岡田克也幹事長は2月20日、国会内で会見を開き、(1)盛山文部科学大臣不信任決議案(2)防衛費の増額――等について発言しました。
(1)盛山大臣不信任決議案
岡田幹事長は盛山大臣の不信任決議案が否決されたことについて「驚きを禁じ得ない」と述べました。「そもそも調査そのものが極めていい加減だ」と指摘し、「裁判を注視していかなければならない」と述べました。
(2)防衛費の増額
防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合で、座長らから防衛費43兆円の増額を求める声があったとの報道について、岡田幹事長は、「有識者会議は、実際どのような話をしてきたのかもわからない」と指摘し、「国の限られた財源の中で、何に優先的に割り振っていくかの話」と指摘し、「防衛増税を先送りしなければならない中、さらに全体の議論が必要」との認識を示しました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年2月20日(火)15時00分~15時25分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/bRqPeOJ6Wo0
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○旧統一教会問題 盛山大臣不信任案の否決について
【幹事長】
私からは、2点。
まずは、先ほどの本会議の採決です。盛山大臣不信任決議案が否決をされました。驚きを禁じ得ない結果だったと思います。誰が考えても、盛山大臣が適任だとは言えないと思います。
これから(解散命令請求を受けた)裁判、その一方の政府を代表する当事者が盛山大臣で、裁判所に対して的確な対応をしていかなければいけないわけです。その盛山大臣が、当初の報告とは全く異なり、選挙時に応援をしてもらっていたということが新たに明らかになった。その後も追加的なさまざまなことが出てきている中で、過去のことだから今はそうではないんだという、そういうよくわからない論理立てで守ろうとする岸田総理のその姿勢というものは全く理解できないものであります。そもそも調査そのものが極めていい加減だということが今回露呈したわけですが、露呈したにもかかわらず開き直るという姿勢は誠に遺憾だというふうに思います。
我々としては、そういう大臣の下でこれから(解散命令請求の)裁判が本格化していくわけですが、きちんと注視していかなければならないと思います。ねじ曲がるようなことがないかどうかですね、注視していかなければならないと思っております。
それが一点です。
○防衛力強化有識者会議 更なる増額論について
【幹事長】
もう一点は、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議が、43兆円では足らないのではないかという議論が出たという話であります。
そもそも、この有識者会議というのが、議事録的なものも後から少し出てくるような話で、実際どういう議論がなされていたかもわからないわけであります。
我々は、43兆円、本当に必要なのかと。これは何といいますか、絶対的な基準で決める話ではなく、国の限られた財政の中で何にどれだけ優先的に配分していくかという財政全体の問題であります。例えば我々は子ども政策について、3.6兆円という数字がありますが、それは防衛費の一部を充てることで、一部、全てではありませんが、3.6兆円のかなりの分が賄われるのではないかということを申し上げているわけです。防衛費を増やす必要があることは、私はそういう立場ですが、しかし、5年で倍にするというのはよくわからないということであります。
それを更に増やすというのは一体どういうことなのか。防衛の観点だけから見ていればそういう議論もあるのかもしれませんが、しかし、では、その財源をどうするのかということも、防衛増税そのものも先送りせざるを得ないような状況の中で、では、更に増税するのか。しないならば、どこから持ってくるのか。そういう全体の議論が必要だと思っております。政府のほうは43兆円の枠内でというふうに財務大臣は言っているようですが、それを増やすということになると、さまざまな議論をしなければならない。そういうふうに思っております。
そもそも、そういったことを言うならば、オープンに、誰がどういう議論をしてそういう結論になったのかということは、きちんと説明してもらいたい。ブラックボックスの中で、そういう結論だけ出てくるというのは、極めて問題だと思っております。
■質疑
○梅谷議員に関する報道について(1)
【新潟日報】
旧新潟6区の梅谷守代議士が選挙区内の有権者に対して日本酒を配ったのではないかと、公職選挙法違反疑いの可能性があるのではないかという報道がされている。こちらの疑惑についての党幹事長としての受け止めをまず伺いたいのと、今国会で政治と金の話も非常に議論になっており、自民党を厳しく追及しているさなかであり、本日も予算委が政倫審の開催のために取りやめになったり、いろいろ非常に厳しい攻防のさなかでこうしたニュースが出ている。重要な局面であるが、どのような影響が出るとお考えか、あわせて伺いたい。
【幹事長】
影響が出るかどうかは私がお答えする話ではないと思います。
今回の件は、本人も述べているように、軽率な行為であることは間違いないと思います。したがって、ご本人も反省の弁を述べられていると思います。
それ以上のことは、現在の明らかになっている状況では、なかなか判断し難いところもあります。私としては、よく事実関係を把握して、その上でどういうふうに対応するか考えていきたいと思っています。適切に対応していきたいと考えています。
【新潟日報】
現時点で党のほうで確認している事実関係、ご説明できる範囲で構わないが、教えていただきたい。
【幹事長】
基本的には報道されていること、それが事実かどうかということも含めて、まだ十分に確認できていないということです。
ただ、かなりはっきりと、写真、動画などもありますので、そこはかなり確度が高い話なのだろうなと思っております。
【新潟日報】
具体的に党としてどのような調査をするか、今後の本人の処遇などについてどのように決めていかれるかもお願いしたい。
【幹事長】
まず事実関係を明確に把握することだと思います。
【新潟日報】
それはどこがやるか。
【幹事長】
それは私のところです。
【新潟日報】
いつまでにとか、そういうことは。
【幹事長】
それはちょっと状況もよく把握できないところがありますので、いろいろなことが想定されますので、ここで確たることを申し上げるつもりはありません。それは党の問題です。
【新潟日報】
もしの話ではあるが、これが本当に立件されるなどして、それこそ捜査が入る、あるいは起訴されるといったようなことになる可能性もあると思う。そうした場合は、例えば党の規約的にはどういうふうな対応になるか、はっきり決まったものはあるか。
【幹事長】
本人の身分に関わる話なので、仮定の議論にお答えできません。
【NHK】
先ほどの梅谷さんのことに関連して一点。本人はきょう説明はしたが、引き続き説明責任を果たすよう党として求める考えはあるか。
【幹事長】
これから、まず事実を把握することが重要だと思います。
○裏金問題 衆院政倫審めぐる対応について
【NHK】
別件になるが、政治倫理審査会に関連して、自民党は51人の意向を確認すると報道されている。これについての受け止めと、予算の対応なども含めて、どのようにお考えか教えていただきたい。
【幹事長】
いまだにそんなことを言っているのかということですよね。全く確認していなかったのかと。
それから、メディアにいろいろ出ましたよね、誰々は応じる意向だとか。あれは一体何だったのか。そこもちょっと私は不思議に思います。どこまで根拠を持って書いておられたのかということも含めて。あるいは、誰か何かしゃべったから書かれたのだろうと思いますが、それって一体確たるものだったのかどうかと。これから調べるというのが事実だとすると、今までの報道は全部否定されたことになりますから。
しかも、余りにも遅過ぎますので、本気でやる気があるのかと。日程が厳しくなって、予算委員会の、慌ててばたばたとやったふりをしているというふうに言われても仕方がないと思います。
【NHK】
政治倫理審査会で事案の解明が求められると思うが、それと予算(委員会の審議と)の関連というのは何かあるか。予算の審議に応じられるかどうかというのはどうか。
【幹事長】
まず、我々は返事を待ちたいと思います。それが明確でないのに、いろいろなことを言うつもりはないのですね。
ただ、本当に予算を年度内に成立というふうに真剣に思っているならば、こんな対応というのは考えられません。もっと早くから例えば全員調査だってやるべきだったし、そのときに政倫審の対応だって一緒に聞けたはずだし、余りにもその場しのぎでやっていて、一体誰がこの予算成立に政府の中で責任を持って全体を組み立てているのか、非常に不思議に思いますね。政権にとっては、かなりこれは厳しい状況になってしまうのではないかと思います。
【朝日新聞】
今の質問に続いてだが、先ほど安住さんが記者の前にしゃべったことが、ちょっと速報段階なので精査していないが、自民党側からは塩谷さんと二階派の武田良太さんの2人を政倫審に出してくるというようなことを伝えているようだ。この2人をもってして、安住さんとしてはこれでは話にならないということなので、改めての認識を伺いたいが、まだ誰が出てくるというところの報告までは聞いていないか。
【幹事長】
どのレベルまで報告を聞いているかということを、こういう場でお話しする話ではないと思います。
ただ、基本的には(野党が出席を求めている51人)全員というふうに我々は考えているし、少なくとも安倍派・二階派の幹部、二階さんご自身も含めてというのが我々の基本的スタンスなので、もちろんお二人が政倫審に自ら出てきてお話しになることは、それはそれで我々拒むものではないし、そこでしっかりと事実関係を明らかにする努力をしたいと思いますが、そのお二人で全てが明らかになるとはとても思えません。
【朝日新聞】
今のNHKさんの質問とも重なるが、本当は予算審議に向けて与党としてはきょうにも来週の中央公聴会をセットして年度内成立を目指したいところだと思うが、ただ、この状況にあるとなかなか、その採決の前提となるような中央公聴会の設定というのは難しいという認識になるか。
【幹事長】
それは我々が決める話ではないので、わかりません。強硬的な手段に出てくる可能性も、それはわかりませんので、その予想を私が申し上げる、そういう立場にはありません。
ただ、国民のやはり納得できるような、しっかりとした予算の審議。そして、今回のこの裏金疑惑に対する事実解明。この二つをきちっとやることが私は政府の責任だと思っています。
○旧統一教会問題 盛山文科相について
【朝日新聞】
盛山文科大臣の不信任案の話に戻るが、確かに先ほど否決はされたが、本日朝日新聞も報道しているが、いまだに盛山大臣の事務所には教団からの会報が届いているということもわかり、過去を断ち切ったと言っても、これまでも続いているということがかなり疑わしいという事実が出ていると思う。きょうの不信任(案の否決)をもって、では、今後野党として盛山大臣についての追及はし続けていくのか、それとも、もうこれをもってしないのか、改めて伺いたい。
【幹事長】
注視はしていきたいと思います。特に、この裁判ということになりますから、文科省、あるいは政府の対応、それはしっかり見ていきたいと思います。その上で判断していきたいと思います。
ただ、問題は、今までこの裁判に至るまでのプロセスもほとんど明らかになっていないのですね。審議会でどういうやり取りがあったか。それから、政府は裁判所に対してどういう資料を出しているのか。もう全部ブラックボックスの中でやっていますから。それだけに、やはり大臣がそういった過去のことがあると、それだけ疑わしくなってしまうということだと思います。
【共同通信】
盛山大臣の不信任案に関して、きょうの採決では立憲民主党と共産党と国民民主党は賛成で、維新は反対に回ったと思う。今後の野党連携ということを見据えて、今回対応が分かれることになったわけだが、これに対してどういうふうにお感じになっているか、まずお願いしたい。
【幹事長】
足並みが完全にはそろわなかったことはとても残念に思っています。ただ、ここの不信任案を出すということについては、これは野党の中で合意形成ができていた。ただ、その対応は分かれたということです。
一筋縄ではなかなかいかないのですが、野党第1党として、しっかりと他の野党を巻き込んで、なるべく一致した対応が取れるように努力していきたいと思います。
【共同通信】
今回、今おっしゃったように、4党で大臣に対する説明責任を今後も求め続けるところでは一致されていると思うが、そうすると今回はさほど問題というふうには思っていらっしゃらないということか。
【幹事長】
問題かどうかということを、私、言うつもりはありません。なるべくこれからも努力して、野党が一致して対応できるようにしていきたいと思います。
○梅谷議員に関する報道について(2)
【共同通信】
話が戻るが、梅谷さんの件だが、先ほどの記者団への説明で、おそらく本日だと思うが、幹事長とはお話しされたとおっしゃっていた。その際の、お話しできる範囲で、どういったやり取りがなされたか教えていただきたい。
【幹事長】
それをお話しするという立場にはありません。どういう状況かを聞いたということが中心です。
【共同通信】
ご本人は報道されていることに関してはお認めになったというところは、ご本人はそうおっしゃっているが、そこら辺の説明はあったということか。
【幹事長】
報道全てを認めたかどうか、ちょっと私は確認しておりません。
ただ、報道されているような状況があったことについて、軽率であったという、そういう反省の弁は述べられました。迷惑をかけて申し訳ないという感じでした。
【共同通信】
先ほど記者団には対価という認識だったというご説明がご本人からあったが、過去を見ると、自民党のほうだが、小野寺(五典)さんとか、あるいは菅原一秀さんとか、同様の、香典を渡してその結果として辞任されたり、最終的には公民権が停止になったりとか、そういう過去の例はあるが、見通しというか、党としての対応とか、先ほどとちょっと重なるが、改めてその辺りはいかがお考えか。
【幹事長】
我々が法を判断するものではありませんので、そこは事態の推移を見守るというお答えしか答えはないと思います。
ただ、例えば線香を配ったとかいうような、それは個人に対して候補者がそれを持っていったということです。
集団でやっている会合に対して参加したときに、その参加の対価として酒を持っていったと、そういう認識だったのだろうと思っております。そういった会合があって、例えば飲食が出てくるというときに、会費制であれば会費を払うということになるのでしょうが、そうではない、そういう場合に酒を持って行ってしまったということだと思います。
なかなか難しい判断も私はあるのだろうと思います。だけど、非常に誤解を招きやすい、そういう対応であったことは間違いないので、そこは本人も反省しているところだと思います。
【共同通信】
今後また改めてお話を聞くご予定等はいかがか。
【幹事長】
きょうは短時間でしたので、状況を見ながら、またご本人からお話を聞くということは当然あると思います。
【共同通信】
最終的なところに行くと議員辞職みたいな話も出てくるのかもしれないが、その辺り、出処進退に関しては最終的にはご本人のご判断になるということか。
【幹事長】
現時点の情報でそこまで先走ったことを言うのは、私は、少なくとも私の立場からいうと適切ではないと判断しています。
【時事通信】
関連して伺いたい。先ほどの梅谷先生と幹事長のやり取りは、何らかの注意や指示をしたのか。その辺をまず確認させていただきたい。
【幹事長】
事実関係をお聞きして、梅谷さんのほうから、軽率な行動であったと、申し訳ないと、党にも迷惑をかけるというお話がありましたので、私のほうからは、十分注意してくださいというふうに、慎重に対応してくださいということは申し上げました。
【時事通信】
加えてだが、先ほどの軽率だったという一連の弁明に関連してだが、現時点で確認している事実関係としては、単純なミスで悪質性はそう高くないという、そういうふうに見ていらっしゃるのか。あとは、少なくとも何らかの処分の必要性はあるというふうにお考えなのか。その辺を確認させていただきたい。
【幹事長】
そこは事実を確認しないと、現時点では何も言えないと思っています。
【時事通信】
もう一点だけ。今、政治と金で与党に対する批判が高まっている中で、こうした公選法違反が指摘されるようなことが出て、与野党全体として政治不信が高まりかねないようなところもあると思うが、国民に対してメッセージとか一言いただければと思う。
【幹事長】
公選法違反かどうかというのは、現時点ではそういう話にはなっていませんので、これ以上のコメントは私は控えたいと思います。
【フリーランス】
小野寺五典さんのお線香というのは、その家に持っていったわけで、つまり言うなれば個人対個人だが、今回のイベントに持っていったということは、そのバックに誰が受け取ったか、その町内会長がどうだかわからない、その後ろには有権者がいるわけですよね。それで一升瓶を皆さんでやったから、それは個人個人にやったのと同じだと思うが。
【幹事長】
ちょっとおっしゃっていることがよくわかりません。
状況も完全には把握していませんので、あまりこの場で言うことは適切ではないと思いますが、例えば会費制で食事会をやっている、そういうところは当然会費を持っていくということで、その会費以上のものを持っていけばそれは公選法の問題になり得るということですが、ほかの人と同じような会費であれば、それは自分が飲食する部分についてということになるのだと思います。
今回の場合は、そういう会費の話ではなく、皆で一緒に会合していて、地域の集まりで、そこで飲食もあると。会費は別に取っていない。地域の中で会費を取っていないというときに、何もなくて行くのは気が引けるということで酒を持っていったというのが実態に近いのかなと私は思っております。
【フリーランス】
個人個人が飲んで、梅谷さん対個人の集まりというように私は取っているが。それから、新潟日報があした以降もどんどんどんどん報道してくるということだが、それについて、岡田さんは梅谷さんを呼んで状況を聞くということはあるか。
【幹事長】
私が承知しているのは今日までの報道の範囲ですので、新しい事態が出てくるということになれば、またお話は聞きたいと思っています。
(以上)