毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第2章焦点となった法案・課題への対応

7 政治改革 政治の信頼回復と民主主義の擁護

禁止への第一歩としての制限強化を

 自民党の裏金問題を受けて、政治への信頼は地に落ちた。国民の政治不信を払拭するため、2025年9月19日の立憲民主党、自由民主党、公明党の3党党首会談で「政治とカネの問題についても引き続き協議すること」で合意した。9月25日の3党の政治改革本部長による協議で、「企業・団体献金の改革については、政治資金監視委員会の設置に関する議論と並行して各党協議会で議論し、令和9年1月1日の政治資金規正法等改正の施行を見据え、結論を得ることとする」ことを確認した。公党間の約束として自民党新総裁選出後も引き継いでいくことを求めたが、日本維新の会と連立を組んだ高市首相は、野田代表に対し、「そんなことより定数削減しましょうよ」という態度に終始した。

 国民民主党と公明党は、219回臨時国会に、企業・団体献金の受け皿を政党本部と都道府県連に限定し、寄付額に上限を設ける「政治資金規正法の一部を改正する法律案」(制限強化法案)を衆議院へ提出した。立憲民主党は、全面禁止法案の成立の見込みがない中、全面禁止に向けた一里塚として制限強化法案に協力し、問題解決の前進を図ることとした。

 自民党と日本維新の会は、217回通常国会に提出し継続審議となっていた「政治資金規正法の一部を改正する法律案」(公開強化法案)について、企業・団体献金を受けることができる政党支部を指定政党支部に限定するなどの修正案を219回臨時国会に提出するとともに、国会に置かれる学識経験者より構成される合議制の組織で、政治資金の収入に関する制度の在り方の検討を行うこと等について定めた「政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法律案」(有識者会議設置法案)を衆議院へ提出した。政治とカネに関する法案は、いずれも採決に至らず、継続審議となったが、衆議院解散に伴い廃案となった。

 2026年の総選挙後、立憲民主党は中道改革連合、公明党とともに制限強化法案を取りまとめ、221回特別国会に中道改革連合と国民民主党が衆議院へ提出し、与党が再提出した有識者会議設置法案、参政党・チームみらい提出の全面禁止法案の3法案が審議されたが結論は出ず、継続審議となった。また、参議院には、国民民主党と公明党が制限強化法案を提出したが、審議に至らないまま廃案となった。

 政治資金監視委員会の具体化に向け、立憲民主党を含む与野党7会派で「法案作成チーム協議会」が設けられ協議を重ねたが、法案提出には至らなかった。

偽・誤情報対策と選挙運動の自由の両立

 民主主義の根幹をなす選挙において、SNS上での偽情報・誤情報の流通や誹謗中傷が選挙結果にも影響を与えるなど、選挙の公正性を阻害し、民主主義への信頼を損ないかねない問題が生じている。立憲民主党も加わる超党派の「選挙運動に関する各党協議会」は、選挙に関するインターネット等の利用や公職の候補者間の公平の確保などについての議論を行い、2025年6月27日、参議院議員選挙の執行を前に与野党7党は、「選挙におけるSNS利用の在り方と『二馬力』行為への対応について」のメッセージを発出した。

 協議会は、選挙におけるSNS利用を巡る課題について、有識者やプラットフォーム事業者、ファクトチェック機関等からのヒアリングを行い、協議を重ね、法改正案を取りまとめた。立憲民主党は、表現の自由、選挙運動の自由と規制のバランスを取ったものと評価し了承した。

 自民党、中道改革連合、日本維新の会、国民民主党、参政党、チームみらいの与野党6党は、221回特別国会に「公職選挙法及び特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部を改正する法律案」を衆議院へ提出した。附則に、在外選挙インターネット投票の導入や街頭演説の妨害行為への対応についての検討規定を設けたが、立憲民主党は在外ネット投票とあわせて、FAXによる船員の洋上投票の改善も求めた。その結果、ネット等による候補者の氏名等を表示した有料広告に係る規制の在り方の検討に加え、参議院では、洋上投票の検討などを盛り込んだ附帯決議を付すことができた。立憲民主党は賛成し、法案は可決・成立した。

被選挙権年齢引き下げの先頭に立つ

 若者の政治参加を後押しするため、立憲民主党はこれまでも被選挙権年齢の引き下げ法案を提出してきた。若者団体からの政策提言を受け、立憲民主党は「若者政策実現会議」を開催し、221回特別国会に「公職選挙法及び地方自治法の一部を改正する法律案」を参議院へ提出した。

 被選挙権年齢を衆議院議員および自治体議員については満18年に、参議院議員および自治体の首長については満23年に引き下げるとともに、主権者教育の推進や、立候補に当たって職場の理解や配慮を促す内容なども盛り込んでいる。各党の議論の呼び水との位置付けだったが、審議されないまま廃案となった。

2026.07.02 被選挙権年齢引き下げ法案を参議院へ提出
2026.07.02 被選挙権年齢引き下げ法案を参議院へ提出

衆議院議員定数削減法案に反対

 2024年12月、衆議院の選挙制度について、衆議院議長の下に「衆議院選挙制度に関する協議会」が設置された。立憲民主党は、抜本改革案として連用制や併用制、2回投票制を提案するとともに、現行制度の見直しでは重複立候補の改善を主張した。

 2026年の総選挙後、引き続き、同協議会が設置され、理想の選挙制度を追求していく議論と、現行選挙制度をベースに個々の課題の解決を検討していく議論のダブルトラックで協議を進めている。協議会は7月28日、2025年国勢調査の確報値が公表される9月末を目途に具体的な結論を得るとの申合せを行った。

 一方、自民党・日本維新の会は219回臨時国会に、45議席以上の削減を目標に、1年後までに協議会の結論が出ない場合は小選挙区25議席と比例代表20議席を削減する「衆議院議員の定数削減等に関する法律案」を衆議院へ提出した。立憲民主党は、①多党化の時代に比例の削減は慎重にすべき、②定数と選挙制度改革はセットで検討すべき、③国会の行政監視機能を維持すべき、④自動削減条項は協議会の否定である等と主張した。日本維新の会は突如質疑終局と採決を求める動議を提出し、混乱したが、同法案は継続審議となり、2026年の衆議院解散で廃案となった。

 その後、与党は221回特別国会に、法施行から1年以内に協議会の結論が得られなければ比例代表を45削減する「衆議院議員の選挙制度改革及び定数削減に関する法律案」を衆議院へ提出した。これに対し2026年6月25日、中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらい、日本共産党は共同で「比例定数削減法案の拙速な審議に反対する申入れ」を衆議院議長に行った。衆議院の全野党が委員長職権による委員会開催に抗議して欠席する中、趣旨説明や質疑が強行されたが、野党の協力で成立を阻止し、継続審議に追い込んだ。

参議院選挙制度改革の議論を開始

 2025年の参議院議員選挙後、参議院改革協議会が2025年12月に改めて設置された。2026年7月30日の第6回協議会で、選挙制度に関する専門委員会の設置が決定された。2027年の法改正を目指し、合区解消を含め選挙制度改革に積極的に臨む。