立憲の政策がまるごとわかる政策集Policies 2022

災害対策

強力な防災・災害・危機管理体制の創設

  • 強力な司令塔である「危機管理・防災局」を設置することで、戦略的で効果的な対策を進めます。実働部隊である「生活支援隊」の創設を目指し、危機対応を抜本強化します。
  • 阪神淡路大震災以降、四半世紀の災害対策を検証し、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震や大規模な津波に備え、耐震化、地震係数、前震・本震・余震の考え方等についても総括と更新を行い、新たな地震防災対策の戦略策定を行います。
  • GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の災害への活用を進めます。同一のGISプラットフォームを国・地方自治体・民間で共有することで被災状況や対応状況の迅速な把握と可視化を実現します。

「インクルーシブ」な災害対策の構築

  • “全ての人がお互いさまに支え合う「インクルーシブ」な災害対策”を構築し、地域、世代、性別、職業、障害の有無などにかかわらず全ての層の代表が参加して情報収集、発信、避難計画および実施、避難所運営などをする分権型の防災体制をつくります。
  • 高齢者、障がい者など要支援者ごとの個別避難計画を早急に策定します。
  • 災害や紛争などの被災者全てに対する人道支援の最低基準とされる「スフィア基準」(国際NGOなどによるプロジェクトにおいて策定された基準)や女性の視点をもとに避難所の質を向上させます。
  • 複合災害に備えた避難所の質の向上、自然の多様な機能の活用も含めた避難施設のバリアフリー化を積極的に進め、高齢者住宅の耐震化、無電柱化の促進、適切な生活排水処理対策などを推進します。
  • トイレや温かい食事は48時間以内に確保し、発災後72時間内に完全な生活ができる食料・装備を避難所に完備します。
  • ペットの同行避難・預かり避難、学校飼育動物避難に資する施策を推進します。
  • デジタル管理システムの構築、避難施設の避難先や経路の確保、災害物資の迅速な配布、災害関連死対策の拡充、あわせて情報手段やアプリ等を活用した防災情報の周知徹底、防災訓練などのソフト面における対策を徹底的に見直します。
  • 交付金交付、雪下ろし作業用の命綱固定アンカーの普及促進などが盛り込まれた改正豪雪対策特別措置法を活用し、さらに除排雪の人材確保、高齢者・障がい者への配慮、雪冷熱エネルギー活用、情報システムの改善などに取り組みます。

国と地方の連携強化

  • 国と地方の連携強化、災害時に被災自治体へ権限・予算を移譲する法整備の検討、事業再建・社会インフラ復旧への支援などを進めます。
  • 災害査定の迅速化や査定以前の市町村による復旧・復興事業の着工への財政支援を図ります。
  • 大規模災害発災時の被災自治体バックアップ体制を強化します。大規模災害対応の専門性や経験・ノウハウを持つ、内閣府・国土交通省・消防庁をはじめとした各府省庁の担当者や自治体職員を現地の自治体に早急に派遣するなど国が責任を持つ仕組みを整備します。
  • 都道府県と政令市との防災計画上の調整を推進します。
  • 民間や自治体などでの「災害スペシャリスト職員」の採用と養成、自治体同士の助け合い(対口支援)を拡充します。都道府県単位で災害対策トレーニングセンター、地区防災の避難所運営に係る常設機関などの設置を進めます。
  • 自治体・関係機関の災害協定締結を促進します。
  • 災害時に現場で対応する自治体職員や自衛隊員等の心のケアなど「助ける人を助ける」仕組みを構築します。

首都直下地震に備えた首都機能分散移転

  • 国会・行政機構の機能不全も予想される首都直下地震に備えた政府業務継続計画の強化に加え、議員や議事堂などの被害への対応策を含めた国会と地方自治体の業務継続計画(BCP)、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震の予想域から外れている地域などに首都機能の一部を分散移転し、地方分散型統治国家モデルを構築します。

ボランティアへの支援強化

  • 消防団、防災士、自主防災組織、市民消火隊、女性防災クラブ、災害ボランティア、町内会などさまざまな住民組織や住民の参加協力を得ながら、地域での避難計画の策定や防災教育と訓練など、防災への取り組みを進めます。
  • 生活不安や避難生活での心身の疲労やストレスに対する心のケア対策、乳幼児、児童、生徒等に対するカウンセラーの派遣支援強化などを行います。
  • 災害救助法などでボランティアの位置付けを明確にし、経験を有する災害ボランティア団体等と行政、ボランティア団体同士の連携がスムーズとなるシステムを構築し、きめ細かく機能的に連携した被災者支援が可能となる環境を整えます。また、小型重機などの貸与制度の創設、重機ボランティアの育成を行います。交通費等を所得税の控除として認めるなど税制措置も含めたボランティアの自己負担を軽減する措置について検討します。

「流域治水の推進」などを中心とした対策強化

  • 洪水対策の面から河川の流域管理を進めるとともに、治山事業(森林整備・砂防事業)を進め、地滑りや山崩れなどの山地災害防止に取り組みます。
  • 想定を上回る集中豪雨や「ゲリラ豪雨」災害に対応できるよう、都市水害対策を強化します。アメダスや監視用カメラ、土石流センサー等を各自治体にきめ細かく設置し、観測・予測体制について一層の精度向上を図ります。
  • 事前防災を強化するための支援制度を創設します。噴火等の災害が予想される段階での規制措置に伴う地域経済や生活へのダメージを軽減する「災害予防措置支援制度」(仮称)を新設し、事前防災措置を発動しやすくします。
  • 津波災害の想定される地域等において、垂直避難を可能とする環境整備や土地利用のゾーニングにより、津波や地震から命を守るまちづくりを進めます。

火山対策の強化

  • 全国の火山の監視・観測体制を強化し、適時適切な情報発信に努めるとともに、大規模な火山噴火に伴う降灰や軽石の漂着、津波等による社会的・経済的な影響の軽減を図るための防災・減災対策を推進します。
  • 流域治水などを中心とした火山対策強化に取り組みます。

被災者生活再建支援策の拡充など

  • 被災者生活再建支援金については、支給範囲を中規模半壊から半壊全てにまで拡大するなど、支給基準を見直し、最高額の300万円から500万円への引き上げを目指します。
  • 個人対象の「災害損失控除」の創設、法人の災害損失特別勘定の適用要件の緩和、消防団・ボランティアへの支援などを図ります。
  • 従業員の雇用維持のための雇用調整助成金等の拡充、雇用保険の給付日数延長など、雇用対策の実施を充実させます。
  • 応急仮設の復興住宅への移行・共用を可能にする法整備を行うとともに、旅館・ホテルなどの民間施設を借り上げ、また、みなし仮設住宅の充分な確保、広域での空家住宅・賃貸住宅の借り上げ等により住宅を迅速に確保します。

事業再建・社会インフラ復旧への支援

  • 中小企業・小規模事業者の事業の早期復旧と事業継続のため、政府系金融機関等による金融支援をはじめとした総合的支援を進めます。災害の規模と債務整理を制度化します。生活再建支援法枠外の商店や工場と一体型の住居への支援を進めます。
  • 復旧期には、被災地の高速道路や鉄道などの公共交通網の無償化を事業者支援を講じつつ実施します。電源喪失時に備えた代替交通手段、電源確保等に資する優遇措置を講じます。
  • 直接被災した農林水産業施設等の災害復旧事業の早期実施、経営困難な農林水産業従事者に対する特別支援を実施します。
  • 観光をはじめとする風評被害を防ぐため、国と自治体が協力し正確な情報を発信する仕組みを構築します。