岡田克也幹事長は2月6日、国会内で記者会見を行い、(1)政策活動費(2)自民党派閥の政治資金収支報告書(3)2024年度党大会――等について発言しました。

■政策活動費

 岸田総理の政策活動費に関する予算委員会での答弁が、「異常なガードぶりで一歩も譲らないといった強い決意が見える」と指摘しました。岡田幹事長は、領収書が切れないような不透明さが裏金問題の本質だと語った上で、「領収書を切れないお金が何十億円単位で必要だ」と総理が言っていること自体、「(政治資金)規正法の趣旨に鑑みて、おかしなこと」と問題視しました。

■自民党派閥の政治資金収支報告書

 岸田派が3年間で、政治資金収支報告書の不記載が3,000万円あったことについて、岡田幹事長は「この3年間だけ不注意で3,000万円の記載漏れがあったけれども、『その前のことは調べません』というのは、非常に不自然。無理がある」と批判しました。その上で「安倍派についても、キックバックがいつから行われてきたのかについて、森元総理を呼ぶべき。そこに遡って説明するのが説明責任」「岸田派のトップは岸田総理自身。説明する責任がある」と指摘し、検察が動かないようであれば今後の国会で問いただしていく」と述べました。

■2024年度党大会

 2月4日に開催した立憲民主党2024年度定期大会について、岡田幹事長は「泉代表のあいさつも力強く、非常に良い形で盛り上がり、よかった」と述べました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年2月6日(火)15時00分~15時26分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/vDXKZGF102w


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○裏金問題(1) 予算委質疑を受けて

【幹事長】
 予算委員会も始まりまして、昨日、きょうと行われております。
 私、きょうの分、全体をまだフォローできているわけではありませんが、私のきのうやった率直な感じからいいますと、これは私の質疑だけではないのですが、政策活動費に対する異常なガードぶりですね。政治的自由ということを言って、具体的に何を言っているのかよくわからないのですが、ここはもう一歩も譲らないぞという強い決意が見えます。
 裏金の問題が出てきて、領収書が切れないような、そういう不透明なことは駄目だというのが裏金問題の本質だと思いますが、そういった領収書を切れないお金は何十億の単位で必要なんだということを総理が言っておられるわけで、これは余りにも、政治資金規正法の趣旨に鑑みてもおかしなことを言っているというふうに言わざるを得ないと思います。
 あわせて、きょうも長妻さんも少し質問されましたが、岸田派の3000万円の話についても、要するに5年以上前の話ですね、それについてはわかりませんと。調べればわかるはずですね。通帳くらい残っているでしょう。あるいは、立件された、長年会計責任者をやった方もいらっしゃるわけですから、どうなったのと聞けばいいわけですね。この3年間だけ3000万円不注意で記載漏れがあったけれども、その前のことは調べませんという、これも非常に不自然で、結局3年間で不注意で3000万円不記載があったという説明自身が非常に揺らいでいるというか、無理がある説明をしているのかなと思ってしまいます。
 総理ご自身、国会でも申し上げましたが、他の二階派や安倍派に対してきちんと説明しろということを言っておられるわけですね。その上での政治責任ということも言っておられるわけで、それは岸田派についても同じようにあるわけですから、説明責任を果たす。安倍派であれば、いつからキックバックが始まったのかという、私は森さんを呼ぶべきだと言いましたが、そこから戻って説明するのが説明責任で、では岸田派については5年以上前はどうだったのかということをきちんと説明する責任があるし、では政治責任は誰が取るのですかということも改めて問われなければいけないと思います。岸田派のトップは岸田総理ご自身です。
 きのう質疑をしながら、その安倍派の問題はかなり重要な点だと思います。もう検察の捜査は終わったのかもしれませんが、どう見ても不自然。キックバックをやめるかやめないかを何回も幹部が集まって議論したなどということはあり得ないわけですから。別に違法でも何でもない。やはり届出がしていないキックバックのお金をどうしようかということで集まっていたはずだし、それを裏づける発言も幾つかあるわけですから、ここはもし検察が動かないということであれば、今後、国会の中で問いただしていかなければならない点だと思っております。だいぶお話しになっている西村さんや下村さん、しっかりお話を聞きたいものだと思っております。

○2024年度定期大会を終えて

【幹事長】
 党大会、代表もその後会見されましたので、私から特に加えることはありませんが、非常にいい形で盛り上がったなと思います。コロナも終わったので、少し招待する方も増やして、しかし、会議自体としては60分という非常にコンパクトな設定をいたしました。代表の話もだいぶ力が入っておられましたし、非常によかったと思います。
 「塩むすび」という話も出ました。あの場で言おうかと思ったのですが、私、結構塩むすび好きなので、それを率直に言うと何か誤解されるといけないと思ったので、コンビニに行くと大体買うのは、塩むすびか、地元ですとアサリのしぐれの入ったおにぎり、それは私のソウルフードなのですが、どちらかを選ぶというのが私ですので、思わず塩むすび好きですと言おうかと思いましたが、ちょっと誤解を避けるために発言は控えました。別に代表が嫌いだと言っているわけではありませんけれども。

○裏金問題(2) 自民党の調査について

【幹事長】
 あとは、来週になって自民党からどういうものが出てくるのかと。もちろんあまり期待できないわけですが、金額は5年分出てくるのかなという気もします。
 そうすると、4年半前の参議院選挙で、そこが金額が参議院選挙に出た方が盛り上がっているとすると、今言われているような、売った分は全部取ったということになるとすると、もうこれは安倍派のパーティーに名をかりた自分の集金であって、払うほうは安倍派のパーティーだと思って払ったけども、実は全部相手のお金になっていたということになると、これは刑事上も問題になりかねないような話ではないかなと。少なくともパーティー券を買ってくれた方に対しては極めて不誠実。いわば、だましたわけですから。そういうふうにも思われます。
 そういったことは、来週早々には遅くとも出てくるはずの調査結果を見て、いろいろと議論したいものだと思っております。


■質疑

○旧統一教会問題 盛山文科大臣について

【朝日新聞】
 盛山文科大臣の件だが、2021年の衆議院選挙のときに統一教会の友好団体の方々と一緒に写っている写真があったりということが今発覚している。きょうの国会答弁を聞いていても、写真があったからそうかもしれないというような説明だが、これについて、盛山大臣の説明についてどう評価されるか。また、今後文科大臣としてとどまり続けることについてもご意見あればお願いしたい。

【幹事長】
 まず、この前の選挙の話ですので、覚えていないとか、写真を見るならそうでしょうとか、かなり誠実さを欠いた答弁をしていますね。本来、きちんと報告されていれば、文科大臣にはならなかった可能性が高いと思うのですね。大臣の信頼性に相当疑問符がついたということになります。
 しかも、それが所管する大臣で、これから裁判所がどういう判断を下すかということにもよりますが、例えば裁判所に対してもどういう資料を出すかとか、文科省として、追加的な資料を求められたり当然すると思うのですね。その所掌の大臣が(旧)統一教会とつながっていたというのはやはり信頼性を欠くと思います。
 私は当然、総理の判断でしっかりと対応すべきだと。つまり、大臣の更迭も含めて考えるべきだし、更迭しないというならば、説明責任を果たすべきは岸田総理だと思います。

○裏金問題について(1)

【朝日新聞】
 もう一問。きのうの予算委員会でもやり取りもあったが、自民党のリストと、それに伴って総理がやると言っているアンケートのことだが、どうもそのアンケートはとても簡単なもので、記載漏れがあったのかどうかを問い、あったとしたらそれは幾らなのかと聞いているようだが、そうしたアンケートだけでもって実態解明につながるのかどうか、このアンケートについての評価を改めてお願いしたい。

【幹事長】
 これを第1弾としてやっているのかどうか。そこで一応スクリーニングした上で、問題のあった人には再度ヒアリングをもう一度やるとか、あるいは、より具体的な調査をするとか、そういうこともあり得るとは思うのですね。しかし、そうすると時間はまたかかってしまうということにもなりかねません。どうせやるなら一回で済むような、きちんとした調査をすべきだったと思いますが、いずれにしても、不十分なものであれば、我々はそれは不十分であると、やり直せというふうに言わざるを得ないと思います。
 ただ、今回見ていて、ちょっと私は統一教会のときのアナロジーを感じてしまうのですね。あのときの調査もかなりいい加減でした。調査をやって、ぐずぐずしている間に法案の話になって、そして、与野党で協議して法案はつくったのですが、その法律の過程ではそれなりの譲歩を与党は示したとは思いますが、一緒になって法案をつくってそれで一件落着ということになって、年が明けたら、その後、岸田内閣の支持率は上がっていったということがありました。サミットとかいろいろあったということもありますが。
 同じようなことを考えているのかなと。今、ぐずぐずして、非常に要領悪く進めていますよね。時間を稼ぎながら進めて、最後、最低限の法律改正、政治資金規正法の改正をやって着地させると。そのうちに、地震の問題とか経済の問題とか賃上げの問題とか外交とか、いろいろなことがありますから、それによって今回の件は相対化されて小さくなって支持率が戻っていくということを期待しているのかなというふうに思いますね。
 茂木さんがテレビ番組で、その趣旨の感じで、いやいや、野党も支持率が上がっていないでしょうと、だから国民が期待しているのはそんな政治と金の問題だけではないんですよと、ほかにもいろいろな課題があるんだからそれを粛々とやっていきますというようなことを言っておられたので、そういう作戦なのかなと思います。
 ただ、国民はそう甘くはない。もっと、より深刻な問題としてこの問題を捉えていると私は思います。ほかの問題をやらないというわけではありませんが、やはり政治と金の問題は、これはまずしっかり対応すべき、そういう課題だと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【NHK】
 党大会で、衆議院選挙の候補者擁立について、200人を目指すということをおっしゃったが、きょう午前の泉代表の講演の中で、240人を最終的には目指していくという趣旨の発言もあった。党としての考え方はどのようになっているか、改めて教えていただきたい。

【幹事長】
 目指すべき200人と言っているのは、小選挙区における候補者の話です。当然比例の候補者も考えなければなりません。それは状況を見て、小選挙区で並べても、たくさんの人が当選すれば比例が足らなくなるわけですから、当然、いざ選挙になれば比例単独のそういう人も数をそろえていかなければいけない。もちろん、余りにたくさん出し過ぎると供託金没収とかそういうことにもなりますので、そこは考えなければいけませんが、党の職員でも、あるいは地方議員さんでも、「我は」と思う方は比例単独で並べるということはいつもやることだと思います。それも含めて240というのは、それは首尾一貫したお話だと思います。

○「塩むすび」「裏金問題(2)」について

【フリーランス】
 先ほどのご発言だが、塩むすびの件。確かに塩むすび、どんなおかずにも合うというところはあるが、塩むすびはメインディッシュではない。

【幹事長】
 主食です。ごはんです。

【フリーランス】
 塩むすびだけを出されてもちょっと物足りないなというのが一般の多くの人が考えるところで、幹事長はもしかしたら塩むすびとお漬物だけで満足されるかもしれないが、普通は何かちょっと違うものを食べて、それで塩むすびを食べたいなというのが多くの国民が思うところだ。塩むすびは、個性がないとか、何でも合うという意味で、そういったところのある意味象徴的なところだと思うが、立憲民主党が次の選挙に向かおうとするのだったら、塩むすびというのを掲げてはちょっとやはり選択に困ると思う。何をおかずにするのか。夕食を作る人は大体おかずに困るのであって、塩むすびだけでご飯が完結するのだったら、こんなに主婦・主夫は楽なことはないと思うが、どういうふうに立憲民主党はメインディッシュを国民に提示されるのかお聞きしたい。
 もう一つは、今回の派閥の裏金の件だが、5年間というのがなかなか出てこないということだが、もしかしたら通帳がどこかに行ってしまっているとか、そういう口実があるかもしれないが、銀行は、お金の出入記録を参照するときに、大体5年間くらいは遡れる。今、検索してみたら、りそなの場合は2018年まで遡れる。そういったところで、やはり完全にそれを出してこないということは怠惰だと言うしかないと思うが、そういうところの追及はされるおつもりはあるか。

【幹事長】
 後のほうの話から言いますと、だから岸田派の話はおかしいのです。通帳も残っているはずだし、なかったら、ちゃんと銀行に頼めばわかります。それから、立件された方も、別に収監されているわけではないのですから、いるわけですから、話を聞けばいいんですよ。それすらもしないのか、したのかわかりませんが、答えられませんという総理の発言は明らかに不自然なんですよ。何か隠していると、都合の悪いことがあるんだというふうに私には見えてなりません。ないならば、こういうふうに調べて、この3年間だけ3000万円不記載があったけれども、その前はきちんとしていたと、堂々と言えばいいんですよ。言えない何かがあるのだろうというふうに思っています。
 塩むすび。私は大体、昼はコンビニで済ませることが多いのですが、地元を回っていたりすると。おむすび一つと、カップのおかずがありますよね、小さな。それが私のメニューなのですね。そこでアサリしぐれのおむすびか塩むすびを選ぶというのがパターンです。
 塩むすびって、難しいんですよ。やはり米と塩のクオリティが問われるのですね。中に具も入っていると、その具の味で紛れてしまいますが、やはり何も入っていないと、結構、お米がどういうお米かというのが問われるので、私は、塩むすびでは戦えないとか、そういう話というのはよくわからないです。
 もちろん、いろいろな候補者がいますから、それは一緒ですが、トップとして泉さんが塩むすびと言われたら、もうそれで押していくとご本人も言っていますから、私もいいなというふうに思っております。

○裏金問題について(3)

【時事通信】
 大きく2点伺いたいが、まず1点目。総理の予算委の答弁についてだが、きょう予算委員会で総理は、自民党の政治改革大綱で党役員が派閥から離れる必要性が定められている点に関して、派閥から金と人事を切り離せば解消するということで事実上達成しているという趣旨の答弁をされた。この評価と、総理の答弁姿勢について、見解を伺いたい。

【幹事長】
 お金と人事が何か切り離されているのですか。例えば麻生派とか茂木派って、ありますよね。今までと何か違うことになっているのですか。全く、へ屁理屈だと思いますね。
 それから、きょうも出たかどうか知りませんが、私、きのうやろうと思って時間の都合でやらなかったのですが、やはり総理が派閥を離れなかったというのは象徴的なのですね。それは安倍さんだって総理の間は細田さんが会長だったし、そして、菅さんは無派閥だったし、その菅さんは、「文芸春秋」か何かで、岸田総理、離れなさいと、派閥を離脱すべきだという話もあったけれども、無視し続けたんですよ、岸田さん。
 そういう姿勢が、我々から見ると政治改革大綱というのは一つのバイブルみたいな、改革の非常に重要な文書なのですが、それを頭から総理が無視しているというところが私は本当に救われないなというふうに思うわけです。

○代表からの指示について

【時事通信】
 もう一点、別件だが、党大会に関連して、泉代表の挨拶で、「ミッション型内閣」について、他党との協議を幹事長に指示したというお話をされていたが、この点、既に協議を始めているのかも含めて、今後の協議の進め方やスケジュール。あとは、協議する党はどこになるのか。その辺について伺いたい。

【幹事長】
 正確に言ってください。「ミッション型内閣」について幹事長に指示したと言いましたか。

【時事通信】
 と理解していたが。

【幹事長】
 ちょっと私の記憶にはそれは残っていません。政治改革についてと言ったのではないですか。
 申し訳ないけれども、あなたも記者ならば、きちっと正確に引用して聞かないと、そこで膨らませて聞くというのは、そういうやり方は私はメディアとしてまずいと思いますよ。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【毎日新聞】
 先ほどの次期衆院選での候補者擁立の件に関してだが、先日の党大会で決定された活動計画には、小選挙区で候補予定者200人というのを目標にすると書かれていたかと思う。この小選挙区で200人というのと、比例を合わせて240人というのは、何か党として扱いが違うものなのか。

【幹事長】
 選挙区で200人立てますよと。でも、比例でも、そういう人たちは大体比例も出ている人が多いとは思いますが、単独も含めて240人、比例は立てますよと。多くはだぶっていますから、単独の人は40人くらいということになるのでしょうね。

【毎日新聞】
 活動計画に小選挙区のほうで記載されたのは、何か分けて考えておられるということか。

【幹事長】
 比例はやはり、後で空振りにならないように、状況を見て、その分を足すのですよ。
 やはり選挙区でどれだけ勝つかが勝負なのです。私は(2021年衆議院議員選挙の自民党・立憲民主党の小選挙区獲得議席合計数の過半数である)124だと言ったのですが、そうすると自民党は122になると。だから自民党を上回ることができると。それは、ほかの、維新とか共産とか公明党が前回と同じだという前提に立った場合の話なのですけれども。

【毎日新聞】
 党大会で幹事長が124議席とおっしゃったことも伺いたいが、それは小選挙区で200人を目標にして、かつ、小選挙区で124議席を取るということも目標にするというふうに理解してよろしいか。

【幹事長】
 自民党を上回る議席を獲得すると言っているわけです。これが一番のメインですから。そのためには、少なくとも124は取らないと、小選挙区で自民党を上回ることにならないのです。
 あとは、比例でも自民党と同数は取らないと全体で上回るということにはならないので、そういう意味では124では足らないかもしれませんが、でも、比例のことはこれからどういうふうに、自民党もだいぶ落ちていますし、我々もどうなるかわかりません。逆に言うと、小選挙区で124取るような状況であれば、比例は当然増えてくるはずなのですね。そういうこともあります。
 まずは選挙区で、それぞれの選挙区で自民党と争っている我が党の候補者が、それに勝って、オセロのように黒を白に変えていく。私としてはそれを最も重要なことだと思っています。

(以上)