党消費者部会の宮沢由佳部会長らは9日、小此木八郎国家公安委員長を警察庁に訪ね、「悪質ひきこもり自立支援ビジネス」による消費者被害に関する要請をおこないました。要請には、川内博史政務調査会長代行、柚木道義消費者副部会長、吉田統彦、宮川伸両衆院議員、岸真紀子参院議員が同行しました。

 要請は、悪質なひきこもり自立支援業者による施設内での暴力、本人の意思に反する拘束、高額な料金徴収、契約の不履行等の問題が発生していることから、国家公安委員長に消費者被害の救済、再発防止等の措置を求めるものです。要請の具体的な内容は次のとおりです。

1. 実際に拉致監禁され、逃げ出した場合も業者施設に連れ戻されるケースがあるが、被害届が受理されないことにより一層被害が深刻化していることから、各省庁内、各都道府県内(警察含む)で通知などを用いて上記のような支援ビジネスの実態について十分に周知・理解の促進を図ること

2. 国は、地方自治体と協力して、事業者が適切な内容の契約を結んでいるか、また、契約を履行しているかを確認するため、契約締結者、その家族及び支援団体等が、定期的に施設訪問、見学、面会を行えるよう指導すること

3. 本人の意思に反して行動の自由を奪うような悪質な支援事業を行っている、また、国等の指導に従わないなどの報告がひきこもり地域支援センターや消費者相談窓口等にあった場合、着実に立入検査を行い、是正を促せるよう法整備を行うこと

4. 当事者にとって真に適切な支援や救済につながるよう、ひきこもり地域支援センターの機能を拡充するとともに、当事者やご家族等が当センターを円滑に利用できるよう一層の周知徹底を図ること

5. 被害の発生防止のための業規制、被害回復のための民事ルールの整備等の新たな仕組みの創設について検討を行うこと

6. 契約の解除の妨害への対応や、ひきこもり当事者の意向が契約に反映できるよう契約締結手続の適正化など、必要な業規制について、消費者保護の観点から早急に検討すること

7. ひきこもり自立を支援する法律を制定し、ひきこもり自立の支援に関する施策を充実させることで、悪質なひきこもり自立支援ビジネスに頼らずとも支援を受けられる環境を整備するとともに、優良な事業者への認証制度の構築など、支援を必要とする方々が安心して事業者を選択できる環境を整備すること

8. 一時的に避難できるシェルターを設置するなど、働くことが難しい方々の社会復帰を支援する環境を整備すること

9. 支援を求める方々に支援情報が十分行き届くよう、支援体制を構築すること

悪質ひきこもり自立支援ビジネスによる消費者被害に関する要請.pdf

 要請終了後、記者団の取材に応じ宮沢議員は「国家公安委員長は大変興味をもって話を聞いて下さり、まずは警察庁として実態を把握が必要だとおっしゃった。これからの支援策についてもお話をいただけたので、本日の要請はとても意義があったと思う」と報告しました。

 宮川議員は「選挙区で被害にあわれた方がいて相談を受けた。いわゆる『引き出し屋』に寝巻のままの状態で連れ出され、衰弱して施設から出てきて、被害届を出しても受理されなかった。警察がしっかり取り締まれておらず、放置されている状況だということを国家公安委員長にお伝えした。警察にしっかり動いていただけるよう期待している」と話しました。

 岸議員は「本来であれば、こうした問題には公的な機関がきちんと対応しなければいけないが、いまは職員の数なども限られている中で、悪質な業者にひっかかかってしまって被害が出ている。そうした被害者に寄り添うには、警察がしっかりと取り締まることが大事だということを申し入れた」と述べました。

 川内議員は「成人のひきこもりが100万人の単位でいるという状況の中で、(家族等が)良かれと思って事業者にお願いをしたら、その事業者が大変悪質な事業者で暴力、暴行、あるいは死に至るというようなことも起きている。そうした悪質な事業者について、まず実態を把握し、その上で都道府県警にその情報を周知していくという発言が大臣からあった。今後、みんなで力を合わせて、ひきこもっている皆さんが、真の意味で自立に向かっていかれる世の中をつくっていく、今日はその第一歩になったのではないかと思っている」「警察としては民事不介入という大原則がある。最近は民事なのか、暴力なのか、犯罪なのかギリギリのところでビジネスをされる事業者がいる。そこをどのように、みんなで力を合わせてディフェンスしていくか、守っていくかということが大きな論点に今後なっていくだろうと思う」と語りました。

 柚木議員は、「本日参院で特商法と預託法の改正が成立した。その対案として私たち野党は『消費者権利実現法案』、消費者被害を防止する法案を衆院に出したが、その中に消費者契約に係る部分もあり、つけ込み型の勧誘が論点になっていた。先程、国家公安委員長も、私たちの話を聞いて、人の弱みにつけ込むのは許せないとおっしゃっていた。『引き出し屋』『引きはがし屋』と言われる業者に連れ出されて会社の寮で餓死してしまったり、移動中に高速道路で車から飛び出してしまったりした事例があり、命が失われることもある状況だ。被害届が受理されることが重要で、その体制のあり方についても国家公安委員長に要請した。私たちは近く消費者庁、厚生労働省にも要請に行くが、実態把握や調査についても関係する省庁間での連携をお願いした。被害回復についてのルールづくり、契約の内容の適正性をチェックできる体制づくりもしっかりやるべきだ。国家公安委員長からは与野党超えて取り組んでいくべき課題だというお話もあった」と話しました。

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