長妻昭政務調査会長は5月9日、国会内で記者会見を開き、(1)環境省マイクオフ問題(2)機能性表示食品(3)政治とカネ問題(4) 2040年に7人に1人が認知症になるとの推計結果――等について発言しました。

■環境省マイクオフ問題

 5月1日に水俣病患者団体との懇談の場で、環境省がマイクの音を切るなどして団体側の発言を遮った問題をめぐり、長妻政調会長は「言語道断」だと指摘しました。水俣病は公害の原点と言われており、「公害国会」と言われた国会が開催され、大きく議論されたことを受けて、環境庁が発足された経緯を「伊藤大臣は認識しているのか」と、疑問視しました。謝罪の場においても、大臣が「環境省職員が勝手にやった」といった趣旨の発言など、冷たい対応に終始しているとして、本気で見直してほしいと指摘しました。

■機能性表示食品

 長妻政調会長は、立憲民主党の議員立法で機能性表示食品の規制・安全性を確保するための法律案を本日の「次の内閣(NC)」閣議で承認を図る予定だと報告しました。法案の主な内容として、重大な事案が起こった場合の報告を義務化するとしたもので、アメリカなどでは取り入られているが、日本ではガイドラインにはあるものの徹底されていないと述べました。

 また、消費者庁が小林製薬以外の企業について機能性表示食品の調査をした結果、入院した案件があったとの報告があり、環境省も認めたと述べました。一方でメーカー名は公表しないとした前提で調査を行っており、「メーカーがガイドライン違反であっても公表をしないとしたことは、消費者庁も隠蔽に加担しているのではと疑われるような対応」だと問題視しました。業界の利益も重要だが、天秤を掛けたときに国民の健康を優先してほしいと政府へ求めました。

■政治とカネ問題

 長妻政調会長は、自民党の政策活動費の改革案について、立憲民主党は政策活動費を「全面公開」としているが、自民党は政策活動費をいくつかに分け、広報費などは大枠での公開を検討しているとして、「なんちゃって公開、非常に呆れる」と批判しました。また、4月に行われた衆院3補選で立憲民主党が議席を増やしたことにより、衆院政治倫理審査会で一定程度前進すると期待をした上で、岸田総理に「早く解散総選挙をして、国民に判断してもらうのが民主主義の姿だ」と述べました。

■2040年に7人に1人が認知症になるとの推計結果

 厚生労働省が8日に公表した、2024年に高齢者の7人に1人が認知症患者になる見通しについて、政府へ「介護離職により経済の基盤も壊していくといった認識を持ってもらいたい」と述べました。認知症は要介護認定で軽く扱われるため介護のサービスに齟齬(そご)が出るなど、政府へ再三改善の要請をしているが、進むどころか訪問介護の報酬引き下げのように逆行した動きもあると指摘しました。長妻政調会長は、介護業界でパーティー券が売れないことが影響している可能性もあると指摘し、政府へ対策の見直しを求めるとともに、認知症サポーターの活用についても、「もっと機能的に取り組んでもらいたい」と述べました。