毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第3章各分野の対応

30 国土交通

政府提出法案等への対応
防災・物流・地域交通を支える法制度を議論

 219回臨時国会では、政府が提出した「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」を審査した。本法案は、洪水特別警報や高潮共同予報・警報制度の創設により迅速な情報提供体制を整備するとともに、外国法人等による不適切な予報業務への規制を強化するものである。頻発・激甚化する水災害への対応として、情報提供の高度化と規制強化を通じて国民の安全確保に資すると評価し、賛成した。同法案は可決・成立した。

 221回特別国会では、3党合同会議において以下5法案を審査した。

 「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律案」は、貨物自動車中継輸送の推進のため、基本方針の策定や、実施計画の認定制度の創設等を行うものである。ドライバー不足への対応として、拘束時間の短縮と輸送力の確保を両立させるものと評価し、法案に賛成した。

 「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」は、特定業務施設等の立地誘導、広域連携による都市機能強化、地域資源を活用した景観形成、災害リスクを踏まえた居住誘導・防災機能確保等を推進するものである。人口減少下における都市機能集約に資する必要な措置と判断し、賛成した。

 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」は、バス・タクシー・公共ライドシェアを活用した複数主体連携による運送サービスの創設等を行うものである。交通空白拡大への対応として賛成したが、深刻な運転手不足は制度整備のみでは解決困難であり、自治体の財政力・ノウハウの差によって地域間格差が拡大する懸念があるため、実効性ある財政支援・人材確保策の必要性を指摘した。また、こうした課題が日本全国に共通することを踏まえ、参議院国土交通委員長主導で神奈川県を視察し、地域公共交通の現状と課題を確認した。

 「下水道法等の一部を改正する法律案」は、下水道管路の診断基準の法制化、広域連携推進計画制度および災害時復旧代行制度の創設等により、下水道の基盤の強化を図るものである。道路陥没事故を踏まえた喫緊の課題への対応として賛成したが、点検・診断の運用にばらつきが生じる懸念や、技術職員不足が深刻な自治体の体制確保の困難さから、財政・技術支援の充実を求めた。

 「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」は、建築物通算炭素排出量評価制度、上位住宅トップランナー制度、環境性能の第三者認証・表示制度等を整備するものである。2050年カーボンニュートラル実現に資するものとして賛成したが、評価コストの上昇が住宅価格・賃料へ転嫁され生活者負担の増大につながらないよう配慮すべきこと、中小工務店等への支援策の必要性を指摘した。

 これらの5法案はいずれも可決・成立した。

議員立法の提出と審議

 219回臨時国会では、燃料価格・物価高騰等により厳しい経営環境にある運輸事業者を支援する「運輸事業の振興の助成に関する法律の一部を改正する法律案」を立憲民主党は、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、れいわ新選組、日本共産党、有志の会と共同で提出した。220回通常国会での衆議院解散により廃案となったが、221回特別国会で衆議院国土交通委員長提出法案として改めて提出された。立憲民主党は参議院において附帯決議を付した上で賛成し、可決・成立した。

 法務・国土交通・内閣の合同会議において、不動産取得等の動向を把握するための措置を講じる「国土の適切な利用及び管理を確保するための施策の推進に関する法律案」を取りまとめ、2025年12月1日に提出したが、衆議院解散により廃案となった。

 221回特別国会では、建築士の高齢化・担い手不足に対応する「建築士法の一部を改正する法律案」の成立に3党で協力した。在学中の受験の導入、実務経験要件の見直し等を内容とし、若年層の資格取得促進や建築行政の体制維持・強化を評価する一方、受験時期早期化が実務能力形成や国際競争力に及ぼす影響について長期的視点での議論の必要性を指摘した上で、成立に協力した。その結果、同法案は衆議院国土交通委員長が提案し、全会一致で可決・成立した。

2026年度予算・組織定員要求への対応

 219回臨時国会では、2026年度国土交通省予算概算要求・組織定員要求について国土交通省からヒアリングを行い、防災・減災、老朽インフラ更新、地域公共交通、物流効率化等の要求額の根拠や実効性、地方負担を確認した。構造的課題への対応には安定的な予算・人員確保が重要であり、予算編成過程を引き続き注視していく。また、参議院国土交通委員会の予算委嘱審査では、2026年7月1日から税率が引き上げられた、いわゆる「出国税」(国際観光旅客税)について、その使途が税の趣旨に沿ったものとなっているかなど厳しく確認した。

税制改正要望に関する関係団体ヒアリング

 2026年度税制改正要望に関し、国土交通分野の関係団体から要請を受けた。地域交通・物流の維持、住宅・不動産市場の活性化、鉄道・航空・海運の設備投資、脱炭素化・安全対策に係る税制措置について要望が寄せられ、精査の上、党の税制改正要望への反映を検討した。

中東情勢の緊迫化による物流・交通への影響

 221回特別国会では、ホルムズ海峡を巡る情勢の緊迫化を踏まえ、陸運・海運・航空・船員関係の各団体からヒアリングを実施した。燃料価格上昇、航路・航空路の変更、輸送コスト増、船員・乗務員の負担等について現場の状況を聴取し、関係国・事業者との情報共有・連携、輸送の安全確保、サプライチェーンの強靱化に向けた対応の必要性を確認した。

沖縄振興・北方対策

 219回臨時国会では、沖縄北方部門会議において2026年度予算概算要求に係る沖縄振興関係予算および北方対策について、政府からヒアリングを行った。沖縄振興については離島の交通・物流基盤整備、観光振興、子どもの貧困対策、農業・医療、物価高対策等を議論し、北方対策については隣接地域の振興、啓発施設の改修、元島民等による墓参の実現に向けた課題を議論した。

 また、党本部では沖縄県知事から2026・2027年度沖縄振興に関し、交通渋滞対策や学校給食費無償化をはじめとする予算確保、税制改正等について要請を受けた。

 党の沖縄協議会は2026年4月に沖縄県を訪問し、離島の交通・物流や農業・医療の現状、基地周辺地域の課題について現地調査・意見交換を実施し、その結果を踏まえ政府からヒアリングを行った。