岡田克也幹事長は3月26日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)衆院での政倫審の開催(2)安倍派幹部の処分(3)武器移転、防衛装備移転3原則の改正(4)維新との選挙区調整――などについて発言しました。

 衆院の政倫審について岡田幹事長は、「公明党の賛同が得られず状況が動かなくなっている。当初の公明党幹部の言い方からみると、ずいぶん後退した感じがする。残りの自民党(裏金)議員全員に政倫審の場に出てきて話をしてもらうことは必要不可欠であり、それを公明党がブロックしているように映ることは極めて残念」と指摘。さらに、「われわれは、予算委員会における証人喚問を求めている。ぜひ公明党には賛同してもらいたい」と述べました。

 安倍派幹部の処分については、「安倍派の幹部の中で、キックバックを復活させるよう意思決定した人で、かつ不記載であることを認識していた人は議員辞職に値する。安倍派幹部の中で、まずは事実関係を明らかにすべきで、それに基づいて処分の中身が決まってくる」と述べました。

 武器移転、防衛装備移転3原則の改正について、「今日、閣議決定がなされた。殺傷能力のある武器を移転することは、国際紛争を助長することになりかねない。従って、憲法の平和主義の理念に基づき、それは行わないのが従来の考え方であったと思う。いろいろな理由があるにしろ、戦闘機という殺傷能力がある武器を移転するということになると、その理念そのものを変えることになるが、その議論が十分になされていないのではないか。わが党としては、そういった議論を国会の中でしっかりと重ねていく中で、スタンスを決めていく」との考えを示しました。

 維新との選挙協力について、「現状では無理だが、少しでも与党の議席を減らすことは共通目標になった。与党を過半数割れにするという目標を達成するため、ギブ&テイクの原則で、将来の協力に向けての余地を残しておくのが野党第一党の懐の深さだ」と述べました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年3月26日(火)16時24分~17時06分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/DSieFc8HNdA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第97回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私から、まずは常任幹事会の報告です。
 きょうはあまりご報告するようなことはございません。ただ、次期参議院(選挙)に向けて、愛知県選挙区、現職の田島麻衣子さんの公認が内定されました。これからも順次、現職も含めて、参議院の候補者を決めていきたいと考えております。
 常幹は以上です。

○裏金問題について

【幹事長】
 それ以外の件ですが、まず、政倫審。衆議院の政倫審、残念ながら公明党の賛同が得られないということで、状況が動かなくなってしまっております。
 当初の公明党の幹部の言い方から見ると随分後退してしまったなという感じがいたします。「日曜討論」でも、自民党が決める話であるということでありました。しかし、やはりこれだけ事実が明らかでない、政倫審をやっても動かなかった、そういう中で、しっかりと残りの方々全員に政倫審に出てきてもらって話をしてもらうということは、これは必要不可欠なことであって、公明党がそれをブロックしているというふうに映っているのは極めて残念なことだと思っております。
 それから、我々は予算委員会における証人喚問ということも求めております。この点についても、ぜひ公明党には賛同してもらいたいと考えているところであります。
 なお、「日曜討論」で、ちょっと私の発言が少し正しく伝わっていないのかなというふうに思いましたが、私が、議員辞職に値するというふうに言ったのですが、それは安倍派の幹部の中でキックバックを復活させるということの意思決定を行った人と行わない人で違いがあるでしょうと。それを行った人で、かつ、不記載であることを認識していたとすると、それはもう議員辞職に値するような話であるということを申し上げたわけで、つまり、安倍派幹部の中でも、事実関係をまず明らかにして、それに基づいてそれぞれの処分の中身というものが決まってくる話であるということであります。

○「次期戦闘機の第三国輸出容認」閣議決定について

【幹事長】
 きょう閣議決定で、「グローバル戦闘航空プログラムに係る完成品の我が国からパートナー国以外の国に対する移転について」ということで閣議決定がなされました。防衛装備移転三原則の運用指針についても改正されたということであります。
 この点も「日曜討論」で申し上げたとおりなのですが、憲法の平和主義に基づく理念、つまり、殺傷能力のある武器を移転することは国際紛争を助長することになりかねない、したがって、それは行わないというのが従来の線引きというか考え方だったと思います。いろいろな理由があるにしろ、戦闘機という殺傷能力のある武器・兵器を出すということになると、もうその理念そのものを変えることになるのではないかと、そこの議論が十分なされていないのではないかと思っております。
 この点について、「日曜討論」で非常に特徴的だったのは、与党の自民党・公明党のほうからは、いや、理念は変わっていないんだと。厳格な手続で、いろいろと制約を課していると。国際共同開発というのは必要だから、それだけ例外をつくっただけだと、そういう説明でした。
 維新と国民からは、いや、そんな、理念は大事だけど現実は更に大事だと、だから現実に合わせるべきだというような趣旨の話で、私は、戦闘機まで出してしまうと先ほど言った理念というのはもう完全に風穴が空いてしまいますので、そういう意味では国民や維新の幹事長の言われたことのほうが正直なのかなというふうには思いました。
 だけど、本当にそうなのかというところの議論は尽くさなければならないと思います。同志国に対してはむしろそういった武器を供与していくことが日本の安全につながるというのは「国家安全保障戦略」の中でも書かれていることで、そういう考え方というのは武器の供与が国際紛争を助長するから駄目なんだという考え方とは対極の考え方で、では、どちらで行くんですかということが、国民の納得するような形できちんと議論がなされなければいけないのだと思っております。
 我が党としては、そういった議論を国会の中でしっかりと重ねていく中でスタンスを決めていくということにしたいと思っております。

○野党連携について

【幹事長】
 私の先般の芳野会長とのぶら下がりでの発言、それから、野田さんのBSテレ東での発言が、一部、報道が正確になされていなかったのかなというふうには思いますが、私が申し上げたことは、維新との選挙協力の話ですが、今、選挙協力ができるとは思っていないし、維新もそれは完全に否定しているわけですね。
 ただ、ぎりぎりの場面で、押し迫ったところで、少しでも与党の議席を減らすという、そこは共通の目標になったわけです。維新もそういうことを新たに掲げられたわけですから。野党第1党になるという目標をこれも引き続き掲げておられますが、与党を過半数割れに追い込むという新たな目標を設定されたということになると、その新たな目標を達成するためには、例えばAという選挙区とBという選挙区があったときに、Aでは我が党の候補者が自民党とぎりぎりのところで争っていて、維新の候補者が降りればそれが有利に働いて自民党に勝てる可能性が高まると。Bという選挙区では同じようなことが維新の候補者と自民党の間で起こっていて、我々が下げれば、そして、その票が維新に行けば、維新が自民党に勝てると。そうすると、この二つの選挙区で自民党の議席を二つ減らすことができるわけであります。
 そういうギブ・アンド・テイクの原則で、ぎりぎりの調整という、その余地は私は残しておきたいと、これはかねがね申し上げていることなのですが、そういうことを芳野会長との共同のぶら下がりのときにも申し上げたと。別に新しいことを言ったわけではないのですね。そして、今はそんな協力ができないと、もっと押し迫らないと無理だということも、そのときにも申し上げたところであります。
 野田さんの発言も、解散とか、あるいは総選挙中とかで、そういう押し迫った場面でそういう余地があるということを言われたわけで、最初から選挙協力でやっていきますというほど楽観的な観点で言われていることではないのです。そういう意味では、私と野田さんの言っていることはほぼイコールだというふうにご理解いただければと思います。
 維新と全面的に協力するのかと、そういうご意見もあるかと思いますが、そういうふうに考えているわけではないし、そんなことはすぐに実現する話ではないと。ただ、国会の中とかそういったところで、できるだけ協力していく。そして、将来の協力について、今は維新は完全に否定していますが、余地は残しておくというのがやはり野党第1党としての懐の深さだと私は考えているところであります。


■質疑

○「次期戦闘機の第三国輸出容認」閣議決定について(1)

【NHK】
 冒頭でおっしゃった、武器の、戦闘機の輸出のことについて伺いたい。国会の議論の中で党としてのスタンスも決めていくということだが、今後更なる説明の場を求めるなど、国会での対応で考えていることはあるか。

【幹事長】
 本来ならばこれは、これだけの話、つまり、戦後の武器輸出三原則から始まる極めて重要な憲法の平和主義を具体的にどう体現していくかという話なので、これだけで国会で一日時間を取って集中審議をするくらいのことは必要なのだと思うのですね。いろいろな委員会の合間に我が党からも問題提起をしたりして、しかし、結局は閣議決定で勝手に決めてしまうということは極めて遺憾だと思います。

【NHK】
 予算委員会の場を求めるとか、その辺はまだ対応は決まっていないか。

【幹事長】
 具体的にそのために一日取れとかというのは、ちょっと今のこの予算のタイミングを見ると難しいのですが、予算が通った後でも、関係の委員会、あるいは予算委員会、総理も出てきてもらって議論する価値のある話だと私は思っております。

○裏金問題について(1)

【NHK】
 別件になるが、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党はきょうから安倍派幹部の聞き取りを改めて行うことにした。従来から事実関係を明らかにすべきだと幹事長はおっしゃっているが、この間、冒頭でおっしゃったように政倫審も証人喚問も自民党は応じていない。こうしたことも含めて、この再聴取の受け止めについて伺いたい。

【幹事長】
 問われているのは自民党自身のガバナンスの問題なのです。勝手に派閥の中で違法なことをやっていたと。それを結果的には見逃して、あるいは見過ごしてきた自民党ですから、やはり責任を持って事実関係を明らかにする、それが必要なことだと思うのですね。
 だから、形だけ聞くのではなく、例えば意思決定に関わった可能性のある4人の議員がいるのであれば、4人集めて「あなたとあなたの言っていることは食い違っているが、どうなんだ」というような、単なる一人ひとりから聞いて同じような結果しか出てこないのではなくきちんと決着をつけさせたらいいと思います。その結果によって処分の中身は当然変わるよと、そのくらいのことをしなければ意味がない。形だけだと言われても仕方がない。
 総裁までヒアリングに出てくるんですよね、岸田総理も。それで結果がわからなかったというのだったら、それはそんな情けない話はないし、総裁ご自身の責任でもあると思います。

【時事通信】
 今の件とも関連するが、冒頭に言及いただいた自民党の処分の関係だが、先ほどの、安倍派幹部でキックバック復活の意思決定を行った人で、かつ不記載を認識していた場合は議員辞職に値するという認識というのは現在も変わりないかと、自民党内では選挙での非公認も含めて処分が検討されているようだが、非公認では不十分なのかどうか、どういう処分が望ましいとお考えなのかの部分を改めてお願いしたい。

【幹事長】
 先ほど私が言った状況を満たせば、そもそも立件されるべきだということになると思うのですね。共謀の事実はないといったって、自分たちで決めているわけですから、違法なことを。別に会計責任者との共謀がなくたって、それだけでもう立件できる話だと私は思っています。

【フリーランス】
 衆議院政治改革特別委員会、おそらく浜田国対委員長の言うとおりできるかと思うが、その構成で、例えば特別委員長ポストなどは、最近公明党に呼び水されているが、例えば特別委員長はどの党がいいとか、そういったお考えはあるか。

【幹事長】
 それは具体化したところで国対同士で話し合う話だと思います。

○野党連携について(1)

【フリーランス】
 立憲と維新の選挙協力に関してご発言があった。選挙協力というか、候補者調整。ちょっと古い話で恐縮だが、海江田万里さんが代表の頃に、岡田さんが代表代行として選挙に臨んだときがあるかと思う。そのときに、大阪市内に当時の民主党は誰も公認を出さず、維新が東京1区などでは候補者を立てなかったことがある。そのとき維新の馬場さんたちは当選1回だった形で、今の幹部、藤田幹事長以外は同じメンバーだが、その10年前のときのような感じで直前に候補者が調整されるということはあるか。

【幹事長】
 そのときも、例えば辻元さんとか、何人か出ていたはずですよ。そんな完全に大阪からいなくなったということはないと思います。

【フリーランス】
 大阪市内と私は申し上げました。

【幹事長】
 そこは実は私はやっていなかったので、選対委員長の馬淵さん、そこで主として進めておられた話です。
 結局いい結果にはつながらなかったなと私は思っています。
 ですから、地域がどこかという話ではなく、先ほど言ったような、ある選挙区とある選挙区でバーターができるならば、それで両方がウィン・ウィンになるならば、それは維新だけではなく国民もそうなのですが、そういうところはかなりぎりぎりのところで調整するという余地は残しておきたいと思っています。

○能登半島地震 復興予算について

【フリーランス】
 最後に、能登半島地震に関して、補正予算が必要だと「日曜討論」でおっしゃっていた。

【幹事長】
 はい。

【フリーランス】
 いかがでしょうか。

【幹事長】
 当然です。予備費で訳のわからない使い方をしているというのは許されることではありません。緊急でやむを得なかったということは、それはわかりますが、この年度内についてはわかりますが、本来であればやはり補正予算を組んでしっかりと国会で審議しながらやるべきだと思います。
 復旧の部分というのは予備費で急遽手当てするのはわかりますが、復興ということになると、どういう復興のビジョンを持ってやっていくのかと。これも国会で議論することが私は必要だと思うのですね。
 東日本大震災のときもいろいろな議論がありましたが、単に元に戻すのではなく、例えば仮設住宅を造るにしても、より安全なところにコミュニティを維持する形で仮設を造って、そこに多くの人に移転してもらう。何といいますか、ほとんど潰れてしまった集落を一から元に戻すのではなく、そういう形で、より安全性を確保しながらコミュニティも維持しながらやるとか、そういうやり方も東日本のときにもありましたし、それが結果的に成功したということもあります。
 いろいろな議論をしながら、どういった復興の仕方があるかと、それを国会で議論すべきだと思いますね。それに基づいて予算をつくると。
 「日曜討論」でも言いましたが、3月11日があって、もう5月10日前には補正予算が成立しているのです、与野党で議論して。だから、2カ月かかっていないのです。これから連休前後で補正をつくることは全く難しい話ではないと私は思っております。それをしないで予備費でやるというのは、それは予備費の域を超えている。政府が勝手にばらまいているだけということになりかねません。

○野党連携について(2)

【共同通信】
 昨晩、泉代表と国民民主党の玉木代表が、夜、会食をされたということだ。先週だったと思うが、幹事長は会見で、両党の基本政策について、そんなに大きく違うとは思っていないと、なるべく違いを乗り越えて協力していくことが大事だというふうにおっしゃった。きのうそこまで政策とか、その先の選挙協力といった踏み込んだところまでは協議はされていないようだが、お互いの党の代表が会われて政策等について意見を交換されたと。お互い歩み寄りがあったのかなと思うが、この会談についてどういうふうに受け止めているか。

【幹事長】
 政策について意見交換したかどうかは私は承知しておりません。食事をされたことは事実だと思います。お互い親交を深めることはいいことだと思います。

【共同通信】
 どういった話をされたとか、そういったお話は代表からは伺っていないか。

【幹事長】
 聞いておりません。

【共同通信】
 かねてから会談というか党首同士が話すという機会を両代表は探っておられたと思うが、最初はトリガーという話もあったが、今回こういうふうに会食の場を持たれ、今後この両党はどういうふうに関係を持っていかれるのが望ましいかということを改めてお願いしたい。

【幹事長】
 私はずっと一貫して、本来同じ党であったので、できるだけ協力していくべきだと思っています。
 ただ、皆さんの中で誤解されている方がいらっしゃったらあれですが、やはり大きな固まりというのは、それはすぐには難しいので、いろいろなものを乗り越えていかなければいけないので、衆議院選挙で可能な限りお互い協力して、その先にどういう展望が開けるかということを考えていくべきだと思っています。

○政治団体の資金移動について

【朝日新聞】
 まず1問目。前に伺ったが、自民党の茂木幹事長の政治団体の資金移動の問題があったときに、立憲民主党の中にも似たようなことをやっている議員がいないのかと伺ったときに、調べるとおっしゃっていたので、もしその結果がわかればと思ったが。

【幹事長】
 具体的に言う必要はないと思います。ただ、現時点ではそういう人はいません。

○後半国会に向けて

【朝日新聞】
 別件で。新年度予算の年度内成立はもうほぼ確実だと思うので、この先の後半国会について伺いたい。いろいろ重要な法案も、子育ての法案もあり、あるいは補選もある。会期末の先の衆院解散がいつあるかということもあると思うが、立憲民主党の幹事長の立場として、後半国会、何を一番、党として重視していきたいのかというところを伺いたい。

【幹事長】
 重視しなければいけないことはいっぱいあるのですね。
 ですから、政治改革の、事実解明もまだなのですが、そして自民党がどういう処分をするかということもありますが、法律改正。これはぜひ、やらないわけにはいかないと、しっかりしたものをやりたいと思っております。特別委員会ができれば、そういう議論に入っていくことになると思います。
 それから、補正の話もありますね。
 重要法案もあります。きょう本会議をやりましたが、農業もありますし、それから「支援金」の問題を中心とする子ども対策の話もあります。共同親権の話もあります。そういった重要な話について、しっかり議論を尽くしていきたいと思います。
 委員会での議論ということになると、やはり立憲民主党の論戦力というか政策能力というか、そういうのは与野党の中で際立っていると思います。そういう姿を示しながら、よりよい答えを見つけていきたいと思います。

○梅谷議員について(1)

【新潟日報】
 梅谷議員の関係で伺いたい。土曜日に新潟県連で常任幹事会があり、そちらで梅谷さんの件、幹事長に早期の対応を、ご本人からの説明も含めた対応を申し入れたいということだった。その後、実際に幹事長のほうに何か西村県連代表から申入れなどはあったか。

【幹事長】
 西村さんがお見えになって、お話しになっていかれました。私からは、県連の考えは承知しましたというふうに申し上げました。

【新潟日報】
 具体的に、会われたのは、いつ、どんな形だったか。

【幹事長】
 きのうだったかな。

【新潟日報】
 県連のほうからは、どんな申入れだったか。

【幹事長】
 それは県連に聞いてください。

【新潟日報】
 早期の対処という中身だったと思うが、県連からそういう声が上がっていることについては幹事長はどんなふうに受け止めているか。

【幹事長】
 県連の気持ちはある意味理解できると思います。最終的には幹事長の責任で対応したいと思います。

【新潟日報】
 先日の会見では本人からの報告を待っているということだったが、現状では進捗状況はいかがか。

【幹事長】
 状況は従来と同じです。

【新潟日報】
 県連としては早期にということだが、今後の対処のスケジュール感について、お考えを改めてお願いしたい。

【幹事長】
 現在まだ進行中ですので、決まったらきちっと対応についてお話ししたいと思います。時期は特に、今申し上げるわけにはいかないと思います。

○裏金問題について(2)

【「FACTA」】
 公明党のことも冒頭にお話があったが、基本的に与党としては真相究明を横に置いて、岸田さんを主役とする処分の劇場化というのか、きのうから始まった感じがある。こういう真相究明を横に置いて処分の劇場化している現実を幹事長はどう思うか。あわせて、千両役者で処分していく岸田さんが自らを処分しないような立場にいるのか、ガバナンスといえばやはり社長が取るように総裁が取るわけだが、何か処分の劇場の主役が岸田さんというのがガバナンスの問題では僕は理解できないが、この劇場化とガバナンスの観点で、岸田さんの今の処分の問題をどうお考えになるか伺いたい。

【幹事長】
 岸田さんは、この間もちょっとアクションを取られる場面というのは何回かありました。自分の派閥の解消の話であったり、政倫審に出てこられたりとか。ただ、国民の目は肥えていますので、そういう見え透いたやり方は、国民からはそれで評価するというふうにもならない。今回のやつも、形だけ。中身次第ですが、事実をきちっと明らかにして、先ほど言ったように4人を集めてきちんとその場で議論をさせて、誰が責任あるんだということを明確にするとか、そういうことがなければ幾ら形だけつくっても反応は国民はしないと思います。「またやっているのか」ということだと思います。
 それから、岸田さんご自身の責任は、この場でも申し上げましたが、非常におかしいわけです。つまり、リタイアされた会計責任者の方が3年間で3000万円、その後、新しい秘書になって2年間ということですが、その5年間というのは要するに立件されるその期間の話であって、その更に昔はどうなっていたのかと。6年前、7年前はどうなっていたのかと。
 岸田総理は3年間の不注意と事務的ミスの積み重ねでなりましたという説明をされていますが、そういう不注意、事務的ミスをするような会計責任者であれば、5年より前も同じようなことをしている可能性は十分あるわけです。では、それを調べないんですかと。調べてみると私との予算委員会ではおっしゃったのですね。野田さんがこの前、政倫審で最後にそれを確認しました。調べたけれどもわかりませんでしたというのがお答えだったのです。
 でも、預金通帳は仮になくなっていたとしても、銀行に聞けば残高がそれぞれの年度ごとに幾らあるかというのはわかるはずです。したがって、3年間で3000万円というのが、その前どうなっていたかというのはわかるはずなのですね。それを調べようとしないわけですから。調べたけれどもわかりませんと言っていますが、本当に残高まで遡って調べたのかと。しかも、伝聞とおっしゃるのですね。自分で見ていないと、そう聞いていると。そういう姿勢そのものが、事実を全く明らかにするという努力をしていないということは、もう見え見えですから。
 私が予算委員会で申し上げた、自分のところについてそういうやり方をしていて、ほかの派閥に対して、二階派や安倍派に対して処分できるんですかと、同じことをまた繰り返しておきたいと思います。

【「FACTA」】
 岡田先生は立憲では最もキャリアの長い政治家だから伺うが、きのうの二階さんのあの会見というのは、私も二階さんはやはりすごい政治家だと思う時期に政治をあれしたこともあるが、功罪相半ばと書いている新聞もあるが、やはり晩節を汚してしまったと。これまでやってきたことが全部ゼロになるくらいひどい。ああいうのを見たら若い人が政治家になろうと思わないような醜悪なものだったと、そう書かないメディアが私にはよくわからないが、やはりああいうのを見ていたら、率直に、ご自身もキャリアが長いが、晩節を汚したと、もったいないことをしたと、同情したくなるご心境はないか。

【幹事長】
 私も二階さんとは長いので、共に自民党を離党しましたし、途中から別の道に分かれたのですが、懐の深い政治家だなと思ってきました。
 こういうことがあったのですね。私が副総理のときに社会保障・税一体改革の根回しで当時の自民党の幹部をずっと回ったことがあるのです。そのときは私は与党ですから、いろいろなお話をしました。で、与党と野党が入れ替わって、改めて呼んでくれて、そして懇親の場をつくったのは、二階さんだけだったのですね。そういうのを見ても、やはり丁寧な人だなと思いました。
 ただ、最近の振る舞いを見ていると、幹事長でありながら無所属の議員を派閥に入れて選挙に出したりとか、現職がいてもぶつけたりとか、そういうことを幹事長としてやっておられて、それを安倍さん初め総理も何も言えなかったというような姿を見ていて、これはちょっと党としてのガバナンスが全く機能していないなと思いました。それは自民党さんの問題ですから私がとやかく言うことではないのですが。私のかつての仲間たちも二階派に入ったりしていますよね。普通ならば道を封じられているはずなのですけれども。

○梅谷議員について(2)

【フリーランス】
 先ほど自民党の政治と金の問題について問われ、自民党の再聴取については、問われているのは自民党のガバナンスだとおっしゃった。それから、安倍派幹部の処分については、彼らが違法なことを決めているからそれだけで立件できる話だというふうにおっしゃった。一方、梅谷議員のことについては、動画なども出ていて、お酒とかを渡しているところだが、明らかな証拠みたいのがある。党内でそれについて、発覚して1カ月くらいたつと思うが、全然進展がないというのはダブルスタンダードなのではないか。4月28日の補選、このまま水面下でずっと行けばあまり波風立たないように思っていらっしゃるかもしれないが、国民は与党に対してというか自民党に対して見ているのと同時に野党の行動についてもやはり注目しているわけで、4月28日の補選までに梅谷さんの件は、少なくとも呼び出して事情聴取して、自民党の問題をもっと迅速にすべきだとおっしゃるのだったら立憲民主党も何かしら処分を28日までに下すべきだというようなお考えはないか。

【幹事長】
 梅谷さんは、公の場で自らのしたことを認め、軽率であったということも言われているわけです。一定の範囲でそういったことをやられていると。
 それ以上のことがあったのかどうかをご本人は調査しているはずだと思っています。そういうものを踏まえた上での対応でないと、途中で何らかの党としての対応というものを決めるのは私は時期尚早だと、最終的にきちんと全体像が決まったところで対応すべきだと思っています。
 対応しなくていいというふうに思っているわけではないのです。

【フリーランス】
 それでは伺いたいが、現在明らかになっている点においても、梅谷さんはまだ党として処分に値しない段階である、すなわち、全部概要があって初めて違法性が認識されるというか、党のいろいろなルールに反することがわかるのであって、そこまで待っていると。あるいは、梅谷さんが公に会見とか記者団に話されたが、それをもう一回本人がされるまでは党としては本人を呼び出してどうなんだというのはやらないというようなことなのか。

【幹事長】
 コミュニケーションは時々取っております。
 梅谷さんの発言によれば、会費相当ということでお酒を持っていったという説明をしておられます。それが法的にどういうふうに評価されるのかというのは、いろいろな解釈もあるのだろうと思います。
 いずれにしても、全体像が明らかになったところで党としての対応を考えると。途中で中途半端にやるつもりはございません。対応すべきときが来れば、きちっと対応したいと考えております。

○「農政」「次期戦闘機の第三国輸出容認の閣議決定(2)」について

【フリーランス】
審議会メンバーが公正とは言えないのではないかと。農政トライアングルのいつもの方々の都合で委員を選んでいると。これは厚生労働省の薬害関係などにも見られると思うが、立憲民主党は、こういった審議会メンバー、この辺りをいつも攻めてくださっているか。

【幹事長】
 ちょっと詳しいことはよくわかりません。
 ただ、戸別補償について言うと、要するに政府の考え方で、本当に米作り、10年、20年先に誰がやるのか、その危機感が決定的に欠けていると思います。どう考えても、それは多少大規模化したとしても、やはり今の消費者が買う米の値段と生産コストの間にギャップがあるという状況が解消されない限り、どんどん米作りをやろうという人が減っていくということになります。
 それを乗り越えるのは、やはり戸別補償しかないと私は思っております。しっかりと、民主党政権のときにやりかけた、その後、安倍さんになってばさっとこれを切ったのですが、よりバージョンアップしたものを、我々既に法案も準備していますが、しっかりと政権が替わればこれは実現していきたいと思っています。

【フリーランス】
 もう一つ。汚い手で憲法を触るなという言葉を立憲民主党は強く押し出していると思うが、今回の戦闘機の輸出問題のことで、今まで部品とかの輸出はされていたと思うが、今回のは本当に露骨過ぎて、これはロシアへの牽制なのかなとちらっと思ったりもするが、どう考えても、どこの国に憲法を乗り越えて無視して国会議員でいられる人たちがいるのかなと不思議になる。こういった国民感情への幹事長のお言葉を何かお願いしたい。◎

【幹事長】
 ですから、「国家安全保障戦略」の中で、同志国に対する武器の移転は、それは我が国にとって有利な安全保障環境を生み、日本が安全であるための重要な手段であるというふうに記載をされていたときから、殺傷能力のある武器の移転は国際紛争を助長しかねないのでこれはしませんという従来の考え方と全然違う、180度違う考え方が政府の中で両方あって、今回の戦闘機の輸出というのは、その安全保障基本戦略の線にもう完全に舵を切る、同志国に武器を出すことが日本の安全を確保するための重要な手段であるという論理を受け入れた瞬間に、これは共同開発だけではなく国産の武器も含めて、例えば今、ミサイルを一生懸命造っていますが、そういうものを含めてどんどん出していくという、そういう近未来の姿がもう見えてしまいますので、本当にそれでいいんですかということをきちんと議論すべきだと思います。

【フリーランス】
 幹事長は戦争に巻き込まれるリスクが高まっていると思われるか。

【幹事長】
 日本の安全保障環境が厳しくなっていることは事実です。