毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第3章各分野の対応

22 法務・憲法

保護司制度を見直す法改正案に賛成

 なり手不足の深刻な保護司の仕組みを見直すため、政府は219回臨時国会に、「更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案」を提出した。2024年には保護司が殺害される痛ましい事件が発生したことも踏まえ、保護司のさらなる安全確保などを求める附帯決議を付して、本法案は全会一致で可決・成立した。

裁判所職員定員法改正案に附帯決議

 政府は221回特別国会に、裁判所職員の員数を減少する「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」を提出した。裁判官の定員管理などを求める附帯決議を付して、立憲民主党は賛成し、本法案は可決・成立した。

自動車運転処罰法等改正案に賛成

 危険運転致死傷罪の要件を見直して新たな数値基準を導入するため、政府は221回特別国会に、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案及び道路交通法の一部を改正する法律案」を提出した。同法案の周知徹底や適正運用などを求める附帯決議を付して、本法案は全会一致で可決・成立した。

選択的夫婦別姓制度の実現に向けて

 政府は、与党が連立合意書に掲げた「旧氏の使用に関する法律案」(仮称)を検討したものの、221回特別国会への提出は断念した。3党合同法務部会・選択的夫婦別姓制度実現プロジェクトチーム合同会議は、旧姓使用の法制化では夫婦同姓で生ずる深刻な課題が解決しないとして、選択的夫婦別姓制度の早期実現に向けて、関係団体からのヒアリングをはじめとする取り組みを進めた。

懸念の多い入管法等改正案に厳しく対峙

 外国人の在留許可手数料等を引き上げ、また電子渡航認証制度を導入するため、政府は221回特別国会に、入管法等改正案を提出した。手数料引き上げについて、ヒアリングをした支援団体や弁護士団体などから多くの懸念や疑義が示された。3党合同会議では賛否両論の立場で意見が拮抗し、立憲民主党は反対したが、可決・成立した。(詳細「5 入管法等改正案」)

成年後見制度を改める民法改正案に附帯決議

 政府は221回特別国会に、ニーズに合わせた成年後見制度に改め、またデジタル遺言制度を導入する「民法等の一部を改正する法律案」と関係整備法案の2法案を提出した。家庭裁判所や地域福祉の体制強化などを求める附帯決議を付して、立憲民主党は賛成し、本法案は可決・成立した。

再審法見直しに対案と修正案を提出

 再審制度を見直すため、政府は221回特別国会に、「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」を提出した。この政府案への対案として、3党合同会議で確認した議員立法「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」を衆議院に提出し、また立憲民主党は政府案への修正案を参議院に提出したが、いずれも与党等の反対により否決された。一方、政府案は、立憲民主党が反対したものの、一部修正のうえ可決・成立した。(詳細「8 刑事訴訟法」)

投票環境整備の改正国民投票法成立

 221回特別国会では、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が共同提出した議員立法「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」(国民投票法改正案)が可決・成立した。主な内容は、先行する公職選挙法の改正に合わせ、国民投票における投票所・開票所の立会人の確保や、FMラジオによる憲法改正案の広報を可能とすることなど、投票環境を整備するものである。

 立憲民主党は、改正内容自体に問題がないことに加え、後述する附帯決議によって国民投票法の抜本改正への道筋を確保したことから、法案に賛成した。改正案の採決に当たり、立憲民主党が主導して、国民投票の公平・公正を確保するための法改正等を求める附帯決議案を作成し、与党に加え、国民民主党、公明党、参政党と共同提出し、採択された。

国民投票法は未完成

 しかし、今回の改正を経ても、国民投票法が完成したわけではない。国民投票法広報協議会の事務の規程の整備と組織に係る所用の法改正が必要であり、何よりも、立憲民主党の提案により盛り込まれた2021年改正国民投票法の附則4条では、テレビ・ネットCM、国民投票運動の資金、インターネットの適正利用などについて、国民投票の公平・公正を確保するために必要な措置を検討することを定めているが、これらの抜本的な法改正は、いまだ実現していない。

 これまで立憲民主党は、投票環境の整備だけを先行させる法改正に反対してきた。インターネットやSNS、AIが急速に発達する中、資金力の差や偽・誤情報によって、主権者である国民の自由な意思形成がゆがめられてはならない。憲法改正は、国の最高法規を国民自身が決定する極めて重要な手続であり、その前提として、国民投票の公平・公正な投票環境を確保する必要があると考えてきたからである。

附帯決議で抜本改正へ前進

 立憲民主党は今回の法案審議に当たり、国民投票法の抜本改正を具体的に前進させ、その実現を確保することを重視した。党内で慎重に議論を重ね、附帯決議の合意を法案採決の前提として与野党協議に臨んだ。

 その結果、附帯決議には、広告放送およびインターネット有料広告の制限、国民投票運動等の資金の規制、インターネット等の適正な利用について「法改正を始めとする必要な措置」を講じることが盛り込まれた。

 また、公職選挙法や情報流通プラットフォーム対処法における偽・誤情報、AI・SNSへの対応を踏まえた措置についても同様に「法改正を始めとする必要な措置」を講じることとし、さらには、偽・誤情報への対処や、SNS・インターネット広告等を活用した国民投票広報の在り方など、新たな課題を踏まえ、国民投票広報協議会の在り方などについても必要な検討を進めることとなった。

公平・公正な国民投票制度を

 立憲民主党は、国民投票法が不十分なまま憲法改正の手段として利用されることを認めない。今後も、立憲主義と国民主権の原則に立ち、国会議員の任期延長や自衛隊明記など、憲法の基本原理を毀損し、重大な濫用の危険のある改憲を阻止するとともに、国民の自由な意思が正確に反映される公平・公正な国民投票制度を実現するため、国民投票法の抜本改正に取り組んでいく。