泉健太代表は5月17日、党本部で定例の記者会見を開き、(1)選挙妨害によるつばさの党関係者逮捕(2)環境省マイクオフ問題(3)政治改革(4)萩生田衆院議員の自民党東京都連会長再任――等について発言しました。

■選挙妨害によるつばさの党関係者逮捕

 つばさの党の関係者3名が逮捕されたとの速報を受け、「異常な行動であったと言わざるを得ない」として強く非難しました。泉健太代表自らも選挙中に被害を受けたとして、捜査当局の対応を評価したうえで今後の捜査の推移を見守っていく姿勢を示しました。その上で立憲民主党の公職選挙法の改正案について、法定刑の引き上げや選挙妨害に該当する行為の規定について検討していくと述べました。

■環境省マイクオフ問題

 5月1日に伊藤信太郎環境大臣と水俣病当事者の懇談の場で、環境省が当事者のマイクを切り発言を遮った問題を受けて、「本当に問題外の話だ」として強く非難しました。立憲民主党が党内議員連盟などで被害者救済の取り組みを進めてきたことを述べた上で、20日に立憲民主党議員団を派遣して水俣病患者団体関係者からヒアリングを行うと述べました。

■政治改革

 自民党がパーティー券購入者の公開基準を10万円超と示していることについて言及。泉代表は、政党助成金が始まった経緯として政治献金が野放図に広がっていることを危惧し、政治活動は公費負担で行い、その代わりに企業献金は減らしていく流れではじめられた制度であるにもかかわらず、「自民党は企業団体献金と政党交付金を二重取りする形で運用してきた。企業団体献金が結果的に裏金につながった」と指摘しました。そのうえで、「 (自民党の)政治資金パーティー券購入者の公開基準についての全く後ろ向きな姿勢は容認できない」として非難しました。

 また、外国人によるパーティー券購入について、外国人の政治資金規制が全く手つかずとなっている現状についても指摘しました。さらに、政策活動費の透明性の確保について、自民案と公明党との協議が難航していることから、「野党の案を受け入れて政治改革を本気で進めてもらいたい」と力を込めました。

■萩生田衆院議員の自民党東京都連会長再任

 自民党東京都連が5月15日、役員選考委員会で萩生田議員を会長に再任する方針を決めました。報道を受けて、政治資金パーティー不記載額が2728万円に上り、1年間の党役職停止処分を受けた議員が党役職に再任するのは「信じがたい」と泉代表は述べ、自民党の裏金問題への反省の姿勢が見えないとして非難しました。


泉健太代表記者会見

2024年5月17日(金)10時30分~11時07分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/r-dDpJpkMgg


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「選挙妨害」つばさの党代表らの逮捕について

【代表】
 おはようございます。
 まず、先ほど、つばさの党の3名が逮捕されたと、そういう速報が流れました。
 これは(衆議院)東京15区の補欠選挙でのつばさの党の行動というのは異常な行動であったと言わざるを得ませんので、確かに、選挙の自由妨害ということでの逮捕であるとするわけですから、選挙の自由を妨害したというのは私が見ていてもそういった行為であったなと感じます。
 随分私も選挙カーを追い回されましたし、こちらがマイクを一度残念ながら下ろさざるを得ない、マイクを、もうこちらからの訴えをやめて、騒音になるのを防がざるを得ないというか、それでも向こうは延々と音声を流し続けていましたが、大きい声で。学校の横もまた関係なくでしたね。そして、ひたすら他党の候補者のことを悪く言うということでしたから、これは捜査当局も努力をされたというふうに考えています。今後の捜査の推移を見守っていきたいと思います。
 法案、この法律(公職選挙法)の改正については、我が党は今、法定刑の引上げ、そして、どういったものがこの妨害に当たるのかということの例示ですね。そういった方向性について、演説が聞き取れなくなったときとか、そういうことをどう規定するかというところを、今、国会の中で我々も考えているということであります。

○水俣病患者団体からのヒアリングについて

【代表】
 いわゆる環境大臣の水俣病患者団体からのヒアリングの際の問題ですが、あれはもう本当に問題外の話でありまして、マイクオフ問題と言われていますが、我々立憲民主党はこれまでも党内にも議員連盟もございましたし、被害者の救済のために取組を続けてきましたが、改めて立憲民主党として、来週、週明けの月曜日、20日に、我が党から議員団を派遣して当該水俣病患者団体の皆様からヒアリングを行うということを決定いたしました。
 20日の午前と午後に、ヒアリング時間としては計6時間ですね。それぞれ枠としては1時間ずつの枠を取って、6枠でお話を伺いたいと思っております。丁寧に、最大限寄り添ってお話を伺い、また、政府に比べれば伺う時間がはるかに長いわけですから、さまざまこれまで聞かれなかった話もお伺いすることができるのではないかと思っております。
 丁寧にお話を伺って、今後の解決策に資する時間にしていきたいと考えております。

○政治改革 自民党案について

【代表】
 そして、自民党の政治改革についてです。
 これまでも問題外というのは繰り返し言ってきたわけですが、一つは、この公開基準です。政治資金パーティー購入者の公開基準ですが、個人献金のほうは年額5万円で公開するという基準になっているわけですから、その意味で、このパーティーはなぜ10万なのかと。
 そもそも政党助成法で政党助成金が始まって、これはそもそも政党助成金が始まったいきさつというのは、余りに政治献金が野放図に広がり過ぎているから、ちゃんと、お金のかかる政治ではなくて、公費で政党活動を見よう、その代わり企業献金などは減らしていこうという文脈の中でスタートした。しかし、自民党はそれをいつしか有名無実化して、企業・団体献金も二重取りをするという形で、残念ながら運用してきたという経過がある。それに加えて、その企業・団体献金もまたとんでもない管理の仕方をしていて、結果的には裏金にもなってきたということでもありました。
 そういったことからも、我々としては、この政治資金パーティーの問題については、まず自民党のほうには、こうした公開基準について全く後ろ向きな姿勢というのは、これは容認できないと考えております。
 また、外国人によるパーティー券購入ですね。これは自民党も何か随分、外国勢力が云々とか言っていますが、政策活動費を外国の何だかに使うとかということもぼそっと言っていたり、外国人にとても緩い今のこの政治資金の規正になっていて、裏で動かされているというふうに指摘を受けたらどう弁解をするのか。ただ「そんなことはありません」と強弁するだけでは証明になりませんから、この外国人によるパーティー券購入ということについても、今のままでは全く手つかず、ざるであるということですよね。
 そして、政策活動費ですが、これは本当なんですかね、全く意味不明な報道を見ましたが、政党からの支出、党からの支出が1件当たり50万円を超える場合に、その議員が大まかな項目別に支出額を報告するということですが、最初50億円の間違いかなと思ったのですが、自民党は、その政策活動費なる、まあ政党機密費ですね実際には、その政党機密費をこれから各議員に小口に分けて配ろうとしているのですかと。そもそも二階さんに1年10億、5年で50億という次元の違う額を渡しているのに、この50万円を超える場合というふうに額を設定した意図も理由も全く意味が不明でして、もしかすると、これまで一部の幹部に渡して、そこからブラックボックスにしていたものを、今度は各議員に正式に配り始めるのではないのかという懸念すら感じます。
 ですから、そもそもこの政策活動費は、名前こそ政策活動費ですが、政党機密費であって、きのうも公明党のある幹部と話をしていましたら、公明党にはそもそも政策活動費というまともな費目があったのに、それまで疑われてとんでもなく迷惑しているという話がありました。およそ自民党の政策活動費は政策活動費ではない。これは誰が見てもそう言うのではないでしょうか。その意味では、政策活動費という名前にマスコミの皆さんもいつまでもこれはだまされていてはいけないし、乗っていてはいけないのではないかと。政党機密費というふうに言い換えてもよいのではないかと思います。これまで政策活動費というふうに言ってきたので、でも、文通費も新しい名前になりましたが旧文通費という言い方をしていますから、政策活動費、いわゆる政党機密費と言ったって、そのほうがより実態を表しているのではないかと思います。
 その政党機密費を政党から議員個人にそれぞれ支給したときに、50万円以上だったら支給した事実は明かすけれども、しかし、それは領収書は全く明かさなくてよいというような改正案になっているわけですから、これは全く改正ではないですね。本当にこれこそ改悪案としか言いようがない話ですから、ここで政策活動費の透明性が高まったなんていうのは大間違いだということを改めて皆さんも報道していただきたいと思います。
 きのうも言いましたが、これは公明党にも断られた自民党案ですから、そもそもどの党と協議をするつもりがあるのか。こんなものはもう一蹴されて当然の、今の自民党案、低いレベルの案ですから、自民党には改めて、これは世論の判断もいただいているものですから、ぜひ野党の案を受け入れて政治改革を本気に進めてもらいたいと考えております。

○裏金問題「萩生田氏、都連会長続投」報道について

【代表】
 あとですね、ちょっと情報として、自民党東京都連が萩生田前政調会長を都連会長に再任する方針を固めたと、そんな報道が聞こえてまいりました。自民党東京都連が15日、役員選考委員会で、政治資金収支報告書への不記載で1年間の党役職停止処分を受けた萩生田氏を会長に再任する方針を決めた。1年間の役職停止は本部のことであって都連のことではないからいいんだということらしいですね。東京都連にほかの人材がいないのかという気もしますが、よくもまあと。信じ難いですね。不記載額・裏金2728万円の、1年間の役職停止処分を受けた方が、今後の自民党の東京都連の会長に再任をされると。
 都知事選も控えて、今度、都知事選は候補者を擁立しないような話もありますが、おそらく、都議補欠選挙、これ八つありますが、そこでも陣頭指揮を執る立場がこの都連会長ですから、なるほど、裏金議員をこの都議補選や都知事選の陣頭指揮に当たらせるんですねと、自民党はそういう組織なんですねということがよく理解ができるところであります。
 こういったところから見ても、自民党が全く実は反省をしていないという姿勢、これがあらわになったということではないでしょうか。


■質疑

○政治改革について(1)

【NHK】
 政治資金規正法の改正をめぐり質問させていただきたい。先ほど自民党の法案の評価などを聞かせていただいたが、この間の公明党との協議状況や法案提出の時期、これまでの経過についてどのように評価されているかということと、来週の半ば以降、特別委員会で法案の審議も始まるが、立憲民主党としてどのように臨むか教えていただきたい。

【代表】
 裏金の解明は不十分。処分は軽微、軽い処分ですね。政治改革案は遅い。そして、公明党にも愛想を尽かされると。よくその状況で自民党単独案なるものを出してくるなと思いますが、それはぜひ国民の皆さんにたたいていただかなければいけないと思います。
 やはり世論から突きつけて、あの4月28日の補欠選挙をもってしても反省をしていないと。あの補欠選挙によって一つの成果は出ています。やはり衆議院政倫審で申立てができるようになった。そして、(裏金に関与した)全ての議員に弁明を求めるという運びができたことは一つの前進ですが、肝心要の大本の自民党が反省の意思がない、危機感がないということが今明らかになっていますね。
 ですから、我々としてはこれは厳しく、次の、これからの政治改革特別委員会、対応していきたいと考えていますし、20日、そして22だと思いますが、衆議院の予算委員会と参議院の予算委員会がありますから、こういったところでも岸田総理に直接問いただしたいと考えています。

【NHK】
 公明党とはどのように協議というか、与野党協議も法案の審議が始まると本格化するかと思うが、公明党やほかの野党とはどのようにやっていくか教えていただきたい。

【代表】
 連立を組んでいただいているのは、もうね、どうこうは、それは構いませんが、公明党さんにはやはりちゃんと是々非々の姿勢で臨んでもらいたい。
 ですから、今まさに、野党側につくのか与党側につくのか、要は自民党につくのか改革側につくのかと、これが公明党に問われていますから、公明党さんにはぜひ、本来おそらく公明党さんが考えていることは立憲民主党を初め野党案に近い政治改革を望んでいると思いますから、ちゃんとその立ち位置を取ってもらわなければクリーンな政党としての名が廃ると考えますので、ぜひ我々と協議をして案をつくる、そういった姿勢になってもらいたいですね。

【NHK】
 立憲民主党では国民民主党とも共同で法案を提出するため実務者の協議が続いていて、週明けにも提出という方針だと思うが、この協議の状況や、共同提出が有効だという意義に関して教えていただきたい。

【代表】
 やはり与党に対して、また国民の皆様に対して、できる限り案を集約して、わかりやすく、どこが違うのかということを知っていただく。その意味で、国民民主党との共同の提出ということになれば、これは一つ前進ではないかと。
 ほぼほぼ、8割、9割は中身は一緒、元々一緒で、あとは、それに加えて国民民主党さんの提案についても我々も真摯に受け止めて、(規正法違反の場合に)政党交付金の減額の話ということ、あるいは(自らが代表を務める政党支部への寄附金の)控除の禁止だとか、そういうことも盛り込もうとしていますから、ここは我々としてはできる限りのことはしていきたいですね。

【NHK】
 最後に。国民民主党の中からは共同提出に慎重な声というのも聞かれる状況だが。

【代表】
 どうも、いわゆる法案の中身ではない、政局というか、政治の側の選挙だとかの話でと伺っていますので、やはりそういうことも、では、それで離れてしまって何かお互いに有益なことがあるのかと考えれば、そうではなく、そういったことについても、選挙のことについても真摯に話合いをしていくむしろ機運が高まってきているので、離れてしまうよりも、やはりお互いに胸襟を開いて話し合うということのほうが、よい答えが出てくると。「つくろう、新しい答え。」とやっていきたいですね。

【共同通信】
 政治改革特別委員会の関係で、会期が6月23日に迫る中で、どれくらいの審議時間を確保すべきなのか。会期延長の是非とあわせて代表のご見解をお願いしたい。

【代表】
 審議時間を確保したいわけではないです、正直言って。ちゃんとした成案を得たいし、それが国民の皆様が納得するものにしたいわけであって、時間だけ確保されても、しようもない自民党の案がただ通るだけでは何の意味もないと思っていますから。
 その意味では、ちゃんと国民の皆様にそれぞれの案が伝わって、また違いがわかって、国民の皆様にもマスコミが世論調査すると思いますが、そういう違いがわかる中で、やはり「本気の政治改革」はどちらかということがおのずとわかってきますから。
 私は、十分に議論はして、繰り返し繰り返しその議論を伝えていきたいとは思いますが、とにかく結果が大事だと考えています。

【共同通信】
 現在のこの会期については、それよりもその議論を充実させることのほうが重要だと、そういうお考えということか。

【代表】
 それは足りなければ、もちろん、そもそもこれは自民党の案の提出が遅れているから、今こんな短期間で衆議院と参議院で政治改革案がまとまるのかと、法改正ができるのかと言われている話ですから、そもそも自民党のこの国会運営のまずさですね。ここに問題があるということ。その中で、議論が不十分であれば場合によっては会期が延びることも想定は我々はしますが、とにかく、でも、結果ですよ。元々自民党以外の政党が「やろう」と言っていることを、自民党さえ「うん」と言えば実現できる項目もたくさんありますからね。そこはもう自民党自身がどれだけ引き延ばしや妨害や嫌がらせをするかによって会期は変わってくるのではないですか。

【産経新聞】
 政治改革に関連して質問したい。政治資金パーティーについて、他党が公開基準の引下げなど規制強化を打ち出している中、御党は開催の全面禁止法案を提出するとしているが、改めて開催禁止を打ち出した意義について伺いたい。

【代表】
 確かに、政治に金がかかるというふうに言う方もあるのですが、それはかければ幾らでもかかる話なので、際限なく金がかかると言っていてはいけないということですね。
 そして、その中で、金がかかるから金を集めるという発想になると、いつしかそれが自己目的化して、金集めばっかり一生懸命やる議員たちもたくさん出てきているのを見てきています。
 そういうことを考えると、今回裏金がこれだけ蔓延したのも、派閥による政治資金パーティーがきっかけでもあるし、この政治資金パーティーが、今、金集めの抜け道になっているというふうには言わざるを得ないですね。そういったものは元から断たなければ駄目という考え方に立っています。
 先ほどもお話ししましたが、政党助成金もあるし、(旧)文書通信費もあるし、当然元々のお給料もありますから、そこは政界全体として同じルールを定めれば誰かだけがお金をじゃんじゃん使うなんていうことにはならないはずですから、必要以上に金を集める必要はないという考え方で、私たちはこれはなくても政治活動は十分可能であるという考え方に立っているということです。

【産経新聞】
 一方で、他党がパーティー開催禁止も含めて御党の政治改革案を高めの球というふうに批判する声も根強いが、こういった批判に対してはどのようにお考えか。

【代表】
 やはり見る人によって変わるんだなと思いますね。政治をやっている、これまで政治資金パーティーにある意味つかってきた人たちは、それが高めの球に見えてしまう。国民からすれば全然(高めではなく)ストライクゾーンですよというものも、実際にお金を集めている政治家にとっては腹の痛むことなので高めに見えると。まさにその人の居場所によって変わっていくのではないですかね。主に高めのボールだと言っているのは政治家だけではないですか。

【日本経済新聞】
 政治改革に関して、企業・団体献金のところについて伺いたい。立憲民主党は2年前に既に法案を提出されていると思うが、その中で、政治団体は禁止対象から除いていて、雇用関係とかその他の関係で強要して寄附を集めるということは政治団体であっても、例えば組合の政治団体とかであっても除くという規定があると思うが、とはいえ、やはり労働組合などからの献金というのは依然として続くのではないかと、その実効性が不十分ではないかという指摘もあると思う。この点についてはどのようにお考えか。

【代表】
 どのような組合だ団体だに限らず、個人の意思で参加をしている団体が、その団体の総意なり決定として、物を出す、お金を出すということと、やはり異なりますよね。そういったことで我々は線引きをしているということです。
 業界団体の場合は個人の皆さんが加盟しているものではないということになるでしょうし、どこも政治連盟なるものをつくっていたりするとは思うのですが、やはりそういったところの成り立ちの違いというか、一人ひとりが個人の意思で参加しているものについては、それは個人の献金に近いところも出てくるということで我々は線引きをしています。

【日本経済新聞】
 かつて民主党政権時代には企業・団体献金の廃止を掲げ、資金不足を理由に1年後に撤回をされた過去もあったと思う。現状では単独政権を目指しつつ連立政権も視野に入っている状況だと思うが、この企業・団体献金の実現に向けて、政権を取った際のことも含めて、どういう姿勢で取り組まれていきたいか。

【代表】
 やはり言ったことをやるということですよね。もちろん単独政権であればこれは絶対できるという話だし、連立のときに連立のさまざまな協議ということがあるわけですから、そういう中で最終的に整理をしていくというのは、これは当然やらなければいけないことではあると思っていますが、立憲民主党として主張することは変わりはないと。

○エネルギー基本計画について

【日本経済新聞】
 全く別件だが、エネルギー基本計画について伺いたい。政府は新たな計画の策定について着手したが、再エネの割合も増やす一方で原発も最大限活用するというミックスになっていると思う。この方針をどう評価するか伺いたい。

【代表】
 言葉だけを聞けば、もしかしたら中にはそれをぎりぎり許容するという方はあるかもしれませんが、民主党政権から自民党政権になって以降、本来もっと伸びるはずの再エネはやはり伸びが鈍化していますよ。もっと導入されるべきだし、エネルギーの融通も、各電力会社同士の連携も(もっと)強化できたし、そういった意味では、元のエネルギー構造に近づけていくという意思が今の政権にはやはり感じられるので、我々としては、やはりそうではないと。
 不断の努力、取組で、最大限の努力、取組、また投資で、我が国が分散型のエネルギー体制を持ち、そして、いかなるリスクにおいても重大な被害をもたらさないようなエネルギー構造にしていくということがやはり正しい道だと思っていますので、立憲民主党としては、再生可能エネルギーや、あるいは蓄電だとか省エネ、そういった技術をもっと導入して、その割合を増やしていくべきだと考えています。

【日本経済新聞】
 その計画の変更案というか対案みたいなものは、政権を取られた場合はそういうものを検討していくのか。それとも、大きく舵を切らないというような趣旨の発言をされていると思うが、そちらのように徐々に徐々に現行方針で行きながら変えていくという、そちらのほうになるのか。

【代表】
 計画がどのタイミングでなんてね、まだ先の長いというか、気の早い話ではあると思いますから、今そこまで精緻にという話ではないですが、我々としてはもうエネルギーの計画は立憲民主党として持っているし、それは当然何年かごとに更新はしていかなければいけないものですから、そろそろ更新をまた考えていく時期ではありますが、我が党としては、このエネルギーについて、まず安定供給だとか、できる限り安価で供給をする、そういうことは今のエネルギーの状況からしても当然持ちながら、しかし、エネルギーシフトを自民党以上に進めていくと。その姿勢でやっていきたいですね。
 具体的に変えるかどうかというのは、それはもちろんその状況において考えていきます。

○次期衆院総選挙に向けて

【日本経済新聞】
 別件で、昨日の連合会長の記者会見で、衆院選に向けた方針が示されている。立憲民主党と国民民主党については、分かれた後に連携という表記だったところから、元の支援という表記に変わっているかと思う。国民民主党の玉木代表は、国民民主党はかねがねエネルギーも含めて基本政策の一致というところが前進に向けての条件に挙げられているが、両党の関係について、置かれた状況の現在の認識と、連合の対応の受け止めを教えていただきたい。

【代表】
 まず、立憲と国民の現在の置かれているところでいうと、一時期からすると随分とやり取りが増えているという状況ですね。我々は常に皆さんと話合いをする用意がありますということは言い続けていますので、そこはいつでも、もちろん今後もしっかり対応していきたいですね。  そして、連合が今回、方針で立憲民主党のこともしっかり明記をしていただいたというのは大変ありがたいことで、我々も今、その方向性で国民民主党ともさまざまなやり取りをしているので、全体としてはいい流れになってきていると考えています。

【読売新聞】
 関連して、国民民主党との関係について伺いたい。安住国対委員長が12日のBSテレ東の番組で、国民民主党と候補者調整ができれば衆院の過半数を擁立でき政権交代は夢ではないとの認識を示した。この安住国対委員長の発言に対する代表の見解と、国民民主党との候補者調整の必要性を改めて教えていただきたい。

【代表】
 やはり自民党の政権をそのまま放置していてはいけない。これがまず大きな共通の思いであり、大義です。そのために国民民主党も、今、真剣にそのことを受け止めて考えていただいているのではないかと思いますので、その中でいろいろな話合いが進んでいけばよいなと考えています。
 それで、夢ではないというのが立憲民主党だけの夢であってはこれはいけないわけですから、国民民主党側にも、今の自民党政権を倒す。そして、新しい政権をつくる。それは政治改革を進め、また、国民の期待に応える政策を実現するんだと。まさに政策実現のための新しい政権なんだというふうに国民民主党の側も同じように思っていただく必要があるのかなと思いますから、その環境づくりに向けて努力をするということです。

【読売新聞】
 現在、国民民主党とは幾つかの選挙区で候補者がバッティングしているところがあるかと思うが、これにはどういう方針で臨むのか教えていただきたい。

【代表】
 結構、それは今、お互いにそれぞれ立てたいとか立ちたいという人がいるところで、例えば立憲民主党の候補者がいるところで国民民主党さんが立てるケースもありますし、その逆になってしまうケースもまたこれしかりです。
 ただ、お互い党と党という意味では、そういった各それぞれの政党の事情も踏まえながら、またそれを少し俯瞰して、では今後どうしていくかという全体の話をやはりしていくのがたぶん幹部の責任・役割だと思いますので、政党が日々行う支持拡大活動だとか候補者擁立活動ということについて一つ一つ気にし過ぎるよりも、全体を通して何をしていくかということの話を幹部同士でできたらいいなと思います。

【読売新聞】
 もう一点。代表は先週の記者会見で、自民党で不記載のあった議員の選挙区で対抗馬の擁立作業を加速させる考えを示したが、擁立が遅れているのではないかという指摘もある。こうした指摘に対する代表の受け止めをお願いしたい。

【代表】
 マスコミの皆さん、何と比べて遅れているんですか。皆さんいつも「遅れている」「遅れている」と、去年もおととしも言っていた。でも、そこには何の基準もないですね。ただ「遅れている」と言っているだけです。
 これはもう政党として日々努力して候補者を増やしていくしかない話でしかないので、我々は最大限努力します。

○「選挙妨害」めぐる議論について

【朝日新聞】
 冒頭の、つばさの党について伺いたい。選挙の自由妨害はもちろん公選法で禁じられており、今回の逮捕も異常な行動だという前提に立ってだが、選挙の自由妨害をめぐっては1948年の最高裁判決で、聴衆がこれを聞き取ることを不可能または困難ならしめる所為と示し、一般的には大音響での妨害について禁じるというふうな理解ができると思う。これに基づくと、街頭演説で聴衆が肉声で賛同を示したり候補者に対する批判をしたりというのは容認されるのではないかと思う。聞きたいのは、表現の自由とのバランス。今回の事件を受け、規制強化をする一方、聴衆が政治家に対して意見表明する、そういうことに対する懸念というのは出てこないのか。

【代表】
 出てくるでしょうね。必ずそこはバランスを両方考慮しなければいけない論点だと思います。一言でも演説をしている人に言葉を発したらしょっ引かれるなんていう話にしてはいけないわけですからね。

【朝日新聞】
 立憲の今の法改正に向けた動きの中で、その辺のバランスというのはいかがお考えか。

【代表】
 当然考慮しています。

○裏金問題 政倫審について

【朝日新聞】
 政倫審について伺いたい。きょう参院で政倫審が開かれる予定で、規定17条に基づいて議決をおそらく全会一致でする方針だ。中身は、出席や説明を29名に対して求めていくと。これは自民党も賛同する方針を示す一方、自民議員がまだ弁明に立たないという、ちょっと食い違ったというか矛盾を感じる対応に見えるが、このことについてどう思われるか。

【代表】
 自民党の本気度が問われていますよ。自民党は本気なのかということですね。やったふりである可能性はあって、では、自民党の政倫審のメンバーは、それであれば国会内、議員会館内でも回って、出席をまさに要請していくくらいのことはしてもらいたいですね。強制力がないから立ち(賛成し)ましたということを言うのであれば、それはこの議決を本当に自ら軽視する話ですから、そういうことではなく、議決をしたということの責任をしっかり自分の政党に持ってもらいたいと考えています。

【朝日新聞】
 関連だが、その弁明しない議員の中には、幹部ではないから自分は裏金づくりについて知らないとか、裏金がなぜ継続されたのかわからないという理由で出てこない議員もいるということだ。そういった議員以外でも、幹部以外でも当然弁明すべきだというお考えに立っていると思うが、その辺りについて見解はいかがか。

【代表】
 そうですね、ぜひやはり正直に、弁明ですから正直に話していただくのが一番だと思いますよ。
 いつ、誰から、どのようにもらったのか。誰からどんな話を聞いたことがあるのか。やはりそれは渡す側があればもらう側があるわけですから、もらう側における情報というのは、それぞれ幹部ではない議員においてもいっぱいあるはずですよ。もしかしたら幹部から言われたという人もいるかもしれませんしね。そういったことも含めて、やはり周辺情報とはいえ重要な情報ではないですか。
 それは違法とされるお金を受け取っていた議員たちばかりなわけですから、受け取っていない議員を呼んでいるわけではないので、受け取っていた議員であればやはり語るべきことはありますよ。

○政治改革について(2)

【日本テレビ】
 旧文通費について伺いたい。旧文通費については、きのう自民党が日本維新の会に旧文通費の使途公開に向けた協議体の設置を提案するなど、動きが出ている。立憲民主党は維新と国民と使途公開の法案をおととしに共同で提出しており、そのステータスは変わらないという認識だが、維新・国民両党からは立憲民主党に対して自主公開を求める声が根強く上がっている。改めて、旧文通費の自主公開について、党としての見解を改めて伺いたい。

【代表】
 そこは考え方の違いが少しありますね。
 一つは、今は全く、自主公開とはいえ、ルールが定められていない。それはあくまで党の中でのガイドラインというのはあるかもしれないけれども、社会的に認知されたルール、あるいは社会的に合意を受けたルールではないものですから、「これに使いました」というのが、それはちょっと違うんじゃないのというものも含まれていても、「それは党の基準ですから」で済んでしまうので、やはり共通の価値基準を持ったものにしなければいけないと思いますから、そういったことで我々はまず法制化というかルールづくりを急ぎたいと考えています。

【日本テレビ】
 これは一点確認だが、法案を提出している、そういう状況ではあるので、もし法案が成立したら速やかに公開できる準備は党として整っているという認識か。

【代表】
 領収書の保管ということは今しているというふうに認識していますが、すぐ公開できる準備があるということにはまだなっていないと、私はたしかそう聞いています。
 たしか、これは国民民主党さんだとかも、当時、1年かけてそういった公開を前提に改めて領収書を保管して、そして1年後に公開ということが実現したというのがあったと思うので、やはりルールをしっかり定めて、そして、集めたものを公開していくということになると思います。

(以上)