毎年9月に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2023
(第209回臨時国会、210回臨時国会、211回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

子どもたちを性被害から守る地位利用第三者児童虐待防止法案

大手芸能プロダクション創設者による性加害について、元所属タレントら被害者による訴えが相次いだこと等を受け、立憲民主党は、211回通常国会で「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案」(地位利用第三者児童虐待防止法案)を衆議院に提出した。法案は、継続審議となった。

性被害に声を上げやすい社会へ

現行の児童虐待の防止等に関する法律は、児童虐待の行為主体を保護者に限定しており、第三者からの性暴力やわいせつ行為は児童虐待に該当しない。また、経済的・社会的に強い立場にある大人から、弱い立場にある児童が性加害を受けた場合、自分の力だけでは被害を訴えることは難しいという問題がある。

政府・与党は法改正を見送り

立憲民主党が提出した改正案は、経済的または社会関係上の地位に基づく影響力を有する第三者が行う児童に対するわいせつ行為等を、新たに「第三者による地位利用児童虐待」と定義するとともに、性被害の発見者に警察への通報義務を課すものである。

法案の施行により、性被害の声を上げやすい環境を整え、多くの人が見て見ぬふりをやめるようになり、さらなる被害の抑止につながることが期待される。

法改正については、当初与党との実務者協議が模索されたが実現せず、政府・与党により、必要な法改正が見送られる結果となった。