衆院本会議で4月9日、「重要経済安保情報保護・活用法案及びその修正案」と「経済安全保障推進法改正案」について、本庄知史衆院議員が賛成の立場から討論しました。

 2年前の経済安全保障推進法の附帯決議に経済安保分野のセキュリティ・クリアランス制度の創設が盛り込まれたことを受けて本法案が提出された経緯に触れ、「経済安全保障の核心部分は、安全保障の確保と自由な経済活動のバランスであり、今回の法案でいえば、機密情報の保護と利活用のバランス、情報公開やプライバシーとのバランスが肝要」と指摘し、内閣委員会での法案審議を通じて明らかになった問題点や課題を述べました。

 本庄議員は、本法案について「具体的な制度設計が、今後整備される関連政令や運用基準に委ねられている部分が多い」「重要経済安保情報の指定件数や適性評価対象者数の見込み、新設される一元的な調査の実施体制など不明点が残る」「特定秘密保護法とシームレスに運用するとしながら、カバーされる情報の範囲や罰則のバランスなど、実際にはツギハギ、デコボコのある制度である」と指摘し、「引き続き閣議決定などの内容を慎重に精査し、特定秘密保護法施行10年間の検証、総括含め、今後の検討、改善」を求めました。

 本庄議員は、政府案の最大の問題として制度運用に対する監視体制の不十分さをあげ、立憲民主党は「政府による恣意的な運用やブラックボックス化を防ぐため、国会の監視と政府部内の監視を大幅に強化する修正を求めセットで成立させることで、賛成することとした」と述べました。それを受けて必要となる重要経済安保情報を情報監視審査会の対象とする国会法改正などへの理解を求めました。

 経済安全保障推進法の基幹インフラ制度に港湾関係を追加することになったことについて、本庄議員は「2年前の法案審議の中でも指摘があったが、政府の楽観的な見立てにより、原案のまま成立。ところがその翌年、名古屋港でサイバー攻撃による深刻な被害が発生したため、今回、港湾運送事業を追加せざる得なくなった」と政府対応を「甚だお粗末」と批判しました。

 最後に、今回の法案の柱であるセキュリティ・クリアランス制度は、経済安保情報の機密指定や適性評価のための身元調査などを含むことから、「知る権利や情報公開を妨げる」「人権やプライバシーを侵害する」といった懸念や疑念が根強くあると指摘し、その大前提は「信用され信頼される政府」「現在の政府に対する国民の信用・信頼が十分なのか」と訴えました。