衆院内閣委員会で16日に閉会中審査が開かれ、立憲民主党の大河原雅子議員が質問に立ちました。
 大河原議員は冒頭、「世界的にも、コロナ危機は各国、社会の一番ぜい弱な層に大きな打撃を与えるということでは共通認識。国連事務総長も発信をしているように、各国とも女性や子どもたち、若者など、本当に対応しなければならない、そうした対象ははっきりと分かっている」と述べ、そうした層に焦点を当てた支援を強化するよう政府に求めました。

 大河原議員は第5次男女共同参画基本計画案策定に向け、自民党内の議論で選択的夫婦別姓に関する表現が後退していると報道されていることを危惧し、「今もそうだが、未来を担っていく若い世代が、選びたい人がしっかり選び取れる、選択肢を増やし、多様性を保障する」ことが必要だと述べました。その上で、立憲民主党が既に提出し、継続審議になっている選択的夫婦別姓法案について積極的に審議に加わり、国会での議論を進めるよう与野党議員に呼びかけました。

 続けて、選択的夫婦別姓導入の慎重派が旧姓(通称)の拡大で十分だと主張していることを問題視し、内閣府に旧姓使用の弊害についてただすと、(1)納税告知書では戸籍名が用いられ、旧姓使用が使用できない(2)不動産登記では旧姓併記ができず住宅ローン、抵当権設定契約では旧姓で契約を締結できない(3)旅券の旧姓併記について、国外では旧姓の通称使用が理解されないことがあり旅券の所持人が渡航先出入国管理局から説明を求められたりする等、渡航や外国での生活に支障を来たすことがある(4)旧姓による銀行口座の開設には金融機関等のシステム改修が必要なため、一部の金融機関に留まっている――ことが課題としてあげられていると答弁がありました。
 大河原議員は「これらの課題は旧姓使用をしていくことでも、なかなか越えられない、解決できない問題だ。多くの方は、暮らしやすさ、移動のしやすさ、本人確認のやりやすさを求めている。古い家、家族像にとらわれないで、国際的な視野で、人権的な視野で(選択的夫婦別姓制度の導入を)議論」することができるよう、第5次男女共同参画基本計画に盛り込まむことを強く要請しました。

 次に、コロナ禍の女性への影響について、もともと非正規の割合が多くて職を失った方が多い、DV被害等で家庭が安心できる場所でなくなっている、女性の自殺が増えていることなどを取り上げ、政府に支援事業の拡充、相談事業の周知など、一層の取り組みを要請しました。
 コロナ禍における女性へのしわ寄せを意識して経済政策を考えているかをただすと、西村康稔経済再生大臣は「大変大事なご指摘だ。4月、5月の緊急事態宣言の折にも弱い立場にある女性や非正規の方、フリーランスの方にしわ寄せが寄ったものと認識している。女性への影響を十分に目配りしながら雇用と生活をしっかり守っていくための経済対策を今回まとめた」と答えました。また、「女性を含め自殺をされる方が増えていることに大変心を痛めている。電話相談、SNS相談等を含めて拡充しており、現在全国で80団体に対応していただいている。厚労省から各自治体に年末年始も生活困窮者をはじめとしてさまざまな相談があるだろうと思うので、相談窓口を開設するようお願いしている」と説明しました。