました。
一つ目の理由は、今通常国会最大の争点の一つとなっている出入国管理法改正をめぐっての大臣の対応だと述べました。難民審査参与員の柳瀬氏の発言を政府案の立法事実としていたものの、法務大臣自ら否定したことを指摘し、「虚偽の情報を元に国会審議を行わせた責任をどのように取るおつもりなのでしょうか」「辞任して頂く以外ないと思います」と述べました。
牧山議員は、トルコ国籍のクルド人青年、ラマザンさんが参院法務委員会の参考人として訴えた願いは、齋藤大臣にも向けられたものですが、齋藤大臣の言動は「法務省と入管庁の組織の論理から紡ぎ出されたものばかり」と指摘しました。
二つ目の理由は、入管が虚偽を含んだ情報を国会審議の基礎資料として提示したことだと述べました。入管は、政府案の審議の前提として「医療体制の改善」を打ち出し、今年4月に入管庁が公表した「改善策の取組状況」という資料には、改善の成果として、大阪入管の欄に「常勤医1名」と記載。しかし、この1名はアルコールが検出された医師と同一人物であり、その段階では診察から外され勤務実態のない状況であったことを指摘。「どれだけ立法事実に関する虚偽を積み重ねれば気が済むのでしょうか」と述べました。
牧山議員は、入管庁ではこのような重大な事実を2023年1月に把握しながら、4カ月以上も公表をしておらず、大臣も2月下旬には事態を把握していたことについて、「国会審議と国民に対する冒涜と言えます」と述べました。
最後に、「根本的な原因から目を背け、このような非人道的な認識を放置し、今回の事件に至らしめた責任を大臣は免れることはできません」と述べました。