立憲の政策がまるごとわかる立憲民主党 政策集2024Policies 2024

経済産業

持続可能な経済成長(人からはじまる経済再生)

  • 他の先進国に比べて日本が手薄になっている「人への投資」を伸ばし、一人ひとりの持ち味が活きる社会を創造します。同時に、思い切った重点投資でGLLD分野(グリーン(Green:環境エネルギー分野)、ライフ(Life:医療・介護分野)、ローカル(Local:農林漁業・観光分野)、デジタル(Digital))を伸ばし、世界をリードする日本の「飯のタネ」を作り上げます。そして、セーフティネットの整備とフェアな分配・再分配により「安心」を確保し、幅広く消費を伸ばします。(再掲)(詳細は「経済政策」参照)
  • 分権・分散型で内需主導の経済をつくり、公正な分配を推進することによって、持続的な経済成長と「分厚い中間層」の復活を目指します。
  • 低賃金で人手不足が続いている介護や農業などの産業に対して、最先端のIT技術やロボット技術などの導入を積極的に進めます。
  • 社会的投資促進税制などにより、身近な分野で共助の精神に基づいて活動するNPO団体などを支援します。

新産業創造・新雇用創出

  • イノベーションを下支えするため、財政的な支援のほか、ビッグデータの活用支援、特区制度、国境を超えた人材技術交流、社会実験のための環境整備、規制等の障壁の除去などをスピーディーに進めます。
  • テクノロジーファーストを軸に据えて、民間の企業、起業家、大学、研究機関等が進める技術開発やイノベーションの後方支援を行います。
  • 創薬・バイオ、ゲノム医療、次世代通信技術、光電融合、量子暗号、AI、メタバース、航空宇宙、超電導、次世代モビリティの分野などを大規模かつ中長期的・計画的に推進します。
  • 産官学、中小・大企業、国内外の企業家など異分野のプレーヤー同士を結び付ける手法(オープンイノベーション)を積極的に活用することで、能力が発揮でき、生活の質を高めるためのテクノロジーを推進し、日本発の「世界で戦える産業」を育成します。
  • 産業競争力強化の観点から、製鉄産業などエネルギー多消費産業、脱炭素への対応が求められる自動車産業等への産業構造変革を促す財政支援を一層強化します。大きな投資が見込まれる設備更新については、前倒しで実施できるよう、各企業の成長戦略を後押しする支援を行います。(再掲)
  • 鉄鋼分野での水素還元技術を世界に先駆けて実用化するため、国の財政支援を行うこと等により、カーボンニュートラルを進める中においても、鉄鋼産業の競争力・持続可能性の確保と雇用維持を図ります。(再掲)
  • 水素発電、水素還元方式による製鉄、水素運搬船等の実用化を支援します。(再掲)
  • 2050年までの脱炭素化社会実現に向け、電動自動車の普及や脱炭素化に資する自動車開発等の促進、地域の脱炭素化を促進するまちづくりの観点での電動自動車等の活用、自動車製造等の各段階や製造等に必要な電気の発電段階での脱炭素化、労働力の公正な移行、国際協力の推進等、総合的施策を通じて、わが国の基幹的な産業である自動車産業の脱炭素化を推進し、国際競争力の維持・強化を図ります。
  • 電気自動車(EV)の充電ポイントや燃料電池車の水素スタンドの設置支援、EV・燃料電池車の開発・普及促進、次世代の蓄電技術の開発・製造支援、燃料の脱炭素化推進など、自動車産業の脱炭素化の基盤整備を強力に進めます。(再掲)
  • 先端半導体の国産化を推進します。(再掲)
  • 標準、規格、特許の分野での人材育成を強化し、国際標準を主導します。(再掲)
  • 新産業やベンチャー企業の創出に向けた人材育成を進めるとともに、投資減税などにより、第4次産業革命(IoT、ロボット、人工知能、ビッグデータ、自動運転等)や最先端の技術革新などを後押しする研究開発、生産性向上に係る支援を拡充します。併せて、第5次産業革命を見据え、人材育成、基礎研究などへの支援を行います。
  • 斬新な発想、アイデアが生まれる環境を整備し、ベンチャー企業の創業を支援します。また起業家が定住しやすい環境整備を進め、グローバルマーケットで戦い続けることのできる産業育成を目指します。
  • 基礎研究費や研究開発費を今後10年間で大幅に引き上げます。(再掲)
  • 特定条件下での完全自動運転(レベル4)・完全自動運転(レベル5)を世界に先駆けて社会実装するため、研究・開発の支援と、道路交通法など関連する法律の整備を総合的に進めます。
  • シェアリングエコノミーの在り方を検討し、その法的・社会的基盤整備を推進します。
  • キャッシュレス化を推進し、決済手続の省力化等の利便性向上、データ利活用による消費の活性化を目指します。
  • 知的財産権に関する紛争処理機能を強化することで、特許紛争の早期解決を図り、知財システムの実効性を担保するとともに、新産業やベンチャー企業の創出を支援します。(再掲)

中小企業・中堅企業

  • 中小企業憲章の理念に基づき、産業・雇用の中核的な役割を担う地域の中小企業を育て、地域資源を生かした事業への投資を促進し、事業継続、生産性向上、新事業の創出、事業承継などへの支援・拡充を総合的に行います。
  • 中堅企業による地域経済の牽引と成長を支援するため、中小企業の持続的成長に必要な施策を講じたうえで、設備投資や研究開発等に対する税財政面での支援強化や人材育成などソフト面への支援、地域の中小企業と連携した経営資源や雇用の維持への支援などを図ります。
  • 中小企業へのきめ細かな支援体制を構築するとともに、ものづくり技術・技能の伝承、起業・創業・育成支援の体制強化、商店街を核とした地方中心市街地の活性化、ODAを活用した海外展開支援などを一元的に推進します。
  • 世界で活躍できるメイドインジャパンの企業を数多く輩出するためにスタートアップ支援を行うとともに、既存中小企業の成長産業・高付加価値創出産業への転換や、人材確保策・事業承継への支援を強化し、中小企業の継続と発展を支えます。
  • 中小企業の円滑な事業承継を促進するため、制度のさらなる見直しに取り組みます。中小企業の持つ技術の価値を見出し、将来のものづくりの担い手に技術を継承するための環境整備に努めます。単なる事業承継にとどまらない、事業の拡大・発展のためのアドバイス、人材及び事業マッチング支援を進めます。
  • AI・ドローン・自動運転車・ロボット・ブロックチェーン・フィンテックなどの先端技術について、中小企業が導入しやすい環境を整備し、中小企業の産業革命を牽引します。
  • 中小企業の生産性向上のため、人材、IT、デザインなどソフト面への支援を強化します。
  • 中小企業の知的財産権を活用した技術革新を促進するために、弁理士などを活用した取り組みに対する補助制度を設けるなど、支援の充実化を進めます。
  • オーダーメイド型の企業支援サービスを拡充し、「企業サポート行政」を積極的に展開します。
  • 過疎や人口減少・高齢化による地方の課題に対して、解決につなげるための新しい技術を導入する自治体や中小企業の取り組みを支援します。
  • 税制、立地支援、規制などの見直しにより、産業空洞化対策や中小企業を含めて企業が活動しやすい環境を整備します。
  • 中小企業・小規模事業者・個人事業主・フリーランス等を支援する税制の強化・改善に取り組みます。特に、外形標準課税の中小企業への適用拡大はしません。
  • 中小・小規模企業への法人税減税を検討します。(再掲)
  • 中小企業者等の法人税率の軽減措置(15%)を本則化します。(再掲)
  • 産業・企業の振興等の観点から、中小企業の機械等一部の償却資産にかかる特例措置の拡大を検討します。(再掲)
  • 中小企業の交際費課税の特例について、拡充を検討します。(再掲)
  • 新たに雇用した正規労働者に係る社会保険料の事業主負担を軽減する「社会保険料・事業者負担軽減法」を制定して、企業活動を支えるとともに、従業員の手取り増と生活の充実へつなげます。
  • 中小企業への融資は、融資の際に不動産担保・人的保証に過度に依存することなく、中小企業の自立と発展に一層資する制度となるよう、さらなる改革を行います。また、中小企業経営者への融資について、第三者保証の原則禁止を徹底します。
  • コロナ禍により多額の借り入れを余儀なくされた中小企業の事業再生と雇用維持を図るため、過剰債務について、減免の法的整備等や資本性資金への転換促進を金融機関の理解・協力を得て行います。
  • 小規模事業者などの経営の効率化を図るために、中小企業組合(企業組合、協業組合含む)の起ち上げと運営を支援します。
  • 中小企業の工場や仕事の現場において安全対策の充実を促進するために、働く者の安全に資する設備投資に対して、支援の拡充を図ります。
  • 自動車整備士やバス・トラック運転手など、深刻な人手不足が生じている現場人材の確保に向けて、若者や女性等が魅力を感じる職種となるよう、働き方の見直しや働く環境、労働条件の改善などを着実に推進していきます。(再掲)

地域経済

  • 農林漁業、観光、自然エネルギーで豊かな地域経済の基盤を整備します。(再掲)
  • 地域の自主性を尊重しつつ地方都市のコンパクトシティ化を推進します。その際に地産地消のエネルギー社会への移行を進め、省エネルギーや再生可能エネルギーの普及・促進を図ることで、中小企業の仕事づくりにつなげます。
  • 大店舗が出店する際には、近隣の商店街や住民との間で、営業時間やまちづくり等について話し合いをするための事前協議制度の導入を推進します。

公正な取引環境の確保

  • 大企業と中小企業等との間の適正かつ公正な取引環境を実現するため、優越的地位の濫用に対する規制など独占禁止法の運用の徹底や、下請取引の適正化に向けた監視の強化等を図ります。
  • 適切な価格転嫁対策を推進し賃上げにつなげるため、立場の弱い中小企業等の原材料費・エネルギー費・労務費に関する価格交渉について、綿密なフォローアップや無作為アンケート及び個別ヒアリングを通じた適時適切な情報の公表を行うなど、政府と公正取引委員会が定める「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の運用状況を不断に点検し、改善を促します。
  • 多重下請業者や個人事業主及びフリーランス、また映像コンテンツ業界や運送業界など、特に労務費をはじめとする価格転嫁が困難であるといわれている業態・業界の状況把握を行いつつ、価格転嫁が困難である原因の分析に努め、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の運用と合わせて対策を推進します。
  • 公正取引委員会や下請Gメン等の人員強化を図ります。とりわけ一部の地域が取り残されないよう、地方での価格転嫁対策を強化します。
  • スマートフォンでの特定ソフトウェアに係る競争環境の整備について、セキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護、消費者保護など、公平・公正な競争と安全の両立の確保を図ります。また「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」に基づき策定される指針について、スマートフォンの安全・安心な利用と利便性確保の観点から、関係する行政機関、有識者、民間事業者等、幅広い関係者の知見を踏まえ、可能な限り明確かつ具体的に策定し、利用者への必要かつ十分な情報の提供に最大限努めます。
  • デジタルプラットフォーマーに関わる取引について、適正な競争環境の整備に努めます。
  • デジタルプラットフォームに利用される情報通信技術の急速な進展に伴う消費者被害の複雑化・多様化や、海外の行政機関との連携の必要性に鑑み、消費者庁その他の関係省庁の予算、機構・定員を十分確保します。(再掲)

ものづくり・人材育成

  • 日本のものづくりの現場を支える人材の育成を強力に後押しします。高校への多様な専門科の導入、高等専門学校・専修学校・工業高校等への支援を拡充します。大学等でも研究・開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進します。
  • 高度な専門領域に精通する人材育成に加え、技術の複合化に応えるため、複数の専門領域を学べる環境整備を進めます。また、即戦力の育成や働く場の確保につなげるために、教育機関と企業等との連携も視野に入れた人材育成に取り組んでいきます。
  • 同業者、異業種企業、大学等の教育機関、研究機関、政府の間の交流・連携を推進し、産業全体の総合力を高め、日本のものづくり競争力を強化していきます。
  • 第4次産業革命に対応した経済産業政策の充実と合わせ、時代を先取りし、第5次産業革命をリードするプラットフォーマーを生み出すことを目指し、人材育成、基礎研究支援を行います。
  • 生涯を通じて社会人の職業訓練を支援するとともに、セーフティネットを強化した上で成長分野への人材移動と集積を進めます。
  • 女性活躍推進法(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」)の実効性を高めるため、男女の賃金格差と女性労働者の非正規比率、女性管理職比率等について、101人以上の企業等が目標値を設定し、公表することを義務付ける法改正を行います。(再掲)
  • 企業内のリスキリング等でスキルアップした正社員の賃金を引き上げた企業等(中小企業等を中心に)への助成金等を創設します。(再掲)
  • 企業が労働者にリスキリングさせるための時間を確保する責務を果たすことができるよう、デジタル化の推進などによって非効率な業務を削減するなど、生産性向上で、労働者をリスキリングする時間を捻出した企業等(中小企業等を中心に)に対して助成します。(再掲)
  • 企業がリスキリングのための補助金を受ける際に労使の合意を前提とするなど、財政支援がリストラにつながらないようにするための手段を講じます。(再掲)

海外展開・資源外交

  • 水・鉄道・都市開発・医療システムなど質の高いインフラのパッケージ輸出を積極的に推進します。併せて、東南アジアやインド、グローバルサウスの発展を見据え、環境技術をはじめとするわが国の優れた技術を生かして、共創による地域の課題解決と互いの成長に資するプロジェクトを推進します。ODAなどを活用した中小企業・中堅企業の海外展開を支援します。
  • 資源外交による輸入先の確保やエネルギーをはじめとする資源の調達の多様化、未開発資源を活用するための技術開発支援、レアメタルをはじめとする金属資源の回収方法を確立した資源リサイクルの推進など、各種資源の安定確保を進めます。
  • 特許や著作権など、知的財産を守り積極的に活用するため、国際的な知的財産戦略を推進します。また、日本の食文化やコンテンツを海外に積極的に展開し、ソフト分野でも稼ぎ、雇用を増やす産業構造をつくります。

経済安全保障

  • 経済安全保障の観点から、「自由で開かれた経済」「民間主体による自由な経済活動」を最大限尊重しつつ、サプライチェーンの強靭化、先端技術の優位性確保、インフラセキュリティ強化などについて、実効性のある安全保障政策を推進します。(再掲)
  • 幅広い分野で、知的財産の保護、情報セキュリティ、企業統治などを強化するとともに、通信、デジタル、クリーンエネルギー技術、宇宙などの経済分野に係る国際的なルールの形成を主導し、日本の優位性を確立するための「経済安全保障戦略」を策定し、総合的な国力の増進を図ります。(再掲)