学校法人森友学園の財務省の公文書改ざん問題をめぐる訴訟では、今年1月14日、存否も明かさず関連文書を不開示とした決定を取り消した大阪高裁判決が確定しました。
川内博史議員は衆院予算委員会で2月17日、森友文書の開示について取り上げ、質疑の冒頭、森友学園と安倍元総理の特別な関係が疑われるなか、安倍元総理が「私も妻も一切関係ない。私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」旨発言したのが7年前の2017年2月17日だったことに言及。その上で、上司の命を受けて公文書改ざんを強要され自死した同省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの命日に、石破総理が妻・雅子さんに宛てたメッセージ「森友事件の真実が明らかになるよう努力を重ねてまいります。いつか必ず正義が実現することを信じてご健勝にてお過ごしください」を紹介し、「正義を実現するときがいよいよやってきているのだろう」と切り出しました。
川内議員は、過去の情報公開請求の存否応答拒否訴訟(森友事案を除く)24件のうち開示が認められなかったのは2件と、全部開示が行政の前例だと指摘。国民への説明責任について「いかなる経過でこのようなことになったのか分かるように開示に向けて精査することか」「情報公開法の1条の目的規定にも合致するようにするということか」と迫ると、石破総理は「情報公開法の趣旨に則り対応していく」と答えました。また、赤木俊夫さんのお墓参りについては「個人として行きたいという思いは強く思っている。行政の長として行くのは違う意味を持つ。どういう推移をたどるか、行政の責任者としてどうあるべきかは適切に判断していきたい」と述べました。

川内議員の質疑を傍聴していた赤木俊夫さんの妻・赤木雅子さんは、国会内で記者団の取材に応じ、「石破さんの中では100%の答えをいただけたのではないかと思っている。いろいろな話をしてくれたが、最後にはお墓参りは個人的には行きたいと言ってくださったことがすごく嬉しかったし、夫のことを今でも忘れずに思ってくださっているとあらためて感じた」とコメント。記者から「石破総理にはいつ頃をめどにお墓参りに行ってもらいたいか」と問われると、「亡くなって7年経つ。石破さんもおっしゃっていたように個人で行くのか、総理大臣として行くのかは大変違いがあるのでそんなに急がない」と述べ、「急ぐのは文書を黒塗りなく出してほしい。まずそっちをやってほしい」と強調しました。
このあと赤木雅子さんは国会内で石破総理と会い、直接会話。記者団に「すごく温かい気持ちを再び感じることができた。石破さんは、石破さんの中の100%のできる限りで開示を進めてくださる。夫のためだけではない。いろんなことがやっぱり情報開示してもらわないと、冤罪もある、公務員の中で亡くなっている方、自死遺族もたくさんいるので、そういう方たちみんなの情報が開示されることで、夫のようにつらい思いをして亡くなる人が一人でも減るようになったらいいと思う」と述べました。