岡田克也幹事長は2月13日、国会内で定例の記者会見を行い、(1)総合選挙対策本部発足(2)裏金に関する自民党のアンケート結果――等について発言しました。
(1)総合選挙対策本部発足
岡田幹事長は冒頭、常任幹事会において「国政補欠選挙総合選挙対策本部」の設置が承認されたことを報告しました。対策本部には「野田元総理や枝野前代表も加わり強力な布陣ができた」と述べ、4月に予定される補欠選挙に向けた決意を表明しました。
(2)裏金に関する自民党のアンケート結果
また、自民党が同13日午後に、「派閥による政治資金パーティーに関する全議員調査結果」を野党側に伝えたことについて、「アンケート結果は出たが、まだ聞き取り調査の結果は示されていない」と強調。そもそもこのアンケートについては、「質問項目が2つであり、期待していなかった」との認識を示しました。
その上で、「キックバック」や「中抜き」の区別も明らかになっていないとして、「極めて不十分な調査だと言わざるを得ない」と断じました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年2月13日(火)16時32分~16時56分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/mR5bIzpRXkQ
■冒頭発言
■質疑
- 裏金問題について(1)
- 衆院補選に向けた取組について(1)
- 野党連携について(1)
- 裏金問題について(2)
- 野党連携について(2)
- 衆院補選に向けた取組について(2)
- 野党連携について(3)
- 2024年度活動方針・予算等について
■冒頭発言
○第94回常任幹事会を開催
【幹事長】
私からは、まず、常任幹事会の報告です。
先ほど代表も挨拶の中で触れられましたが、今回の補選に対応する総合選対を立ち上げました。その中で、野田元総理、枝野前代表にも加わっていただいて、強力な布陣ができたと思っております。今後、本部を中心に、それぞれの選挙区でしっかりと戦っていきたいと考えているところであります。
もう既に島根(1区)と長崎(3区)は候補者が決まりました。東京15区については現在、まだ鋭意候補者擁立に向けて作業中であります。しっかりと候補者を擁立して、それぞれの選挙区、しっかり勝てるように、結果を出せるように頑張っていきたいと考えているところでございます。
常幹の報告は以上です。
○裏金問題 自民党のアンケート調査について
【幹事長】
きょうは自民党の調査結果が出ました。全議員へのアンケート調査が出たということで、まだ聞き取り調査の結果は示されておりません。そもそも質問項目が二つということで、あまり期待しておりませんでしたが、一応5年間ではありますが、その数字が出てきたということであります。
ただ、何にそのお金が使われたのかということの説明は一切なし。
それから、形態としては、キックバックがあって、それが記載されていなかったというケースと、そもそも政治家のところにとどまっていて一部が派閥に行ったと、そういう中抜きですね、そういう形態があったと。二つの形態があったというふうに言われていますが、その区別も明らかではないということで、極めて不十分な調査だと言わざるを得ないと思います。
なおしっかりとした結果を求めていきたいと考えているところです。
■質疑
○裏金問題について(1)
【共同通信】
政倫審に関して伺いたい。先ほど泉代表は冒頭のご挨拶の中で、政倫審に出ないということであれば証人喚問等を求めなければいけないとご挨拶されたが、幹事長として、きょうは松野前官房長官が依頼があれば検討したいというか出席も考えたいというふうなことを記者団に述べたようだが、その発言も踏まえて、どういう対応を自民党がするのが望ましいかというお考えを改めてお聞きしたい。
【幹事長】
松野前官房長官の発言を私は承知しておりません。したがって、それに直接コメントすることは避けたいと思います。
そもそも政倫審というのは、自ら弁明の機会を得て、国民に対して説明する、あるいは国会に対して説明するという場ですので、基本的に今名前の挙がっている人たちは、特に安倍派・二階派の幹部の皆さんは、自ら進んで政倫審の場で意見を述べられることが求められていると思います。
【共同通信】
幹事長は先日、沖縄県で記者団の取材に対して、自民党が政倫審への対応が不十分であるというならば証人喚問あるいは参考人招致ということも求めるという趣旨のことをお答えになったと思うが、その辺りを改めてお聞きしたい。
【幹事長】
ですから、自ら説明しないというのであれば、予算委員会の場で、きちんと説明していただく。当然のことだと思います。
○衆院補選に向けた取組について(1)
【テレビ東京】
まず一点伺いたいのが、先ほど東京15区に関しては候補者の擁立を目指すとおっしゃっていたと思うが。
【幹事長】
目指している。
【テレビ東京】
目指しているということだったと思うが、先だって国民民主党の榛葉幹事長が、岡田幹事長から島根1区の応援をしてほしいという要請を受けた際に、東京15区でそれならば国民民主党の候補を応援してほしいという発言をしたということで会見で発言があったが、あくまで国民民主党との候補者調整を行わず立憲民主党として単独で候補者を出すというお考えでよろしいか。
【幹事長】
榛葉幹事長からそういうお話があったことは事実です。ただ、私はそれに対して即答はしておりません。
従来から、我々も15区で出すという、そういう方針で人選に当たってきておりますので、国民民主党のほうは一足早く名前を公表されたということですが、我々もしっかり努力はしたいと思います。その後どうなるかというのは、それはその後の話であって、現時点で私たちも努力しているということです。
○野党連携について(1)
【テレビ東京】
あわせて、10日に幹事長は沖縄で、国民民主党に関して、考え方を改め野党がまとまっていくべきと考えるならば懐深く対応していきたいとおっしゃったと思う。その発言をなさったことに対して、きのう国民民主党の党大会で榛葉幹事長が、名前は伏せたが、ある方が考え方を改めるなら一緒になってもいいとおっしゃった、大きなお世話です、というふうに発言をしている。こちらに関して、まず、その改めるべき考え方というのはどのような考え方なのかと、榛葉幹事長の発言に関する受け止めなどあればお聞きしたい。
【幹事長】
榛葉さんの発言にはコメントはしません。一々コメントする必要はないと思います。
私は、一緒になってもいいなどということは言っておりません。(質問の中で)最初に言われたのが私の発言です。懐深く対応していきたいということです。
改めるべき考え方というのは、これは国民民主党の代表選挙でも前原さんとの間で議論になった、野党はまとまっていくべきだという考え方なのか、是々非々で与党も含めてやっていくべきなのかと、そういう議論は相当あったと思うのですね。そういう、与党とも是々非々でやっていく、政権交代は簡単には起こらないという考え方ではなく、やはり野党がまとまっていくことで今の与党に対抗できる勢力をつくっていくという考え方。これは連合の考え方でもあります。そういう考え方にぜひ立ってもらいたいと私は思っております。
【朝日新聞】
今の質問に関連して、そもそも沖縄での発言をもう一度伺いたい。トリガー条項で国民民主党の玉木さんが与党との協議をやめるということを踏まえておっしゃったのかなと考えているが、それを踏まえて、岡田幹事長としてはどのような意味で発言されたのか、その趣旨を改めてお願いしたい。
【幹事長】
トリガーの協議は、私は前向きです。一つ一つ協力できるものは積み上げていくべきだと思っています。
ただ、その根底にある考え方がどういう考え方なのかということは一方で重要で、それぞれ個別にいろいろな実績を積んでいく中で信頼関係ができてくるというのも一つの道ですが、やはり今の与党に対抗していくという考え方は非常に私は大事だと思っていますので、そのことを申し上げたということです。一般論として。
【朝日新聞】
重ねて聞くのは大変恐縮だが、そのときの発言というのをもう一度改めて、どういう内容の発言だったのか、正確を期すためにも改めてお願いしたい。沖縄での発言。
【幹事長】
先ほどあったと思いますが。
【朝日新聞】
今言われているのは、考え方を改めるならば国民民主党とこちらは懐深く対応したい、そういう趣旨でよろしいか。
【幹事長】
そうですね。その考え方というのは先ほど説明したとおりです。
○裏金問題について(2)
【NHK】
話題変わるが、きょう、今かもしれないが、自民党の政治刷新本部のワーキンググループで、具体的な政治改革の案などの議論が始まったと聞いている。このタイミングになったことについての受け止めと、まずは全容解明ということが先だとは思うが、どのように成案をまとめていきたいかなど、考えがあれば教えていただきたい。
【幹事長】
自民党の刷新本部で出た中間報告は、具体的なものはないのですね。中のことについては、自民党の中のことや派閥のことについては書いてあっても、どういうふうにして政治資金規正法を改正していくのかということについては具体論はありませんでした。
予算委員会でやり取りしてもですね、もちろん政策活動費についてはゼロ回答だったのですが、そのほかの問題も、協議するとおっしゃるのだけれども、やはり自民党の考えがなければ協議もできないわけで、早くまとめてくださいと。我々の考え方はもうはっきりしていますと。例えば連座の問題にしてもそうですが、あるいはデジタル化とか、はっきり言っているわけですから、そのレベルまでまず自民党の議論をしっかりとしてもらいたいと思います。
【フリーランス】
政治資金規正法改正案に関して。先々週、山口代表は、衆議院で過半数を持つ自民党が主導すべきだと参議院本会議で言っている。間違いなく、山口代表が、衆議院で過半数を持つ自民党が先導してくれということを本会議で言っている。それはその前の岡田幹事長の発言が多少頭の片隅にあっておっしゃっているのは間違いないと思う。それと、藤田幹事長と先々週2人で会われたという報道もある。政治資金規正法改正案、もちろんアンケートだけではなくヒアリングもきちんと出てから、予算委員会を経てからというのは十分わかっているが、政治資金規正法の改正についてどういった枠組みでやっていかれるか。
【幹事長】
今、予算委員会が開かれていますので、その場での議論を重ねていく中で、おのずと形ができてくるのだと思っております。
我々としては、あまり前のめりになるということになると事実解明がおろそかになりますから、まずやるべきことは事実解明。全くそれが示されていないと思っています。
○野党連携について(2)
【時事通信】
先ほどの質問と少し関連するが、連休中に放送されたBS番組で幹事長は、国民民主党との関係性について、合流を目指す趣旨の発言をされていたと思う。国民民主党側は否定的なスタンスも出ていて、ハードルの高さも少し感じるが、立憲側から何かアプローチは考えられるか伺いたいのと、改めて合流の意義、その辺についてもう一度伺いたい。
【幹事長】
これは私の持論です。もうずっと言い続けていることです。不幸な希望の党騒動で、ばらばらになってしまった。これは国民の失望感は大きいと思います。元々同じ党だった、なぜ別々にやっているのかと。それが大きな固まりをつくるということが、今の与党に対抗できる野党の第一歩だと思っています。日本の政治をこれから政権交代可能な政治にしていくという大局観に立てば、私はぜひそれを期待したいと思います。
ただ、相手のあることなので、最近のいろいろな反応を見ていても簡単なことではないということもよくわかっております。
【時事通信】
番組で、衆院選に向けての流れの中で話題が出たが、急いでやるべきという考えとか、その辺のスケジュール感とかスピード感みたいなものは何か考えはあるか。
【幹事長】
これは相手のあることなので、こちらがやりましょうと言っても、それに対して乗ってこないということであれば、それは前になかなか進まないということです。
ただ、そういうふうにしていることが、今の与党を長く権力の座に置いて、そして、そのことがいろいろな昨今の問題にもつながっているということも、やはり真剣に考えなければいけない。私たちの責任でもあると思っています。
○衆院補選に向けた取組について(2)
【フリーランス】
先ほどの東京15区補選の関連で、玉木代表はきょうの会見で、島根1区で候補者を出さない代わりに東京15区で出したと、交換条件、バーターを期待しているような発言をなさっているが、立民で候補者を選んだ後、国民民主党と候補者調整、予備選等いろいろな方法があると思うが、それをするお考えはあるかないか。
【幹事長】
まだ我々も決めることができないでいる状態なので、あまり仮定の話はしないほうがいいと思います。
ただ、大事なことは、おそらく自民党も候補者を15区も出してくると思います。そこに勝てる態勢をどうやってつくるかということだと思います。勝てる候補者、そして、勝てる態勢ということが大事です。
【フリーランス】
勝てる候補として、江東区長選に出た酒井元区議や須藤元気さんの名前が既に報道されているが、こういう人たちから今絞り込んでいると考えてよろしいか。
【幹事長】
具体的な名前については私はコメントいたしません。
○野党連携について(3)
【フリーランス】
最後、トリガー条項について、玉木代表は与党協議が失敗したと、頓挫したということを認めているが、だったら野党連携して次期政権交代を目指すというふうに方針転換するのが筋だと思うが、国民民主の何か煮え切らない、どちらを向いているかまだわからない対応については、どうご覧になっているか。
【幹事長】
私がコメントすると、またそれに反応が返ってきますので、ここはコメントいたしません。
○2024年度活動方針・予算等について
【フリーランス】
政策審議時間をより十分に取ってやっていきたいというふうに書かれていたので、本当ですかと期待したいところだが、この間、ちょっと私ヒアリングしたときに、例えば安全保障の問題のときにそういったお話が出たが、部会のメンバーでなくても立憲民主党の議員であれば誰もが飛び入りで議論・議題に参加できるという体制になっている党なんだよと。なのだけれども、会議の設定が例えばあしたとかあさってと言われると、皆さん予定がつきにくい。例えば来週以降であれば、ほかの議員もその部会に一緒に参加して、興味のある話題について一緒に議論ができると思うが、こういったところというのは改善していくお考えはあるか。
【幹事長】
基本的にはそんなに、「あした、この会議をやります」ということはほとんどないと思います。もう少し事前に告知してあると思います。
ただ、国会のほうの日程が決まってきますので、結果的に参加できないとか、あるいは直前に動かさざるを得ないということはあると思います。
【フリーランス】
監査法人による本部収支の点検をすると、かなり厳しい内容を書かれていたので驚いたが、こちらの本部のお金というのは官房機密費みたいに内容を明らかにされない部分というのはやはりあると思うが、きょうちょうど山岸一生議員が官房機密費の中身についてお尋ねされていたが、こういった部分というのは監査で、ならぬものはならぬではないが、表には出さなくても監査法人には全部見せていくという、そういうことなのか。
【幹事長】
監査法人に党の予算全体を監査してもらうというのは、私が最初に幹事長をやったときに始めたことだったと思います。これはかなりお金、予算、1000万近くかけているのではないかと思います。相当しっかりとした監査をしてもらっております。
その中で、何か中身が説明できないものというのはありません。全て領収書があります。
それから、全て決裁をします。例えば300万円以上の支出は全て幹事長決裁です。
ですから、完全に透明化されています。
(以上)