第2章「次の内閣」・政務調査会 各分野の対応
障がい・難病
重度障がい者の社会参加促進に向けて提案
政府は210回臨時国会に障害者総合支援法改正案を提出した。本法案には、精神医療分野において家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合にも、市町村⾧の同意により医療保護入院を行うことを可能とすること等が盛り込まれていた。医療機関の判断を市町村長が安易に追認し、医療保護入院が行われることになれば、国連障害者権利委員会の要請と逆行するといった問題があったが、難病患者に対する適切な医療の充実など評価できる点もあったため、立憲民主党は附帯決議を付した上で賛成した。
政府案とともに、立憲民主党が職場・学校での介護、通勤・通学の移動中の介護を重度訪問介護の対象とするために210回臨時国会に衆議院に提出した「重度障がい者就労就学支援法案」が審議されたが、継続審議となった。政府案は可決・成立した。
国連勧告を受けて人権を守る取り組みを推進
障がい・難病プロジェクトチームは、2022年9月に国連障害者権利委員会から日本政府に出された勧告への改善策を検討するため、当事者団体や有識者からヒアリングを行った。
東京・八王子市にある精神科病院での入院患者への日常的な暴力の実態が明らかになった。また、改正障害者総合支援法の附帯決議を踏まえ、精神科病院の入院患者への身体拘束の実施要件を定める厚生労働大臣告示の35年ぶりの改正に関する動きもあった。これらを受けPTでは有識者や当事者団体から、精神科病院の実態と虐待防止策、身体拘束等のヒアリングを行った。