毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第2章焦点となった法案・課題への対応

3 皇室典範 象徴天皇制にふさわしい、真に安定的な皇位継承の方策の実現を

安定的な皇位継承に関する方策

 約80年ぶりの本則改正である今回の皇室典範改正の議論の出発点となったのは、2017年の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」に対する衆参両院の附帯決議であった。附帯決議は、法施行後速やかに、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について政府に検討を行わせ、その報告を受け国会が「立法府の総意」を取りまとめられるよう検討することを求めた。

 政府は2021年3月、有識者会議を設置し、同年12月に報告書が取りまとめられた。報告書は、①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持するが、配偶者と子は一般国民とすること、②皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること等を示した。安定的な皇位継承の方策を先送りし、皇族数の確保に絞った報告書が、立法府の協議の土台となった。

 立憲民主党は、2021年12月、代表直轄の「安定的な皇位継承に関する検討委員会」を設置し、党内議論を開始した。検討委員会は、2024年3月、論点整理をまとめ、今後の全体会議での主張のベースとした。

全体会議で問題点を指摘

 2024年5月17日、衆参両院の正副議長の下で、各党・各会派による全体会議が始まった。立憲民主党は、有識者会議報告書の選択肢の問題点を指摘した。2025年4月以降、正副議長と元首相2人の間で水面下の協議も行われ、女性皇族の婚姻後の身分保持のみ決めていく方向性も見出されたが、自民党によって反故にされた。

 2024年11月、立憲民主党は検討委員会を「安定的な皇位継承に関する検討本部」に改組したが、2026年の衆議院議員総選挙後に体制を刷新し、再開された全体会議に臨んだ。

 6月10日の第10回全体会議では、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案を了とするとともに、女性天皇などの国民的議論を惹起すべき旨を指摘した。しかし、党の意見が反映されないまま、正副議長の「立法府の対応に関する議論のとりまとめ」が行われ、政府は6月30日、「皇室典範等の一部を改正する法律案」を閣議決定し国会に提出した。

立憲民主党は修正案を提出

 改正案は、衆議院では議院運営委員会で審議されたが、参議院では特別委員会を設置し審議を行った。

 正副議長のとりまとめは「立法府の総意」とは言えず、改正案には問題の多い養子縁組案が規定され、養子皇族の子孫が男子なら皇位継承資格を持つなどの内容も盛り込まれていたことから、立憲民主党は修正案を提出した。

 修正案の内容は、①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することに関する改正のみを行う、②その配偶者や子孫が皇族の身分を有するかどうかについては引き続き検討を行う、③養子に関する部分については改正を取りやめること等であった。

 立憲民主党は、皇室典範改正は象徴天皇制の基本に関わる重要課題であり、立法府として十分な合意形成と国会審議が必要であると指摘した。採決の結果、修正案は否決され、立憲民主党は反対したが、政府原案が可決・成立した。また、衆参正副議長の要請に基づく附帯決議が付された。

 立憲民主党は今後とも、日本国憲法下での象徴天皇制にふさわしい、真に安定的な皇位継承の方策の実現を目指していく。