立憲の政策がまるごとわかる立憲民主党 政策集2024Policies 2024

国土交通・沖縄北方

国土交通

基本的考え方

  • 地域公共交通の持続可能性を高め、移動の権利を保障するとともに、交通従事者を支援し、人と環境負荷軽減を重視したモビリティを目指します。
  • カーボンニュートラルを目指す上で、道路・鉄道・水運など多様な交通手段による地域間移動や物流を効率化します。
  • 建築物のバリアフリー化や耐震化・長寿命化・省エネ化によって、不動産市場と建設市場の活性化につなげます。
  • 生活密着型の事業を優先しながら公共事業の選択と集中を図ります。特に、昨今の大規模自然災害の頻発は、地域公共交通機関にも損失を与えてきました。安全性と防災力を高めるため、鉄道や道路をはじめ、港湾・橋梁・水道など老朽化が深刻な社会資本の円滑な維持管理と、長寿命化や更新に取り組みます。

まちづくり

  • 交通まちづくり政策を検討します。人口減少、高齢化、地球温暖化などの諸問題に対して持続可能なまちづくりを支えるための観点が必要です。そのため、環境負荷の少ないコンパクトシティの形成など、まちづくりと交通を一体的に考え、誰もが安全に安心して移動できる環境の構築や脱炭素社会の実現に向け、公共交通を軸とした総合交通体系の構築や計画立案を図ります。
  • 「低炭素まちづくり法」を活用し、人と地球にやさしい健康・安心住生活を実現します。また、建物の断熱化・エネルギー性能表示(エネルギーパス)の義務化など、建築基準法の改正の検討を進めるとともに、耐震改修を強力に推進します。さらに、まち全体の低炭素化を推進するため、路面電車からLRT(次世代型路面電車)への転換やITS(高度道路交通システム)の普及に努め、自動車流入規制・ロードプライシング(通行の有料化)の在り方の検討を進めます。
  • 都市農業の機能や効果が発揮できるように、市民農園のさらなる開設に向けた取り組みやソーラーシェアリングの活用を含め、生産緑地等の持続可能な都市農業を守るための政策の推進を図ります。
  • 「グリーンインフラ活用推進法」を制定し、自然環境が持つ多様な機能をインフラ整備へ活用することを推進します。
  • 頻発する災害への対策や、バリアフリー化も含めたまちづくりの一環として、景観美化にも資する無電柱化をさらに推進します。
  • 公共建築物への自然エネルギーの導入やグリーンインフラの活用を促進するための支援制度を整備します。また、小水力・地中熱・河川熱・下水熱などの自然エネルギーの導入を進めるため、規制緩和や手続きの簡素化、財政支援の強化を行います。
  • 建築物に由来する化学物質被害を防止し、シックハウス症候群の被害者の増加を防ぐため、建築物完成後の居室内の有害化学物質濃度測定を義務化し、基準を超えた場合には改善を求めることや、大規模な公共建築物における有害化学物質の定期的な測定の義務付けなど、シックハウス対策のための法制度の検討を進めます。(再掲)
  • 人口減少社会の中でのコンパクトシティ、大都市等の再生等に重点的に取り組み、持続可能で活力ある国土・地域の形成を図ります。
  • 東京一極集中が地方の疲弊を招いている一方で、都市居住者の多くは長い通勤時間にストレスを感じ、生産性を低下させています。これらの問題を解消するため、コンパクトシティの形成を、地域の自主性を尊重しつつ進めます。
  • 自治体の自主性を尊重した人口密度計画(コンパクトな都市づくり)を可能にして、住民の利便性確保と中心市街地の活性化を両立させ、地域全体の資産価値の下落を防止します。
  • 地域内での購買活動の推進、エネルギーの地産地消などにより、地域循環型社会を構築し、地域経済の活性化を図ります。
  • 東京からの本社機能の移転、工場などの誘致に加えて、農林水産業、中小企業・創業支援、観光、スポーツ等の施策により、地域に眠る資源を積極的に生かすことで、地域産業の活性化を図り、安定した雇用を地域で創出します。
  • スマートシティを推進するため、地域を問わずICTやWi-Fiなどを利用できるよう、インフラの整備・拡充を図ります。
  • 地域に根ざした企業の海外対応や文化財等の地域固有の観光資源の磨き上げを支援して、アジアをはじめとする世界各地からの旅行者を増やし、アジア等への輸出を拡大することで、地域経済に海外の活力を取り込みます。

住宅政策

  • 住まいの安心を確保するために、新たな家賃補助制度を創設します。
  • 公共の住宅等の家賃算定に当たっては、住宅セーフティネットとしての機能が果たせるように、家賃負担に対して実効性のある配慮を行います。
  • 要配慮者や子育て家庭への住宅支援、若い世代の流入を促進する団地の世代循環、高齢者向け住宅の供給拡大を進めます。
  • 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」も活用し、地域包括ケアシステムを構築して、まちづくりと一体的に高齢者の居住の安定を図るとともに、サービス付き高齢者住宅の建設を促進するなど、自宅と介護施設の中間的な施設の拡大を図り、安全・安心な高齢者居住を実現します。
  • 所有者不明土地問題を含め、空き家対策を進めます。
  • 自治体への支援を通じて、空き家を借り上げる「みなし公営住宅」(準公営住宅)を整備します。
  • 面積要件の見直しなども含め、建築物等のバリアフリー化を一層促進します。
  • 地域の工務店・大工などの人材と地元の木材などの資材を生かした中古住宅のリフォーム(耐震化、ゼロエネルギー化)の推進、既存住宅ストックの高価値・高品質化、宅地建物取引業者などへの支援、中古住宅の流通合理化・活性化を図り、中古住宅流通・リフォームの20兆円市場化を目指すとともに、リバースモーゲージの拡充・活用促進など、高齢者による住宅の有効利用を図ります。
  • 全ての住宅の断熱を促進することにより、健康寿命を延ばします。また、カーボンニュートラルの実現に向けて住宅の省エネ化を進めるため、新築住宅の断熱・省エネ義務化、省エネリフォームの推進、木材住宅の普及、省CO2、創エネに取り組みます。熱の出入りの大きい開口部(窓)への断熱性の高い木製サッシの普及を図ります。
  • マンションの省エネ化・長寿命化を図り、住民の安全と健康を守るとともに、築年数が古い物件について、建て替えを促進する政策をさらに拡充します。
  • 「住宅宿泊事業法」(民泊新法)について、違法民泊の取締り、安全・衛生管理・防火・騒音等の対策、訪日外国人観光旅客の急増に対応した健全な民泊の普及等の諸課題の解決を目指します。

交通・物流政策

  • 「交通政策基本法」に基づき、徒歩、自転車、自動車、鉄道車両、船舶、航空機その他の交通手段が、それぞれの特性に応じて適切に役割を分担し、有機的かつ効率的に連携する中で、国民が交通手段を自由に選択し、円滑・安全に利用できる環境を目指します。
  • 人口減少・少子高齢化などに伴う利用者の減少や、コロナ禍により甚大な影響を受けた地域公共交通を支援します。
  • 「バリアフリー法」に基づき、道路をはじめ、あらゆる交通機関で整備の水準を高め、バリアフリー化をさらに推進します。「交通政策基本法」を生かし、地域公共交通が維持され、便利な公共交通により円滑な移動ができる暮らしを実現します。
  • 鉄道駅などで真に必要な方が長時間待たずにエレベーターを利用できるよう基準等の見直しを進めます。(再掲)
  • 障がい者の公共交通運賃補助制度の拡充と、障がい者割引チケット購入のDX化など利便性向上を進めます。(再掲)
  • 鉄道の駅ホームからの転落防止等の安全対策のうち、財政的な負担の大きさから工事等が遅れているものについては、国が財政投融資資金等を活用して早急に進めます。
  • 人口減少などに伴う利用者の減少、災害等の影響で経営が悪化、さらには存続が困難になっている交通機関の在り方について、それが地域の足として果たしている役割に鑑み、地域の声を聞きながら検討していきます。
  • 整備新幹線の新函館北斗・札幌間について、工事の着実な推進を目指します。同時に、並行在来線に関わる地方負担の軽減、貨物運行ルートの確保、青函トンネル共用走行の高速化・安全対策等に取り組みます。
  • リニア中央新幹線については、環境への影響や、工事方法の安全性などを十分に調査した上で、東京・大阪間の早期全線開通を目指します。
  • 鉄道についてはパークアンドライドの環境整備、在来線への支援、税制特例措置の継続、災害時の復旧支援や老朽化施設の大規模改修支援の充実を目指すとともに、バス・トラックなどについては、各種渋滞緩和策を実施し、定時性・速達性の向上を図ります。
  • 交通事故の原因究明に資するドライブレコーダーの設置義務化について検討します。また、高齢者の交通事故対策として、サポートカー限定免許を交付された高齢者のサポートカー購入時に対する支援策を導入します。
  • カーボンニュートラルに向け、EV充電インフラ整備のユニバーサルデザイン化、アクセスビリティのさらなる向上を進めます。(再掲)
  • 車椅子使用者用駐車施設等の適正利用の取り組みを進めます。(再掲)
  • 「タクシー業務適正化特別措置法」(タクシー特措法)に基づき、行き過ぎた規制緩和を見直すとともに、貸切バスの安全対策の徹底を含め、バス・タクシー事業の経営環境及び労働条件を改善するための法制度を整備します。併せて、悪質事業者の排除等に向けた制度の検討を行います。
  • 低料金でドアツードアのデマンドタクシー(乗合タクシー)、コミュニティバスなどを、国の基準の見直しや予算措置で強力に支援します。
  • トラック業界などで燃料油価格高騰に伴う運賃転嫁を促進するための法律を制定します。
  • 自動車整備士やバス・トラック運転手など、深刻な人手不足が生じている現場人材の確保に向けて、若者や女性等が魅力を感じる職種となるよう、働き方の見直しや働く環境、労働条件の改善などを着実に推進していきます。
  • 交通・物流において、安全・安心・安定のサービスを担保するため、技術職全般の処遇改善を図ります。
  • 電子商取引市場の拡大による宅配便取扱い個数の急増と運送業界の人手不足に鑑み、マンション、戸建住宅への宅配ボックスの設置に対する補助などを通じて、無駄のない効率的な物流体制の構築を支援します。
  • 道路整備に際しては、ミッシングリンクの解消など、地域が活性化するための道路ネットワークを構築します。
  • 高速道路の利便性を向上させ、利用を活性化させることは、一般道や生活道路の渋滞解消による環境改善、そして新たな経済効果を生み出すことから、適切かつ計画的な道路の補修・建設を進めるとともに、簡易な出入口の設置を促進します。
  • 高速道路の活用を促す料金制度を検討し、地域の活性化、物流の効率化、財政の健全化の視点とともに、維持更新に必要な財源の捻出、公共交通への配慮と支援をしっかりと行い、地域の活力・日本経済の活性化を図ります。例えば、償還期間の延長や、金利は実勢を踏まえた形に低減させること等により、料金体系を見直します。
  • 空港・港湾の各施設の連携強化(羽田・成田空港など)により国際競争力を高めます。特に顕著な経済成長を遂げているアジア圏、なかでも北東アジア圏に対して、東北から沖縄に至る日本海沿岸域のゲートウェイ機能を強化するとともに、太平洋側と連結する日本海側の交通ネットワークを充実させることにより、国内外のヒト・モノ・情報の交流・連携を促進し、経済の活力と成長を促します。
  • PFI(民間資金等の活用による公共施設等の整備)におけるコンセッション(公共施設等運営権付与)方式を活用し、地域の実情を踏まえつつ民間の能力を活用した効率的な空港運営を図ります。
  • 今や国家レベルの課題であるテロ・ハイジャックに対し、ソフトターゲットとして空港が狙われやすいことも踏まえ、航空法等の見直しを行い、航空保安に関する国の責任を明確にして防止策を強化します。
  • 改正物流関連法に基づきさらにモーダルシフトを進め、エコで安全な交通・物流が整うよう、陸・海・空の交通・物流の安全事業規制の見直し・強化を行います。
  • ドローンの安全性を十分に確保しつつ、まずはへき地や離島への物流に活用します。地震・暴風雨・水害・火山の噴火などの自然災害発生時には、災害状況の把握や物資の輸送に利用します。
  • ライドシェアについては、諸外国(韓国、トルコ、台湾など)でも禁止されており、一旦認めた国でも、諸問題や裁判の判決等により、禁止や再規制を行う傾向にある国が、OECD加盟38カ国中で8割に及び、持続可能な地域公共交通の実現とも矛盾する政策であると考えます。政府の見解でもある「運行管理や車両整備等の責任の主体をおかないままに自家用車のドライバーのみが運行責任を負う形態を前提としており、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題がある」、「特区でも認めない」と同じ立場です。なお、議論に際しては、都市部及び地方・過疎地域の実情を鑑み、それぞれに応じた対策が必要であると考えます。

観光政策

  • 住民にとって誇りと愛着を持てる観光地域づくりを目指し、年次有給休暇の取得促進及び休暇の分散取得などの休暇改革に取り組むとともに、観光人材の育成、観光資源の付加価値化・ブランド化の促進、旅館・ホテル業の振興、観光圏の開発など、観光環境を変革し、観光立国を強力に推進する施策を講じます。
  • 持続可能な都市計画・まちづくりに向け、ローカルな分野である観光業と農林水産業を組み合わせた「6次産業」を生み出すことで、地域社会の自信と誇りを取り戻し、豊かな地域経済の基盤を整備します。
  • エコツーリズム、グリーンツーリズムを推進し、またバリアフリー化に取り組む公共交通事業者や小規模店舗等への支援などを通じ、持続可能な観光を目指します。さらに、観光地において、文化財を活用した地域づくりのための規制緩和等を検討します。
  • 「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことから、地域ごとの伝統文化について活性化を図ることで産業として確立させ、それら日本文化を観光コンテンツとして活用することを通じ、コロナ禍により重要性が高まったマイクロツーリズム市場の拡大を図ります。
  • 被災地域に対する海外からの誘客、修学旅行等の団体旅行誘致などの地方の取り組みを支援し、被災地域全体への来訪を促進します。
  • 交流人口の増加により国内観光需要を喚起することで、地方経済の活性化や地方の雇用機会の創出を促進します。
  • 為替動向に影響されない安定的な交流人口の確保を目指し、観光資源の質的向上を図ります。
  • 観光需要を地域経済のエネルギーにするため、観光をマネジメントする人材を育成するとともに、有給休暇を取りやすくします。
  • 観光における日本の強みは、文化芸術、食文化であることも踏まえ、総合的な施策を展開します。特に、地域の特産品やそれを用いた酒類などの加工品をローカルツーリズムに生かし、地域の活性化につなげます。

社会資本・河川・ダム

  • 従来の20世紀型公共事業の延長線にある国土強靱化に加えて、自然と共生し、スリムでしなやかな国土を形成するため、21世紀型社会資本整備や、グリーンインフラを生かした災害に強いインフラの整備を着実に進めるとともに、豊かで多様な社会資本を再生させ、それらを有効に活用します。さらに、地元のニーズに根ざし、地元企業が自信と誇りを持って仕事ができ、人に優しく思いやりのある地域密着型の社会資本整備を進め、防災力を向上させるとともに、地域の暮らしと雇用を守ります。
  • 公共事業の選択と集中を図り、社会資本の円滑な維持管理・更新を進めつつ、都市部を含め、国土の安全性・防災性と効率性の向上を実現します。これにより、今ある社会資本の老朽化・安全対策に万全を期し、縮減管理・ダウンサイジングを計画的に進めます。
  • 「建設職人基本法」の見直しなどを通じて、社会資本の整備、老朽対策等、重要な使命を担う労働者の賃金・安全確保等の労働環境・処遇を改善することにより、建築土木品質の向上を図ります。また、解体業、建築士事務所等の次代を担う産業分野について業種としての確立を図ります。建設キャリアアップシステム(CCUS)については、法律上の根拠を明確にして運用を図ります。
  • 建設産業の経営見通しと雇用を安定化するため、民間の建設需要の変動を行政の建設需要(老朽インフラの更新や維持管理、民間への補助等)で補います。
  • 高度成長期に整備されたエネルギー・情報通信を含む基幹インフラの老朽化が原因となって大規模な事故被害が発生している現状を改善するため、その改修を促進するための基金等を整備します。
  • 生活密着型の事業を優先しながら公共事業の選択と集中を図り、無駄な事業を見直した上で、真に必要な事業に振り分け、社会資本の円滑な維持管理と長寿命化や更新に取り組みます。また、大規模開発から既存施設の維持・保全を重視した施策への転換を図ります。
  • 河道拡張や堤防補強、遊水池の設置など、総合的な流域治水により、できる限りダムに頼らない治水を推進します。ダムの見直しにより中止となった地域の振興・生活再建のための法律を制定し、ダムに頼らない地域振興を行い、生活支援を行います。
  • 堤防整備を進める一方で、内水氾濫(堤防内側の氾濫)の対策を強化します。
  • 生活者の立場から水の安全・安心を守ります。政府が2018年に制定した改正水道法によって、地方自治体の水道施設の運営を民間企業に委ねるコンセッション方式の導入が促進されることになりました。コンセッション方式には、災害で断水が起きた場合に適切な対応が取られなくなる恐れがあるなど、大きな問題があります。水道事業の運営権を民間に委託するコンセッション方式を廃止します。
  • 「下水道法」の改正などを通じ、下水道、農業集落排水、合併浄化槽の適切な配置について見直しを行い、良好な水循環の確保と効率的な生活排水対策を進めます。特に、新たに公共下水道の排水区域となる地域については、硬直的な接続義務を見直すことにより、より効率的に事業を進めます。
  • 熱及び電気の再生可能エネルギー源として、河川エネルギーの利用を促進します。(再掲)
  • 近年の気象の変化による水害の発生など、河川の流域管理の重要性が高まっていることから、河川の流域全体を見据えた施策の推進を実施します。また、河川の持つエネルギーを最大限活用するために小水力発電や河川の熱利用を進めます。
  • 顕在化する気候変動を踏まえ、治水計画(河川整備計画やその背景にある河川整備基本方針等)の見直しを行います。
  • 2021(令和3)年に、静岡県熱海市で大雨に伴って盛土が崩落し、大規模な土石流災害が発生したことを受け、「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)が制定されましたが、盛り土や土砂類の搬入・搬出についての定期的な実態把握や、残土処分場の確保、関係府省の連携・情報共有など、土石流災害に対する総合的な発生防止策を引き続き検討します。
  • 開発により環境への影響が想定される場合に、影響を軽減するための措置を取る日本版代償ミティゲーション制度(開発によって失われる自然をゼロとする考え方)の導入を検討します。

災害・気象

  • 多発する災害対応や各種施策の遂行に当たり、地方自治体によっては過度な負担が生じていることから、地方整備局の拡充や人的支援を通じ、負担軽減を図ります。
  • 自然災害の甚大化・頻発化に伴い、気象庁の役割は一層重要になってきていることから、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震等に関する対策研究費の予算拡充や観測体制の充実を図ります。

グリーンイノベーション

  • グリーン(環境エネルギー)分野をわが国の主要な産業へと育成し、次世代自動車の研究開発促進や、スマートシティ構築の強力な推進、洋上風力を中心とする海洋エネルギーの戦略的開発、蓄電池の高度化・低コスト化・普及を加速させること等で新たなマーケットの創造を図りつつ、地産地消の分散型エネルギーシステムを展開します。これにより、再エネ・省エネ産業の雇用を拡大していきます。
  • SDGsにも資する「自然との共生」を通じたグリーンインフラを活用し、都市のヒートアイランド対策を図るとともに、都市緑地のさらなる拡大を目指します。

水資源

  • 「水循環基本法」に基づき、生命を育む水循環・水資源を守り、次世代に引き継ぐために、循環する水全体、森・川・海を一体として捉え、流域全てを視野に入れた健全な水循環を確保します。水の広域的な需給調整を行うことにより、流域全体で水を有効活用します。
  • 地下水は地域共有の貴重な資源であり、水循環の一部をなす公共水であるとの認識に立ち、健全な水循環が維持されるよう、地下水の保全と利用促進を定める「水循環基本法」を推進します。
  • 水道水など飲料水の源泉地域は、環境と健康の観点から規制を強化し、廃棄物処理場などの建設を禁止します。

海洋政策

  • 「海洋基本法」「宇宙基本法」「地理空間情報活用推進基本法」等を生かし、海洋国家日本を維持・発展させるために、海洋や宇宙に関わる産業を活性化させます。海洋・水産資源の確保と保全、日本人船員の育成を図ります。
  • 洋上風力や海洋資源の利用等、海域での自然エネルギーの技術開発・導入拡大によって、地球温暖化対策やエネルギー安全保障に加え、エネルギー関連産業の創出と経済発展の実現に努めます。
  • 海上保安庁などの警戒監視、警備体制を拡充し、尖閣諸島やEEZ(排他的経済水域)をはじめとする領土・領海の守りを固め、国境離島の保全を進めます。
  • 日本は四方を海に囲まれ、本州、北海道、四国、九州、沖縄島を含め1万4125島からなる海洋国家です。日常から海に関心を広げ、診療船の島民の健康維持への活用や、遊覧観光の振興を図ります。また、大規模災害時には、海路による人の避難や物資の輸送を行えるように備えます。

森林資源

  • 「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を生かし、公共建築物の木造建築化をさらに推進するとともに、日本の森林を守り、持続可能な林業経営を可能とするため、国産材(地元材)による道路の木製ガードレール化など、公共事業での木材活用を推進します。
  • 木材を建築材として活用するだけでなく、未利用森林資源の活用、間伐材等の端材を原料とするバイオマス発電と熱供給、木質ペレット等の利用促進や、森林資源からプラスチック代替材やバイオエタノールを生産する等の施策を進め、石油産業に代わるバイオマス産業の基盤を構築します。

離島振興

  • 離島はわが国及び国民の利益の保護・増進に重要な役割を担っていることから、そのハンディキャップに配慮し、振興を図ります。
  • 「離島振興法」を生かし、離島活性化交付金等を活用して、離島の交通・教育・医療・福祉等の充実・強化を進めます。
  • 「有人国境離島地域保全特別措置法」により、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する措置を講じるなど、わが国の領海、排他的経済水域等の保全に努めていきます。
  • 島内の消費を伸ばし、有人国境離島経済の活性化を図るため、「有人国境離島地域保全特別措置法」を改正します。
  • 離島と本土との地域間格差の是正や離島への定住促進を目的とし、国土連続性の確保、物価の格差是正、生業の確保と生活の利便性の向上、医療体制や教育機関の確保に取り組みます。

沖縄振興

  • 沖縄振興一括交付金については、制度創設時の原点に立ち返り、地域主権の精神を軸とし、先端的な特区を創設するなど、真に沖縄の創意工夫や自然・地域の特性を生かした産業を育成し、自立した地域振興と活性化に資するように取り組み、自立的かつ継続的発展につなげていきます。
  • 沖縄の地政学的な優位性を生かして、アジアの物流の拠点となるよう港湾・空港の整備や規制緩和等を進めます。また、基地や米軍施設移転後の跡地の利用について、地権者、地元自治体等と協議の上、国の責任で再開発などの必要な後押しができるよう制度の検討を進めます。
  • 離島県の沖縄は物流コストが本州と比べ2倍もかかるため、製造業の大きな足かせになっています。物流コストの軽減を図り、産業振興を推進します。
  • 交通渋滞の緩和や観光振興に資する新たな公共交通システムとして、沖縄への鉄軌道の導入を進めます。

北海道振興・北方政策

  • 農業や観光、自然エネルギー等のさまざまな資源に恵まれ、多くの可能性を持つ北海道のポテンシャルを最大限に引き出す総合的な開発を進め、道民所得の向上など、振興を図ります。
  • 広大な面積に恵まれた北海道は、風力や太陽光、バイオマスなど、自然エネルギー資源の宝庫であることから、自然エネルギーの拠点として整備・推進していきます。
  • 北海道の旧産炭地域を中心に行われている事業については、地域の経済・雇用に大変大きな影響があることが想定されます。国産石炭の活用について検討・支援を進めるとともに、旧産炭地域の振興を図ります。
  • 北方四島はわが国固有の領土であり、日本に帰属すべき領土であることについて、国民の理解を深め、対外的にも積極的に発信します。また、国際法に則り、わが国の主権の正当性を積極的に国際社会に発信していきます。
  • 2018(平成30)年に改正された「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」を踏まえ、北方領土隣接地域の振興や住民生活の安定に資する施策を推進します。
  • 経済交流活動については、真に互恵的であって、国民・道民の理解を得られるものについて、検証しながら進めます。
  • 旧北方領土島民の高齢化に配慮し、北方墓参や交流事業でのバリアフリー化や利便性の向上を図ります。また、旧島民の高齢化が進んでいく中で、次の世代にもこの問題を引き継げるよう、若者世代への継承対策を進めます。
  • 領域等の警備において、警察機関及び自衛隊が事態に応じて適切な役割分担の下で迅速に行動できるようにするため、「領域警備・海上保安体制強化法」を制定します。