岡田克也幹事長は9月5日、国会内で記者会見を開き、(1) 10月の衆参補欠選挙(2)岩手県知事選、立川市長選の結果――等について発言しました。

 岡田幹事長は、記者会見の直前まで党国政補欠選挙総合選挙対策本部を開いていたことを報告。10月に行われる衆参の補欠選挙で、衆院長崎4区で末次精一衆院議員、参院高知・徳島選挙区で広田一元衆院議員を「党として全力を挙げて応援する」と強調しました。

 9月3日投開票の岩手県知事選で、達増拓也知事が自民党・公明党支援の候補に10万票以上の差をつけて5選を果たしたことについて、「達増知事の実績への県民の評価だと思う。合せて今の岸田内閣の支持率低下に象徴される、今の内閣は何をやっているんだという思いも込められた結果だった」と話しました。

 同日投開票であった東京の立川市長選挙で、元立憲民主党所属の都議の酒井大史さんが自民党候補に競り勝ち当選したことについては、「国民民主党と都民ファーストも候補者を出して競り勝っての選挙は非常に意義が大きい」と述べ、「政治を変えてほしいという有権者の強い気持ちがこの結果になった。補選につながることを期待している」と期待を込めました。


岡田克也幹事長記者会見

2023年9月5日(火)16時09分~16時24分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/3FNaxsjdG4M


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○国政補選総合選対本部を開催

【幹事長】
 お疲れさまです。
 きょうは常幹はございませんでしたので、そのご報告はありません。
 まず、先ほど開きました国政補選総合選挙対策本部、これをスタートさせました。
 今回の補選は、衆議院長崎4区、それから参議院の徳島・高知の補選であります。それぞれ、末次さん、広田さん。末次さんは我が党の現職議員。そして、広田さんは長く民主党で活躍された議員であります。お二人が候補者として立つということで、党として全力を挙げて応援していきたいと考えております。
 きょうはリモートですが、それぞれの、長崎、徳島、責任者の方にも出席をしていただいて、いい意見交換ができたと思っております。
 私も先般、長崎の末次さんの記者会見に同席をいたしました。それから、来週の週末は広田さんのところに行く予定にしております。徳島・高知。これをきっかけに、しっかりと、何度でも足を運んで、勝利に向けて支えていきたいと思っております。

○岩手県知事選・立川市長選の結果について

【幹事長】
 それから、もう一点は、同じく選挙なのですが、岩手県の知事選がありました。達増さんからは電話で丁寧にご挨拶をいただきましたが、相手の自民党・公明党からの候補者もかなり強力だと言われる中で、結果的には10万票以上の差をつけて勝つことができたと。これは基本的には達増さんの今までの実績、それに対する県民の評価だと思います。あわせて、やはり今の岸田内閣の支持率の低下に象徴される、「今の内閣は一体何やっているんだ」と、そういった有権者の思いも込められた結果ではなかったかと思っております。
 同じく選挙に関して、立川市の市長選も行われました。ここで、無所属とはいえ、我が党の都議を長く務めた酒井さんが自民党推薦候補に競り勝ちました。この選挙は、国民民主党と都民ファーストも候補者を出しましたが、そういう中で競り勝っての選挙であります。非常に意義が大きいと思っております。酒井さんの今までの政治家としての実績、それに対する評価であるとともに、やはり政治を変えてもらいたいという強い有権者の気持ちがこの結果になったのではないかと思っております。
 こういったことが先ほどの補選にもしっかりつながっていくことを期待したいと思っているところであります。


■質疑

○ALPS処理水の海洋放出について

【NHK】
 あすから、岸田内閣、ASEANの外交が始まるが、処理水の問題がある中で、岸田内閣に外交として求めるべきこと、何かお考えがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 もちろん課題はたくさんありますが、この処理水に関して申し上げると、やはり中国の理不尽な措置に対して、冷静に、科学的に、しっかりとASEAN首脳に対して説明し、理解を求めていくと。もちろん中国の動きに(各国が)追随するということは今ないと理解していますが、よりしっかりと我々の根拠を説明し、そして、理解を深めるということが非常に大事だと思います。そういうことを通じて、中国の措置が非常に非科学的なものであるということを周りからしっかりと訴えていく。そういう機会だと思っています。

【NHK】
 処理水に関連して。きのう政府が中国の禁輸に伴う支援策を新たに発表したが、それについての受け止めがあれば改めて教えていただきたい。

【幹事長】
 非常に、207億円という規模ですが、これで本当に足りるのだろうかという気がいたしますし、中身的にも、余ったホタテなどを一時買い取って保管するとか、この程度の措置でとても禁輸措置の影響が補えるというふうには思えません。中国向けの水産物の輸出は871億円、香港向けが755億円、合わせて1600億円を超える、そういう輸出が止まってしまったということでありますから、規模的には余りにも小さいと思います。
 そもそも、基本的には風評被害対策は東京電力というふうにも言われていますが、これは中国の禁輸措置というのは風評被害対策ではないと思うのですね。風評被害で需要が減ったのではなく、止まってしまっているわけですから、やはり政府の責任はより重いと思います。もっと前面に出て、東電に押しつけるのではなく、しかも、これは中国と日本のその外交の結果として、もちろん相手は理不尽ですが、外交の交渉は続けてきたはずですから、その結果としてこういう禁輸措置になったというならば、それはやはり東京電力というよりは政府がより大きな責任を負うべきで、しっかりとした対応が求められると思います。

○国民民主党代表選の結果を受けて

【共同通信】
 先週末、国民民主党の代表選挙の結果が出て、玉木代表が再選された。週明けから自民党・公明党の政権と連立するのではないかという観測も流れているが、今回の代表選挙の受け止めと、こうした連立入りの観測について幹事長の受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 選挙結果は、それは国民民主党の関係者の投票の結果ですから、私から何か言うことは特にありません。ただ、候補(予定)者に関して言うと、前原さんのほうが(得票が)1人多かったということもあります。2人でさまざまな議論をしてきて今回のこの結果になったということでありますので、玉木さんは前原さんのさまざまな意見も十分に頭に置いて、これからの党運営をしていただきたいと思います。
 連立の話は、これはずっと否定をされてきたと思うのですね。政策の一致とか、それから、候補者調整の困難さということを言われていますが、私は、連立に入るか入らないかというのは、「候補者の調整が難しいから入らない」ということは「候補者の調整ができたら入る」ということになるのですが、そういう次元の話ではないと思うのです。政党にとっては、与党入りして連立を組むのか、野党という立場で通していくのかというのは、それは党のまさしく根幹に関わる話で、何か非常に軽く言っているような、そんな印象を受けます。候補者の調整について何かめどがつけば連立に参加するんだというふうに言っているようにも聞こえてしまいます。それではやはり、この代表選挙を通じても連立入りするということは玉木さんは全く言っていなかったので、その選挙が終わった直後からそういう方針が匂ってくると、メディアもいろいろ報道するというのは、私は、投票した皆さんに対して誠意を尽くしていないと思います。

【共同通信】
 もう一点。野党間の候補者調整について、玉木さんは当選後の記者会見で、厳しいと思うがトライするということで発言があった。今後国民民主党との連携というのは重要になると思うが、今回の結果を受けてどういった形で候補者調整を進めていくのか、幹事長の考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 今までも話合いをしてこなかったわけではないのです。玉木さんは全然していないようなことも言われていましたが、途中からちょっと言い方を変えられたと思うのですね。現実はそういうことではなかったということです。
 なるべく話合いをしてバッティングを少なくしていくという努力はしっかりとしていきたいと思います。そのときに、両方出せばそれだけ当選が遠のくわけですから、やはりその選挙区においてより有力な候補に一本化していくということが基本になるのだろうと思います。

○旧統一教会問題 「回答拒否に対し過料」政府方針について

【朝日新聞】
 旧統一教会の件で一点質問したい。あす6日の宗教法人審議会で、文部科学省は旧統一教会に対して過料を科すということが見られている。これまでの旧統一教会の質問権に対する結果が不十分だったということが言われているが、立憲民主党として、今回の旧統一教会に対する過料ということの処分がもし出れば、これについて、ちょっと仮定の質問になって恐縮だが、受け止めとしてもしあればお願いしたい。

【幹事長】
 これだけ国会で議論され、そして、いわば一緒になって法案をつくったという、そういう経緯から見ますと、余りにも説明不足。国会における説明、野党に対する説明が不足していると思います。
 過料を科すに至った経緯。そもそもどういう調査を求めて、そして、詳細は語れないにしても、どういった状況で返事が返ってきて、何が足らないから過料なのかということがブラックボックスの中で、審議会の中ではある程度議論されているのだと思いますが、国民の代表である国会において、あるいは各政党に対して、説明がされていないというのは私は極めて遺憾だと思っています。

【朝日新聞】
 つまり、過料を科すことの是非、中身そのものよりも今のプロセスのところが不十分だというご指摘だと思うが、過料についての是非はどう見ていらっしゃるか。

【幹事長】
 中身がわからないのに是非を言うのは非常に難しいですよね。いや、不十分だったら過料を科すべきだと思いますよ。だけど、説明が何もないままにブラックボックスで過料だと言われても、我々、結論はいいかもしれませんが、プロセスが見えない中で、なかなか簡単に返事はできない。きちっと説明してくださいということを申し上げたいと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【テレビ東京】
 東京での選挙情勢に関して伺いたい。昨日、自民党と公明党が東京での選挙協力の復活に合意する文書に署名した。また、先ほど日本維新の会の音喜多政調会長、参院議員だが、衆院選への出馬、東京1区への出馬を表明した。こうした東京での選挙区の情勢に関してどのように見ておられるか。

【幹事長】
 いずれも想定内だと思います。