【コメント】外国籍の子どもへの在留特別許可付与について

立憲民主党法務部門長 牧山 ひろえ
外国人受け入れ制度及び多文化共生社会のあり方に関する検討PT座長 石橋 通宏

 斎藤健法務大臣は4日、日本で生まれ育ち、在留資格のない18歳未満の外国籍の子どもに、在留特別許可を付与する方針であることを公表した。「子どもの権利条約」にのっとり、子どもの最善の利益を最優先とするチルドレン・ファーストは、わが党の重要政策の一つでもあり、政府の方針は遅きに失したものの、歓迎したい。

 これまで日本政府は、例えば「親が退去強制に従えば、子どもには在留特別許可を出す」というように、子どもの利益を無視し、家族の分断を助長するような判断を行ってきた。そもそも、「子どもの権利条約」は、「子どもがその父母の意思に反し分離されないこと」を求めているが、日本政府は、「入管法による退去強制の場合には親子の分離は許される」という解釈宣言をしてきた。政府がこうした基本姿勢の誤りを認め、今回対象となった子ども達も含め、親子が切り離されることのない運用が確実に実施されるよう求める。

 加えて、政府が今回対象とした子どもたち以外にも、在留特別許可を与えるべき子どもたちや、本来であれば難民認定によって保護されるべき子どもたちが存在する。これらの子どもたちやその親たちが、国際法や基準に則って適正に保護されるよう、政府はより積極的な対応を行うべきであり、立憲民主党が先の国会に提出した「難民等保護法案」「入管法改正案」の内容をふまえた関係法令の見直しが早急になされるべきである。

 来年にも施行される改正入管法は、送還停止となる難民認定の申請回数を制限するなど、極めて問題が多く、すでに国連人権機関等から国際法違反の疑いが指摘されている。立憲民主党は、あらためて、難民を適切に認定・保護することのできる、政府から独立した第三者機関の創設と国際基準に則った難民等の保護を強く求める。併せて、日本に暮らす外国籍の皆さんが、安心して生活できるような多文化共生社会の創造に向け、今後とも全力を挙げる決意である。