毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第2章焦点となった法案・課題への対応

9 ガソリン・軽油の暫定税率廃止 半世紀続いた不合理な税負担の解消を実現

民意を受けて暫定税率の年内廃止を合意

 2025年の参議院議員選挙では、物価高対策が大きな争点となり、立憲民主党はその1つとして、ガソリン・軽油の暫定税率(当分の間税率)の廃止を掲げた。選挙直前の217回通常国会では、参議院で多数を占める与党が強硬に反対し、野党7党が共同提出した「ガソリン暫定税率廃止法案」を廃案に追い込んでおり、この選挙はその是非を問う意味も有していたが、結果として、与党が過半数を割る状況となり、暫定税率の廃止を求める民意が明確になった。

 こうした状況を受けて、2025年7月30日には、立憲民主党、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本共産党の与野党6党の国会対策委員長の間で、「ガソリン暫定税率廃止法案」について「すみやかに与野党合意の上、法案を成立させ、今年中のできるだけ早い時期に実施する」こと、これを実現するために与野党の実務者による協議を開始することを確認する合意文書が交わされるに至った。

廃止法案の再提出、実務者協議の開始

 この機会を逃すことなく、確実にガソリン・軽油の暫定税率を廃止するため、218回臨時国会が召集された8月1日、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の野党7党は「ガソリン暫定税率廃止法案」を衆議院に再提出した。前回の法案は施行日(=暫定税率を廃止する日)を7月1日としていたが、今回の法案では、時間の経過を踏まえた上で、現場の負担と混乱に配慮しつつ、できる限り早期に暫定税率を廃止するという観点から、政府や業界団体とも協議の上で、11月1日を施行日に設定した。また、この法案では、当時政府が実施していた1リットル当たり10円の「燃料油価格定額引下げ措置」(ガソリン補助金)を徐々に拡充し、暫定税率(ガソリン:1リットル当たり25.1円、軽油:1リットル当たり17.1円)を廃止する際には、同税率と同額の価格引き下げが行われているようにすることで、急激な価格下落による現場の負担と混乱を最小限に抑えるという制度設計を想定していた。

 法案提出後、同日中に第1回となる実務者協議が開催され、立憲民主党が提出者を代表して法案の内容を政府・与党側に説明した。この際、同法案では、11月1日からの暫定税率廃止、それに先立つガソリン補助金の拡充などを内容としており、非常にタイトな日程の中で実現を図らなければならないことから、今後、本協議を週に1度のペースで開催をすることを確認した。なお、実務者協議には、国対委員長間の合意文書に名を連ねた与野党6党が参加した。

実務者協議の膠着と打開

 国対委員長合意では「財源確保、流通への影響、地方財政への配慮等の課題」を含めて速やかに与野党合意を図ることとされていたが、特に難航したのが財源確保に関する課題であった。

 8月21日に行われた第3回実務者協議では、野党側の共通認識として、暫定税率廃止は物価高騰対策である以上、新たな負担増を国民に求める議論は受け入れ難いこと、まずは各種剰余金・税外収入の活用、与党が参議院議員選挙の公約として掲げた1人当たり2万円給付の財源の活用、歳出改革、増加基調の税収の還元などを幅広く検討すべきであることを提示し、政府・与党側も具体的な財源を示すように求めた。しかしながら、政府・与党は、財源確保策について具体策を一切示さず、野党側の提案の実現が難しい理由を並べ立てるばかりで、協議は膠着状態に陥った。

 この間に、自民党総裁選が行われ、高市新総裁・首相が誕生した。高市首相が総裁選時の公約で暫定税率廃止を掲げていたことに加え、自らの「積極財政」路線を実現するため、実務者協議に参加していた自民党の税制調査会長をすげ替えるなど、状況に変化が生じた。立憲民主党をはじめとする野党は、この機を逃さずに粘り強く協議を促し、事態の打開を図った。

歴史的・画期的な与野党合意の実現

 その後、自民党が、自らの党内抗争が原因で協議を遅滞させたにもかかわらず、暫定税率廃止の翌年先送りを提案するなど、一筋縄にはいかなかったが、野党側は一致結束して、公党間の合意である年内廃止の実現を強く迫った。

 こうした取り組みが功を奏し、11月5日に行われた第8回の実務者協議では、既存の補助金を段階的に拡充した上で、12月31日をもってガソリンの暫定税率、2026年4月1日をもって軽油の暫定税率を廃止すること、代替の安定財源確保については引き続き検討して結論を得ることなどを確認した合意文書が与野党6党間で交わされた。これは、「暫定」の名の下に半世紀にわたり続いてきた不合理な税負担の解消を実現する、歴史的・画期的な与野党合意であった。

法案の修正・成立、積み残された課題への対応

 この与野党合意に基づき、野党7党提出の「ガソリン暫定税率廃止法案」に対する修正案が取りまとめられ、同法案は衆議院で修正議決の上、11月28日の参議院本会議において、全会一致で可決・成立した。これにより、ガソリン・軽油の暫定税率は、与野党合意された期日の通り、廃止されるに至った。

 なお、衆参両院における審議の中では、暫定税率廃止後も、ガソリン税に係る沖縄の負担軽減措置、また、軽油引取税に暫定税率が課せられていることを理由に法律に基づいて交付されている運輸事業振興助成交付金を維持することなど、積み残されていた課題についての対応を求め、政府から前向きな答弁を引き出すとともに、参議院財政金融委員会では、立憲民主党が主導して附帯決議を取りまとめ、全会一致で決議するなど、対応に万全を期すことに全力を傾注した。これらの課題については、沖縄県やトラック・バス業界などとも連携を図り、取り組みを進め、結果として、沖縄の負担軽減措置については、12月16日の政令改正により、暫定税率廃止前と同水準(全国の税額と比較して13%の軽減率)が維持されることになり、運輸事業振興助成交付金については、運輸事業を取り巻く環境の厳しさに鑑み、軽油引取税の暫定税率廃止後も交付金を維持できるよう、2026年3月31日に議員立法で根拠法が改正されるに至った。

 この後も、物価高は依然として続き、国民生活は未だ厳しい状況にある。立憲民主党は、暮らしに寄り添う責任政党として、引き続き、具体的な取り組みを続けていく。

2025.11.21 衆議院財務金融委員会において「ガソリン暫定税率廃止法案」を全会一致で修正議決
2025.11.21 衆議院財務金融委員会において「ガソリン暫定税率廃止法案」を全会一致で修正議決