衆院本会議で3月31日、政府提出「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」(薬機法等改正案)と立憲民主党が「対案」として提出した「3法案…(1)オミクロン・感染症対策支援法案(2)『コロナかかりつけ医』法案、(3)『日本版EUA』特定医薬品特別措置法案」の趣旨説明・質疑が行われました。党対案3法案の趣旨説明は中島克仁衆院議員が行い、政府案・党対案3法案への質疑は早稲田ゆき衆院議員が行いました。吉田統彦衆院議員と山田勝彦衆院議員が答弁しました。

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中島克仁議員 党対案3法案の趣旨説明

 中島議員は冒頭、コロナ過の2年間で「自宅や高齢者施設での療養者が、医療にアクセスできずにお亡くなりになる『自宅放置死』『高齢者施設死』が繰り返された」と指摘し、「二度とこうした事態が発生しないようにすべき」と強調しました。

 その上で、党対案3法案について中島議員は、「『コロナかかりつけ医』により、必要な方が、必要な時に確実に医療にアクセスでき、早期治療を実現する仕組み」を提案するとともに、「有用な医薬品を迅速に供給する仕組みを構築する」内容だと説明しました。また、「自宅放置死遺族会の思いを反映した内容」だと述べ、趣旨説明を終えました。

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早稲田ゆき議員、政府法案・党対案について質問。
吉田統彦衆院議員と山田勝彦衆院議員が答弁


 早稲田議員は、政府提出の薬機法等改正案と党対案3法案について質問しました。まず早稲田議員は、政府提出法案について「3年目を迎えるコロナ禍に対応する内容としては、あまりに不十分で、実効性が乏しいと言わざるを得ません」と批判。さらに、「医療体制については自治体に丸投げして、保健所や医療機関のひっ迫を招き、その結果、個人が検査も受けられず、医療にもアクセスできず、みなし陽性や自主療養といった国民皆保険の日本で信じがたい事態になってしまったのは、安倍政権、菅政権、そして岸田政権のコロナ失政のせいと言わざるをえません」と断じました。

 早稲田議員は、政府提出法案によって、「第3波以来続いている『自宅放置死』発生を防ぐことはできるのか」と質問。岸田総理は「第6波への対応として準備した全体像の医療体制を堅持しながら、オミクロン株の特徴に合わせて強化してまいります」として、「自宅放置死」の発生を防ぐ具体的な答弁はありませんでした。

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 他方、法案提出者の山田議員は、党対案では「高齢者等の重症化リスクの高い方々の健康管理等を一貫して担う、いわゆる『コロナかかりつけ医』を、平時の段階から登録できる制度を導入」するとともに、「迅速に有用な治療薬を確保する」と答弁しました。また、病床が不足する事態が生じることのないよう、政府対策本部長が都道府県間の調整を行うこと等を規定していると答弁しました。

 早稲田議員はさらに、国産のワクチン・治療薬の開発が海外と比較して遅れている原因について、「政府においてどのように分析されているのでしょうか」と疑問を呈したうえで、政府提出法案の内容にどのように反映されているのかをただしました。岸田総理は不十分な答弁に終始しましたが、他方、対案提出者の吉田議員は「例えばイベルメクチンは、海外などでは幅広く使用され、また安全性も確認された医薬品」だが、「薬の単価が安く、製薬メーカーにとっては承認されても利益がそれほど見込めない」ため、治療薬として申請が行われなかった事例を紹介。そのため、党対案では、「メーカーの意向に関わらず、また恣意的な政治主導でもなく、エビデンスに基づく学会の意見を聞いた上で、国民にとって必要な医薬品を、治療薬として遅滞なく指定できるようにした」と答弁しました。

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 また、吉田議員は党対案では、政府提出法案とは異なり、「パンデミック時だけではなく、平時にも、製薬メーカーの申請によらず医薬品の使用を認める制度について検討することも盛り込んでいる」として、この制度が実現すれば、「営利性の問題から進まない安価かつ高品質な薬剤の開発が進み、医療経済的にも大きなメリットが得られる」と答弁しました。

立憲3法案 趣旨説明(中島克仁議員).pdf
政府提出法案・立憲3法案代表質問(早稲田ゆき議員).pdf