岡田克也幹事長は10月24日、常任幹事会後に国会内で定例記者会見を開き、(1)10月22日開催の補欠選挙(2)衆院本会議での代表質問――等について発言しました。

 岡田幹事長は、与野党が対決した2つの補欠選挙(衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区)の結果を受け、「野党が結果的に一本化されたことと、無党派の皆さんの支持が集まったことが非常に大きかったと思う。この2つの国政選挙だけでなく、(自民党系の)現職候補が破れた所沢市長選挙や、(公認候補)10人全員が当選した宮城県議会議員選挙など、いい流れが出てきたと思っている」と手応えを示しました。

 衆院本会議での泉健太代表吉田はるみ衆院議員の代表質問について、「いずれも歯切れよく質問された。それに対し岸田総理の答弁は、官僚の書いたものを棒読みしているようだった」と発言。その上で、政治家がどうしても答えるべき質問である、被害者救済のために旧統一教会の財産を保全する資産凍結法や、ジャニーズの性被害者の皆さんとの面会について、総理がはぐらかし全く答えなかったと問題視し、「それを見ていると旧統一教会と自民党は(関係が)切れていないのではないかとの疑念が出てきても仕方がない。法律がなければ対応できない、裁判をしている間に韓国に資産が流出して被害者が救われないことになりかねないことは分かっているのに、法律を作る話が出てこないのは非常に不自然」「青少年の性被害は深刻で、しかも前代未聞の被害が大きい事案であり総理ご自身もしくは少なくとも担当大臣会って話を聞くのは当然だと思うが、なぜか腰が引けていると感じた」と指摘しました。

 冒頭、常任幹事会の報告のなかで岡田幹事長は、泉健太代表、安住淳国会対策委員長と自身と3人で23日、野党各党(れいわ新選組、日本維新の会、日本共産党、有志の会、社会民主党)に対しあいさつ回りをしたことに言及。(1)補欠選挙の御礼(2)国会における協力の依頼(3)今国会中にあるかもしれない総選挙に向けて与党議席の最小化を目指し各党が連携し力を合わせることが重要であること――の3点を各党(3点目は維新には伝えず)に伝えたとして、「それ以上でもそれ以下でもない」とあらためて説明しました。



岡田克也幹事長記者会見

2023年10月24日(火)17時45分~18時09分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/nGa07Ae5GGo


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第87回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私からは、まず、常任幹事会の報告です。
 私のほうからは、昨日の、代表と私と国対委員長で各党に挨拶回りをしたことについて、一部、若干誤解を招きかねない報道もあったので、説明をしておきました。
 回った先は、もう皆さんご存じのとおりであります。れいわ、維新、共産、社民。
 目的は三つです。
 一つは、補選のお礼。
 二つ目は、国会における協力の依頼。
 3番目は、この国会中にあるかもしれない総選挙に向けて、この場でも何回も申し上げておりますが、与党議席の最小化を目指して各党が連携し力を合わせることが重要であるということであります。
 この3点について、維新には実は3点目は言っていませんが、3点について各党に申し上げたということであります。それ以上でもそれ以下でもないと。従来、私が今申し上げたことは、この場でも何回も私がお話ししているところでございます。
 それから、あとは候補者ですね。新たな衆議院候補(公認内定)として、2名。
 お一人は、岡田華子さん。資料があると思いますが、青森3区であります。弁護士の資格を持っておられて、現在、民間企業の経営企画本部で戦略企画部事業グループマネージャーということで、法務の問題を中心に活躍しておられる方でございます。ご出身が青森ということで、立候補を決意していただきました。
 もう一人が、熊本4区の笹本由紀子さんです。彼女の場合は、渋谷区議会議員を2期やっておられて、地元にお戻りになったという方であります。
 以上の2名を決めました。
 以上が常幹の報告であります。

○「国政補選」「宮城県議選」の結果について

【幹事長】
 それ以外のことで若干申し上げますと、補選の話はもう代表もおっしゃっていましたので私から重ねて申し上げることはありませんが、関係者の皆様のご尽力で、徳島・高知ではかなり差をつけて勝つことができました。長崎(4区)は若干及びませんでしたが、接戦に近い状態になりました。
 私の実感としては、一つは、野党が結果的に一本化されたということと、それから、無党派の皆さんの支持が集まったということが非常に大きかったと思っております。
 この二つの国政選挙だけではなく、所沢市長選挙でありますとか、ここで現職が敗れるということになったわけです。それから、宮城県議選で10人全員当選。しかも上位当選ということで、いい流れが出てきたなと思っております。

○臨時国会開会 所信表明演説・代表質問について

【幹事長】
 それから、所信表明演説、代表質問、きょう泉代表と吉田(はるみ)さんがやられました。いずれも非常に歯切れよく質問されて、それに対して、官僚の書いた答弁を棒読みしているような岸田総理の対応だったと思います。
 政治家がどうしても答えなければいけない、例えば旧統一教会の資産凍結(財産保全)法についての質問に対しては、はぐらかし。これは「日曜討論」でも同じだったのですが、私も何回も聞いたのですが、法律(案)を出す決意があるのかということに対しては全く答えないということで、きょうの総理もそうでした。
 それを見ていると、やはり(関係が)切れていないのではないかという疑念が出てきても仕方がないと思います。旧統一教会と、やはり自民党は切れていない。法律がなければ対応できない、韓国に資産が裁判をやっている間に流出して結局(被害者・当事者が)救われないということになりかねないことは、「日曜討論」で稲田さんもお認めだったはずで、それにもかかわらず法律をつくるという話が明確に出てこないのは非常に不自然な感じがいたします。切れていないのかなというふうに思われても仕方がない。
 それから、もう一つ残念だったのは、ジャニーズの被害者の皆さんとの面会についても総理ははぐらかされて、そういった青少年の性被害が深刻だというならば、しかも、これは前代未聞の非常に被害の大きい事案ですので、総理ご自身がお会いになる、あるいは担当大臣が少なくともきちんと会う、会って話を聞くということは当然だと思いますが、なぜか腰が引けているというふうに感じました。


■質疑

○各党各会派への挨拶回りについて

【共同通信】
 幾つか挨拶回りの件で伺いたい。きのう共産党の志位委員長は記者団に、会談というか挨拶回りを終えた後に、連携と力合わせをして総選挙を戦っていくということが党首間で合意されたとおっしゃっていたが、この共産党側との認識の相違というのはないということでよろしいか。

【幹事長】
 合意というか、泉代表がそのことを言われて、志位さんもそれに、そのとおりだというふうに言われたということです。それを合意と言うかどうかは、それは言葉の問題だと思いますが。

【共同通信】
 きょう本当は国民民主党にも挨拶に伺う予定だったと思うが、玉木代表の会見でもお断りしたとおっしゃっていた。その理由として、立憲が共産党と衆院選で選挙協力するという方向を打ち出されたというふうに理由を述べられたが、この発言、あるいは、これを理由として挨拶を断ったことに対して、受け止めがあればお願いしたい。

【幹事長】
 あまり、何と言いますか、それに正面からお答えするのもいかがかと思いますが、聞き流しておくような話かなというふうには思いますが、こちら側が代表・幹事長・国対委員長でわざわざ伺って、そして、お礼も言いたいし、国会の対応もあるし、選挙についても話したいということで申し上げているときに、来るなというのは普通ではないと思います。

【共同通信】
 以前から国民民主党、玉木代表は、いわゆる共産党が関係するところとは選挙協力しないという趣旨のことを繰り返し述べられているが、今後どういった対応をされていくおつもりか。

【幹事長】
 具体的にどういうことを考えておられるのかわかりませんので、特にコメントはいたしません。
 国会の中でも、では、もうこれからは二度と会わないということですかね。ちょっとそういうことは考えられませんよね。いろいろ我々も協力しています、国会の中でも。

【共同通信】
 玉木代表はあわせて会見で、福岡などで候補者調整というか、そういった協力をされていると思うが、そういったところの調整についてもご破産になる可能性もあるというふうにも述べられたが、これについては今後いかがか。

【幹事長】
 可能性で言われていることにコメントするつもりはありません。

【共同通信】
 最後だが、先ほど泉代表が冒頭のご挨拶でおっしゃったが、この挨拶回りについて、定例というものはないので異例というものも何もないというふうにおっしゃったが、この挨拶回り、やろうというふうに発案というか、どういう経緯で挨拶回りをされようということに決まったのか。

【幹事長】
 補選のお礼というのは、おかしな話ですかね。それから、国会が始まったので、国会でなるべく協力していこうと。選挙もこの国会にあるかもしれないので、我が党の考え方を伝えるということですから、定例とか何とかという話ではなく、第1党としては当然の行動を行ったと思います。何がおかしいのか、私には理解できないです。

【共同通信】
 どなたから発案されたというのは、特に。

【幹事長】
 基本的には幹事長が主導してやっています。

【NHK】
 今のことに関連して伺いたい。大事なことなので改めて伺うが、従来から言っている野党連携のあり方に、考え方に相違はない、違いはないということを改めてお伺いしてもよろしいか。

【幹事長】
 何回も申し上げているとおりです。先ほど申し上げたことは、この場でも何回も申し上げていることです。

【NHK】
 その上で、国民民主党と、きのうの挨拶回りについて、何か誤解が生まれているなという印象はあるか。

【幹事長】
 なぜそうかたくなに会うことすら拒否されるのかは、私は、普通ではないと思います。

【NHK】
 引き続き機会があれば国民民主党とも会うし、ほかの野党とも、候補者調整など、野党議席の最大化を目的にしていくというお考えでよろしいか。

【幹事長】
 国民民主党に対しても常に呼びかけていきたいと思っています。

○経済対策について

【NHK】
 別件で、先ほどもあったが、経済対策について。きょう代表質問があり、総理の答弁もあった。遅いという指摘もあったが、総理の答弁について何か所感があれば伺いたい。

【幹事長】
 特に感想はありません。役所の書いたものを読んでいるだけという印象ですね。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【東奥日報】
 衆院青森3区の岡田華子さんの選定理由について教えていただきたい。

【幹事長】
 すばらしいキャリアのある女性候補者だと思います。

【時事通信】
 話題が戻るが、今回、玉木代表が結果的に面会を断り、協力関係がさらに遠のいている印象を受けるが、結果的にそういったような流れになっていることをどういうふうに受け止めているか。協力関係が遠のいている原因についてどういうふうに思うかと、今後どうしたことを行うことで協力関係を築いていきたいと思うか。その辺について見解をお願いしたい。

【幹事長】
 我々のスタンスは全然変わっていませんので、むしろ玉木さんにお聞きになったほうがいいと思います。

【時事通信】
 現在の候補者調整だとか、そういった関係について、維新や国民との話合いの状況を、伺える範囲で伺いたい。

【幹事長】
 特に外で言う話ではありません。

【時事通信】
 関連で。改めてだが、補選が今回1勝1敗になったことで、解散の可能性が遠のいたという見方も結構多いが、幹事長としては年内の解散の可能性をどういうふうに感じているか。

【幹事長】
 年内の可能性はかなり高いと思っています。

【時事通信】
 先ほどの共産党との面会について、野党の議席最大化に向けて連携していくという、その話合いがあったということだが、今後の改めて候補者調整の進め方だとか、具体的な協力、例えば政策だとか、具体的な選挙区だとか、その辺についてどういったような話合いを進めていくのか、お考えをお願いしたい。

【幹事長】
 そういう話は特に出ておりません。「赤旗」も書いておられますが、お互いに、我が党の考え方を説明して、それをおそらく共産党さんも評価されたのだと思います。

【共同通信】
 今、年内の解散・総選挙の可能性がかなり高いとおっしゃったが、年末に向けて防衛増税や子ども予算の議論もあると思うが、その辺りの年内解散の可能性が高いと判断されるお考えを教えていただきたい。

【幹事長】
 きょうの答弁もそうなのですが、3.5兆円の子ども対策の財源をどうするのか。保険料を上げるという話もあります。増税はしないとか負担は増やさないと言いながら、では、どうやってその財源をつくるのか、全く説明されていませんよね。そういうことが、やはり年末には明らかにせざるを得なくなるだろうと思います。
 防衛増税だって、先送りしていたとしても、増税するということは一旦言われたわけですから、タイミングの問題はともかくとして、そのことについて、どこかでは明言せざるを得なくなると思います。
 その前に解散してしまおうと、そういうインセンティブは非常にあるのだと思います、岸田総理に。国民に説明を避けるための解散ということになりますね。我々のポスターで「増税隠しを許さない」と、そう申し上げたとおりです。

【朝日新聞】
 一点、表現の確認だが、幹事長は冒頭、挨拶回りの件で、与党議席の最小化を目指して各党が連携しとおっしゃったが、記憶違いでなければ泉代表は野党議席の最大化という表現をずっと使われてきたと思う。これは二者に何か違いがあるのか。

【幹事長】
 同じです。

○所沢市長選の結果について

【フリーランス】
 立川の市長選は、立憲民主党の酒井大史さんが勝った。その後の立川の都議補選は、立憲民主党の鈴木烈さんが危うく勝った。このときに国民民主党は相手方を応援していたわけだが。それで、所沢だが、正直言って小野塚さんが勝つとは思わなかったが、先ほど幹事長は、所沢も、小野塚さんも立憲民主党のようなことを言ったが、小野塚さんは立憲民主党の人間と判断してよろしいのか。

【幹事長】
 立憲民主党と私は言っておりません。ただ、現職の自民系の市長を破ったということです。

○「所信表明演説」等について

【フリーランス】
 岸田さんの所信表明演説だが、内容的にちょっとくぐもっているというか、喉が詰まったような感じで、自民党の各派閥の意見の強さみたいなものに配慮して本当に言いたいことが言えないのかなというようなことも私は感じた。こんな聞き方で恐縮だが、幹事長はどのようにお感じになったか。

【幹事長】
 やはり補選の直前に理屈の通らない所得減税を言って、全くここは効果なかったと思いますが、自分で自分を窮地に追いやっていると思います。
 誰が考えても、それは給付が早いし、しかも、それは所得の低い方だけではなく我々は6割くらいの世帯にというふうに言っているわけです。「日曜討論」で申し上げましたが、それ以上の高額所得者に何万円か給付するということに、どこに意味があるのかと。それこそばらまきではないかと。ある一定の、生活に困っている、あるいは子育て世代だとある程度所得があっても大変な状況ですから、そういう範囲に一定の給付をするというのが、どう考えても合理性がある。スピードから言っても、それから、無駄遣いをやめるという意味でも、というふうに思っております。
 なぜ、その給付と減税を組み合わせるのかというのが、しかもタイミングが随分ずれますよね、全く理解できない。自民党の中にもそういう意見は多いのではないでしょうか。

【フリーランス】
 こちらの記者でいらっしゃった元毎日の宮原さんの番組を私も見たり見なかったりだが、所信の原稿を手に入れ前日に解説されていたが、皆さんおかしいと思いませんかと。還元しますと言っておいて増税するというのは、最初からそれだったら増税しなければいいのではないかと。増収しているのだから増税しないで済むのではないかというのは玉木代表も以前はおっしゃっていたが、この間の夜中のテレビ番組でもそういったご意見は出ませんで、その辺りはいかがか。

【幹事長】
 全くおかしなことを総理は言っているということですね。
 あまり皆さん注目してくれないのですが、今回の我々の経済対策は、ほかの野党と比べればはるかにコンパクトなものです。おそらく、与党がどのくらいのものを出してくるかわかりませんが、与党の中にも15兆とかいろいろ規模を競うような話もあります。もう少し、今のこの需給ギャップがなくなった段階で、しかも物価を抑えることのための対策をやっているのに、結果的に物価を上げるような対策になってしまっていると。これは選挙前のばらまきの結果、そういう話になっていると思うのですが、その異常さというのを私は申し上げておきたいと思います。
 我々は、そういう規模を競うような、ばらまきを競うような、そういう考え方とは一線を画して我々の経済対策を発表したということです。