毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第2章焦点となった法案・課題への対応

10 副首都法案 「大阪の、大阪による、大阪のための」法案を徹底追及

維新「肝いり」の副首都法案

 2025年10月の連立政権合意に盛り込まれた日本維新の会の「肝いり」のいわゆる副首都法案が、延長された221回特別国会の最大の焦点となった。副首都法案の原案は、2027年春に想定されている「大阪都」構想の住民投票を有利に運びたい維新が主導し、「大阪都」構想の住民投票実施区域を、大阪市から本来は無関係の府全域に拡大できる規定を附則に設けていた。あまりにご都合主義で、憲法92条の地方自治の本旨に反する恐れがあるとの指摘もあり、法案提出に向けた調整が難航していた。同条項は最終的に削除され、与党が221回特別国会に「国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案」(副首都法案)を衆議院へ提出したのは6月24日であった。

 自民党は、維新や官邸の意向を受けて強引に法案審議を進めようとし、野党が欠席する中、趣旨説明や質疑を強行したが、結局、7月10日に趣旨説明のやり直しに追い込まれ、7月17日には会期延長を余儀なくされた。

法案の問題点を徹底追及、附帯決議を採択

 立憲民主党、中道改革連合、公明党は、「『副首都法案』に関する三党合同会議」で、関係部会や大阪関係議員も加え連携して対応した。大規模災害等に備えた首都機能のバックアップ体制の構築や、東京一極集中の是正、多極分散型経済圏の形成という問題意識自体は理解するが、拙速に結論を得るのではなく、国民的な理解と合意形成を図りながら、慎重かつ十分な議論を尽くすべきであり、いかにずさんな法案であるか問題点を徹底的に明らかにする方針で臨んだ。

 副首都法案は、南海トラフ地震を想定しないなど「災害時のバックアップ機能の実効性」が不十分であり、多極分散どころか「ミニ東京」への重点投資になりかねず、東京一極集中の解消につながるかも不透明なものであった。

 副首都構想の実現のためのコストも明らかにされず、既存の「国会等の移転に関する法律」との整合性もとれていない。首都の定義もなく、地方制度調査会の議論を無視しているものだった。本来、副首都の指定とは無関係な、特別区を設ける副首都の「都」への名称変更を附則に紛れ込ませ、抱き合わせで可能としていることは、地方自治法および憲法上の疑義を払拭できなかった。そして特別区の設置の住民投票期間と議員および長の選挙期間とが重複し、公正を害する懸念があった。

 2度の住民投票で否決された「大阪都」構想を遡上に乗せ、万博後の大阪の経済振興を狙った、「大阪の、大阪による、大阪のための」副首都法案は、衆議院ではチームみらいの提案で修正議決され参議院に送付された。立憲民主党は、デジタル化に反対ではないものの、副首都法案そのものの問題を解決できるものでないことから反対したが、法案は参議院本会議で2票の僅差で可決・成立した。また、「人を選ぶ選挙」と「制度を選ぶ住民投票」が混同する弊害や、投票日当日の運動による現場の混乱を防ぐため、国民民主党と公明党提出の同日選禁止法案には賛成したが、与党などの多数で否決された。

 副首都法案に歯止めをかけようと立憲民主党が主導的に取り組んだ結果、参議院では、住民投票期間と議員・長の選挙期間が重複しないように最大限調整することや、副首都指定の恣意性の排除と客観性・透明性の確保、財政規模・財源の明確化、地方自治法との整合性等を盛り込んだ附帯決議を採択した。

2026.07.10 副首都法案の問題点をオンラインでヒアリング
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