立憲民主党など野党は5月15日、難民問題に関する国対ヒアリングを国会内で開催。参院法務委員会での政府提出の入管難民法改正案の審議入りを前に、あらためて当事者の置かれている深刻な実態、入管で受けた非人道的な扱いなどについて話を聞きました。参院での審議では、立憲民主党を含む4党4会派(日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、沖縄の風)は5月9日に提出した対案も政府案と並行して審議されます。
法案の筆頭提出者である石橋通宏参院議員は、「政府は明らかに改悪案を国会に提出してきた。成立するようなことがあれば、当事者の皆さんは深刻な影響を受ける。皆さんの思いをしっかり聞きたい」とあいさつ。衆院での審議経過を説明し、「明日(16日)からいよいよ参院法務委員会で審議が始まる。審議を通じて、私たちの提出した法案こそ目指すべきものだということを堂々と訴えていきたい」と力を込めました。
ヒアリングでは、現行入管法におけるトルコ国籍クルド難民の子どもたちが生活状況と困難についてそれぞれ発言。「ビザを取られて仮放免もない。子どもなのになぜ入管に行かないといけないのか」「家族は半年のビザ(在留資格「特定活動」)の更新が続いているが、父親だけビザがなく、仕事の問題など家族を支える上で弊害が出ている」「県外に出られず友達と一緒に遊びにも行けない」「(日本での在留資格がない、違法状態の非正規滞在者のため)健康保険証がなく、治療費は全額自己負担」「トルコに帰るように言われたが、幼い頃から日本で育ちトルコは知らない国。トルコ語の読み書きはできない」「私たちの故郷は間違いなく日本。親とここで暮らしたい。私たちの声が届いて変わることを願っている」「成績が良ければ認められると思って頑張って勉強をして入管に行ったが、『在留資格がないから時間の無駄。帰れ』と言われた」「日本で生まれてきただけなのに入管から犯罪者扱いされる。檻の中にいる感じ。理不尽極まりない」などと悲痛な叫びを上げました。
支援者らも「子どもだけでなく大人もビザがほしい。子どもたちがこんなにもストレスを抱えているのは大人の責任。子どもたちを救ってほしい」「絶望に置かれている状態。住民票がなくいないことになっている」「子どもと親を引き離すことをやめてほしい」などと求めました。
最後に、参院法務委員会筆頭理事の牧山ひろえ議員は「貴重なご意見、思いを聞かせていただきどうもありがとう。なんとかしたいとの思いだ。委員会だけでなく街頭などいろいろなところで活動していくので、引き続き声を聞かせてほしい。一緒にがんばりましょう」と述べました。