第3章各分野の対応
31 予算・決算・行政監視
政局に明け暮れる政府・与党に経済対策の実施を迫る
2025年は、依然として物価高が続き、特に飲食料品の値上げは2万品目を超え、米の価格は前年比で約2倍となるなど、国民生活は厳しさを増していた。にもかかわらず、与党である自民党は党内政局に明け暮れ、国民の暮らしは置き去りにされていた。
こうした状況を受けて、立憲民主党は11月14日、「くらし・いのちを守り、賃上げを加速する緊急経済対策」(総額8.9兆円規模)を策定・公表した。本対策は、2026年10月からの食料品消費税ゼロ、減税実施までのつなぎとしての「物価高・食卓緊急支援金」(中低所得者世帯1人当たり3万円+子ども1人当たり2万円の給付)など、緊要性・即効性のある施策に重点を置き、財源についても、外為特会剰余金、基金の積み過ぎ分などを活用することで、赤字国債を発行せずに「財政規律ある経済対策」を実行することを提言するものであった。
遅れること11月21日、政府は「『強い経済』を実現する総合経済対策」を閣議決定し、同対策に基づき、219回臨時国会に2025年度補正予算を提出した。しかしながら、同補正予算は、巨額の財政出動によりインフレを助長し、かえって国民生活を窮地に追い込みかねない上に、物価高等の影響で深刻な状況に置かれている方々に対する支援策が不足しているという深刻な問題点を抱えていた。
こうした認識の下、立憲民主党は、他党と共同で、同補正予算につき、撤回のうえ編成替えを求める動議を衆議院予算委員会に提出した。本動議は、基金の積み増しなど、緊要性を欠く支出を減額・削減するなどして、歳出規模の抑制と国債発行額の縮減を図るとともに、中低所得者層に対する現金給付、電気・ガス料金支援の期間延長など、緊急の物価高対策を図るものだったが、与党等の反対により否決された。
こうした状況に鑑み、立憲民主党は同補正予算に反対したが、与党等の賛成により、12月16日、原案通り成立した。
イラン情勢緊迫化を踏まえた予算修正を要求
政府は2025年12月26日、2026年度当初予算を閣議決定した。一般会計総額は過去最大の122.3兆円規模とされた。
今回の予算審議は、高市首相が220回通常国会の召集日となる2026年1月23日に衆議院を解散したことにより、例年より遅れての開始となった。この時点で予算の年度内成立が極めて厳しいことは明らかだったが、政府・与党は無理やり審議時間を圧縮しようと試み、衆議院では、予算審議が始まってわずか数日後の予算委員会理事会で、与党が採決までのスケジュール表を提示するなど、常軌を逸した議会運営が重ねられた。野党は衆議院予算委員長解任決議案を提出するなどして抗戦したが、「数の力」に圧倒され、政府・与党側の目論見通り、2026年度当初予算は3月13日に衆議院を通過した。
参議院においては依然として少数与党の状況が続いており、立憲民主党は、野党第一党として、例年通りの充実した予算審議の実現に向けて奔走した。結果として、政府・与党は予算の年度内成立を断念し、立憲民主党をはじめとする野党が求めた通り、暫定予算を成立させた上で、一定の充実審議が実現することとなった。
2月28日にアメリカがイランを攻撃して以降、情勢の緊迫化を受け、物価高が加速していたが、政府提出の当初予算は前年末に閣議決定をされたものであり、その影響は考慮されていなかった。こうした状況を受けて、立憲民主党は、他党と共同で、財源を確保した上で、燃料・電気・ガス価格の引き下げや低所得者世帯向けの給付金、「防衛増税」と高額療養費の自己負担限度額の引き上げ凍結、ナフサの供給減・価格高騰を受けた医療機関支援の実施など、国民の「命」と「暮らし」を守るための修正案を参議院予算委員会に提出した。本修正案は政府案と並行審議されたが、与党等の反対により否決された。
こうした状況に鑑み、立憲民主党は同予算に反対したが、与党等の賛成により、4月7日、原案通り成立した。
「白紙委任」の補正予算の抜本的見直しを迫る
2026年度当初予算成立後、イラン情勢の緊迫化による国民生活への影響に鑑み、立憲民主党は、補正予算の早期編成を求めた。当初、補正予算は不要との見解を示し続けていた高市内閣だったが、6月3日に2026年度補正予算を閣議決定し、同日、国会に提出した。
しかしながら、この補正予算は、総額3.1兆円のうち3兆円、実に97%が予備費で占められるという異例・異常な「白紙委任」予算であり、既に国民生活に具体的な影響が生じている現状に鑑みれば、断じて認め難い内容であった。
こうした認識の下、立憲民主党は、地域・現場の声を踏まえて、他党と共同で、同補正予算に対する修正案を提出した。本修正案は、「白紙委任」の予備費を減額し、ガソリン・軽油等の価格引き下げ、低所得者・子育て世帯への現金給付などの具体的な施策を掲げるとともに、「積み過ぎ基金」の国庫返納により財源を確保し、赤字国債の追加発行を一切行わないことによって、財政に対する市場の信認を維持し、更なる円安・金利上昇に歯止めを掛ける、責任ある補正予算へと転換を図るものであったが、与党等の反対により否決された。
こうした状況に鑑み、立憲民主党は同補正予算に反対したが、与党等の賛成により、6月5日、原案通り成立した。
今後の正常化・適正化を前提に2024年度予備費に賛成
221回特別国会では、2024年度予備費2件が審議された。立憲民主党は、コロナ禍以降肥大化した予備費が未だ正常化されたとは言い難い規模であることなど、問題点を指摘しつつ、その内容については、能登地域の復旧・復興に必要な措置であり、とりわけ、2024年度補正予算の審議の際、立憲民主党からの提案で、予備費のうち1,000億円の使途を能登地域の復旧・復興に限定する修正がなされたことを受けて支出が行われていることなど、概ね賛同できるものとなっていることから、引き続き、国会審議等を通じて、予備費の正常化・適正化を図っていくことを前提に、賛成した。いずれも6月17日、賛成多数で承諾された。
2024年度決算等に反対、内閣に対して警告
参議院では219回臨時国会、221回特別国会で2024年度決算等が審議された。立憲民主党は、①歳出の肥大化に歯止めが掛かっていないこと、②依然として予備費の正常化がなされていないこと、③基金が濫用され、「積み過ぎ」が多額に上っていることを主たる理由として、2024年度決算並びに国有財産増減等計算書に反対するとともに、内閣に対する警告決議、措置要求決議、会計検査院への検査要請を取りまとめ、賛成した。なお、国有財産無償貸付状況総計算書は、住民生活に資する国有財産を地方公共団体等に無償で貸し付けるものであることから賛成とした。措置要求決議、検査要請は7月6日の決算委員会で決議・要請され、その他は7月8日の本会議で是認・警告された。

