◆家庭内暴力の相談窓口 (全国共通番号)#8008 DV相談について | 内閣府男女共同参画局
DV相談件数は、2022年度には約12.2万件。この20年でDVに対する社会的認知が高まったこと、コロナ禍で顕在化した等が指摘されています。
2020年の政府の調査(※1)によると、「配偶者からの暴力の被害経験」について、「女性の約3人に1人は被害経験があり、約7人に1人は何度も受けている」と回答しており、DVが身近な被害であり、継続的に起きているケースが多いことも分かります。「女性の約21人に1人が配偶者からの暴力被害による命の危険を感じたことがある」との回答からは、その暴力の程度が決して軽くはないことが分かります。
「配偶者からの暴力被害について女性の約4割、男性の約7割はどこにも相談していない」「相談しなかった理由は、男女とも『相談するほどではないと思ったから』が最も多い」「相談先の大多数は、家族・親戚、友人・知人」でした。近年、DVが社会的に認知されるようになりましたが、それでも暴力を受けても、大したことがないと考え、相談しても家族など身近な人に留まり、公的機関や専門家に相談する人が少ないことが分かります。
2004年には児童虐待防止法の改正により、配偶者間の暴力(面前DV)が子どもに対する心理的虐待に含まれることが明確化されましたが、「子どものいる被害女性が配偶者による子どもへの被害経験」を認識しているのは約3割、「まったくない」は約6割となっています。DVは同居する子どもをも傷つけることにもなります。
政府の調査や相談件数等から、少数の人だけが被害を受ている特殊なケースではなく、多くの人が被害を受けている社会的課題であることが分かります。
その土台には、夫が妻に暴力を振るうのはある程度は仕方がないといった家父長制度を引き継ぐ古い価値観、男女の経済的格差など女性が経済的自立することの困難さ等、個人的な問題ではなく社会構造的な面が指摘されています。
立憲民主党は、法制度におけるジェンダーバイアスを克服し、アンコンシャス・バイアスのもとになる、女性に対する差別や経済的・社会的不利益等の解消に向けて取り組みを進めるとともに、DVが人権を著しく侵害する深刻な問題であることを踏まえ、被害者支援を強化します。
※1 DVの現状等について 令和2年11月27日 内閣府男女共同参画局
(追記:女性に対する暴力の現状 令和6年9月内閣府男女共同参画局)
◆立憲民主党の考え方
●DV防止法の改正
・目に見える身体的暴力から、目に見えない心理的暴力、性的暴力に移行している等の被害実態を踏まえ、DV防止法(「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」)の抜本的改正を引き続き検討します。
・専門職であるにもかかわらず、ほとんどが非正規で低賃金という実態にある女性相談支援員の待遇改善、雇用の安定、専門性の確保等を進めます。
・家庭裁判所等でのDV被害者、支援者の安全を確保するための工夫を進めます。
・DV、ストーカー対策等について、精神医学的・心理学的観点も含め加害者更生プログラムや啓発・教育を具体的に進め、加害者対策・研究を充実させます。
・児童虐待とDVの密接性を踏まえ、配偶者暴力相談支援センターと児童相談所との連携強化を図ります。
●DV被害ワンストップ支援センター
・女性センター等の担当者の専門性を高め、定着を図ります。
・DV被害者支援をワンストップ支援センターで行い、人材を確保し、継続的に支援を行える体制を整えます。DV被害者支援者養成講座を充実させ、DV裁判専門スタッフの育成、加害者の加害行動更生プログラムを提供します。
・DV被害にあった母と子どもの安心・安全を保障する「レスパイトハウス」(仮称)作りを支援します。
・DVや、ストーカー、性暴力等の被害者が就業を継続できるよう、加害者の接近や個人情報漏洩を防ぐ等の支援策を検討します。
・DV被害者支援団体が、安定的に活動を継続できるよう、人件費を含め、国や自治体が予算を助成し、効果的な支援プログラムの全国展開を可能にします。
●DV等被害者情報の保護
・現行制度において、DV等被害者は、住所を加害者等に知られないようにするために、住民基本台帳の閲覧を制限したり、住民票の写しの交付を制限したりすることができる支援措置について1年ごとの更新が不要となるようにします。
・自治体で誤って加害者に被害者の住所等の情報を漏洩してしまうことを防ぐよう(1)研修・マニュアル整備への支援(2)税務、社会保障、子ども・子育て支援などのさまざまな分野との連携強化への支援(3)人為ミスが起こりにくい情報システム整備の支援を強化します。
◆立憲民主党の取り組み
【衆院内閣委】岡本あき子、堤かなめ両議員がDV防止法改正案について質問
【参院内閣委】塩村議員、被害者が活用できるDV防止法改正へ
【災害とジェンダー】八幡悦子さん(ハーティ仙台代表)インタビュー「女性のための女性による支援から生まれたもの」
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が国会で成立
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の実効性確保に向け厚労省に申し入れ
【つながる本部】「女性による女性のための相談会」の現状をヒアリング
議員立法「離婚世帯子ども給付金支給法案」を衆院に提出
離婚世帯10万円不支給問題で現に養育している親が受給できるよう政府に要請
【ジェンダー平等推進本部】DV被害者支援を考える(1)(2) (3)
DV被害者保護のため、住民基本台帳閲覧制限等の期間制限の削除等を総務省に申し入れ
DV被害は3人に1人、レイプ被害は13人に1人の女性が経験