立憲の政策がまるごとわかる立憲民主党 政策集2024Policies 2024

災害対策

令和6年能登半島地震からの復旧・復興

  • 倒壊した建物の速やかな解体を進めるため、裁判により、共有者の同意を得ることなくその建物の解体・撤去を行うことができるようにし、公費解体を促進します。
  • 準半壊・一部損壊の住宅再建の支援がなく、大きな家屋の修理には多額の費用がかかることから、準半壊・一部損壊であっても、求めがあれば公費解体できるように取り組みます。
  • 復旧・復興対応は、閣議決定だけで使い道を決める予備費ではなく、被災状況の全容把握に努め、財政需要を積み上げた上で、補正予算を編成するよう働きかけます。
  • 地域のつながりは財産であり、孤立対策や情報共有の観点からも復興に向けた大切な要素であることから、地震により分散した地域コミュニティを維持するための活動に対する支援を行います。
  • 被災者生活再建支援金については、支給範囲を中規模半壊から半壊全てにまで拡大するなど、支給基準を見直し、最高額を300万円から600万円に引き上げます。(再掲)

強力な防災・災害・危機管理体制の創設

  • 強力な司令塔である「危機管理・防災局」を設置することで、戦略的で効果的な対策を進めます。実働部隊である「生活支援隊」の創設を目指し、危機対応を抜本強化します。
  • 阪神・淡路大震災以降の災害対策を検証し、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震や大規模な津波に備え、耐震化、地震係数、前震・本震・余震の考え方等について総括と更新を行い、新たな地震防災対策の戦略を策定します。
  • GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の災害への活用をさらに進めます。同一のGISプラットフォームを国・地方自治体・民間で共有することで、被災状況や対応状況の迅速な把握と可視化を実現します。

「インクルーシブ」な災害対策の構築

  • 全ての人がお互いさまに支え合い、誰も取り残されることのない「インクルーシブ」な災害対策を構築し、地域、世代、性別、職業、障がいの有無などにかかわらず、全ての層の代表が参加して、情報の収集・発信、避難計画の策定・実施、避難所の運営などを行う分権型の防災体制をつくります。
  • 高齢者、障がい者など要支援者ごとの個別避難計画を早急に策定します。
  • 災害や紛争などの被災者全てに対する人道支援の最低基準とされる「スフィア基準」(国際NGOなどによるプロジェクトにおいて策定された基準)や女性の視点をもとに避難所の質を向上させます。
  • 複合災害に備えた避難所の質の向上、避難施設のバリアフリー化を積極的に進めます。
  • 高齢者住宅の耐震化、無電柱化の促進、適切な生活排水処理対策などを推進します。
  • トイレ・温かい食事・ベッドは48時間以内に確保し、発災後72時間以内には通常と同様の生活ができるように食料・装備を避難所に完備します。
  • ペットの同行避難・預かり避難、学校飼育動物の避難に資する施策を推進します。
  • デジタル管理システムの構築、避難先や避難経路の確保、災害物資の迅速な配布、災害関連死対策の拡充を図るとともに、ラジオ、インターネット、アプリ等を活用した防災情報の周知徹底、防災訓練などのソフト面における対策を徹底的に見直します。
  • 「豪雪地帯安全確保緊急対策交付金」の交付、雪下ろし作業用の命綱固定アンカーの普及・促進などが盛り込まれた改正豪雪対策特別措置法を活用し、除排雪の人材確保、高齢者・障がい者への配慮、雪冷熱エネルギーの活用、情報システムの改善などに一層取り組みます。

国と地方の連携強化

  • 国と地方の連携強化、災害時に被災自治体へ権限・予算を移譲するための法整備の検討、事業再建・社会インフラ復旧への支援などを進めます。
  • 災害査定の迅速化を図るとともに、市町村による復旧・復興事業の査定以前の着工への財政支援を的確に実施します。
  • 大規模災害発災時の被災自治体へのバックアップ体制を強化します。大規模災害対応の専門性や経験・ノウハウを持つ、内閣府・国土交通省・消防庁をはじめとした各府省庁の担当者や自治体職員を現地の自治体に早急に派遣するなど、国が責任を持つ仕組みを整備します。
  • 都道府県と政令指定都市との防災計画上の調整を推進します。
  • 民間や自治体などでの「防災スペシャリスト職員」の採用と養成、自治体同士の助け合い(対口支援)を拡充します。都道府県単位で災害対策トレーニングセンター、地区防災の避難所運営に係る常設機関などの設置を進めます。
  • 自治体・関係機関の災害協定の締結を促進します。
  • 災害時に現場で対応する自治体職員や自衛隊員等の心のケアなど「助ける人を助ける」仕組みを構築します。

首都直下地震に備えた首都機能分散移転

  • 国会・行政機構の機能不全も予想される首都直下地震に備えた政府業務継続計画(BCP)の強化に加え、議員や議事堂などの被害への対応策を含めた国会と地方自治体の業務継続計画を充実させるとともに、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震の予想域から外れている地域などに首都機能の一部を分散移転し、地方分散型統治国家モデルを構築します。

ボランティアへの支援強化

  • 消防団、防災士、自主防災組織、市民消火隊、女性防災クラブ、災害ボランティア、町内会など、さまざまな住民組織や住民の参加・協力を得ながら、地域での避難計画の策定や防災教育と訓練など、防災への取り組みを進めます。
  • 生活不安や避難生活での心身の疲労やストレスに対する心のケア対策、乳幼児、児童、生徒等に対するカウンセラーの派遣支援強化などを行います。
  • 災害救助法などでボランティアの位置付けを明確にし、経験を有する災害ボランティア団体等と行政、ボランティア団体同士の連携がスムーズとなるシステムを構築し、きめ細かく機能的に連携した被災者支援が可能となる環境を整えます。また、小型重機などの貸与制度の創設、重機ボランティアの育成を行います。交通費等を所得税の控除として認めるなど税制措置も含めたボランティアの自己負担を軽減する措置について検討します。

水害対策等の強化

  • 洪水対策の面から河川の流域管理を進めるとともに、治山事業(森林整備・砂防事業)を進め、地滑りや山崩れなどの山地災害防止に取り組みます。
  • 河道拡張や堤防補強、遊水池の設置など、総合的な流域治水により、できる限りダムに頼らない治水を推進します。ダムの見直しにより中止となった地域の振興・生活再建のための法律を制定し、ダムに頼らない地域振興を行い、生活支援を行います。(再掲)
  • 堤防整備を進める一方で、内水氾濫(堤防内側の氾濫)の対策を強化します。(再掲)
  • 線状降水帯の発生等による想定を上回る集中豪雨や「ゲリラ豪雨」災害に対応できるよう、水害対策を強化します。アメダスや監視用カメラ、土石流センサー等を各自治体にきめ細かく設置し、観測・予測体制について一層の精度向上を図ります。
  • 津波災害の想定される地域等において、垂直避難を可能とする環境整備や土地利用のゾーニングにより、津波や地震から命を守るまちづくりを進めます。

火山対策の強化

  • 全国の火山の監視・観測体制を強化し、適時適切な情報発信に努めるとともに、大規模な火山噴火に伴う降灰や軽石の漂着、津波等による社会的・経済的な影響の軽減を図るための防災・減災対策を推進します。
  • 事前防災を強化するための支援制度を創設します。確度高く災害発生を予測しうる火山防災、世界最大の火山災害発生リスクを抱えるわが国の特性を踏まえ、警戒区域の設定等の国による私権制限に伴い生ずる損害に一定の補償を行う対策を講じます。
  • 噴火等の災害が予想される段階での規制措置に伴う地域経済や生活へのダメージを軽減する「災害予防措置支援制度」(仮称)を新設し、事前防災措置を発動しやすくします。

被災者生活再建支援策の拡充など

  • 被災者生活再建支援金については、支給範囲を中規模半壊から半壊全てにまで拡大するなど、支給基準を見直し、最高額を300万円から600万円に引き上げます。
  • 個人対象の「災害損失控除」の創設、法人の災害損失特別勘定の適用要件の緩和、消防団・ボランティアへの支援などを図ります。
  • 従業員の雇用維持のための雇用調整助成金等の拡充、雇用保険の給付日数延長など、雇用対策の実施を充実させます。
  • 旅館・ホテルなどの民間施設の借り上げ、みなし仮設住宅の充分な確保、広域での空家住宅・賃貸住宅の借り上げ等により住宅を迅速に確保します。

事業再建・社会インフラ復旧への支援

  • 中小企業・小規模事業者の事業の早期復旧と事業継続のため、政府系金融機関等による金融支援をはじめとした総合的支援を進めます。被災者生活再建支援法の枠外の商店や工場と一体型の住居への支援を進めます。
  • 復旧期には、被災地の高速道路や鉄道などの公共交通網の無償化を事業者支援を講じつつ実施します。電源喪失時に備えた代替交通手段、電源確保等に資する支援措置を講じます。
  • 直接被災した農林水産業施設等の災害復旧事業の早期実施、経営困難な農林水産業従事者に対する特別支援を実施します。
  • 観光業や農林水産業等への風評被害を防ぐため、国と自治体が協力し正確な情報を発信する仕組みを構築します。