毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2023
(第209回臨時国会、210回臨時国会、211回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

国民本位の新型コロナ対策を主導感染症法等改正案

立憲民主党の提案を柱とした政府案

政府は210回臨時国会に感染症法等改正案を提出した。法案には、感染症の発生等に備えて都道府県等と医療機関等の間で協定を締結する仕組みを法定化すること等、立憲民主党が政府に先駆け2022年の208回通常国会に提出した法案の主要項目が概ね盛り込まれていた。

立憲民主党は不十分な点を補うため、国民本位の新たな感染症対策樹立法案、日本版EUA法案を衆議院に提出した。2法案の主な内容は①新型コロナの後遺症や新型コロナワクチンの副反応等に関する情報の積極的な公表、②新型コロナの新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方の検討、③新型インフルエンザ等の治療のため、使用価値を有すると認められる医薬品を指定し、医療保険の保険給付等の対象とする制度の導入である。

法案修正踏まえ新型コロナが5類へ移行

立憲民主党は、2法案の内容を踏まえて政府案の修正を与党に提案し、①新型コロナの後遺症に係る医療、②予防接種の有効性・安全性の情報の公表、③新型コロナの感染症法上の位置付け、の3項目について在り方を検討する規定を盛り込ませた。

政府案には施行期日が遅いといった問題はあったが、方向性は評価できるため、立憲民主党は政府案に賛成した。政府案は衆議院で修正され、可決・成立した。立憲民主党案は審議されたが、国民本位の新たな感染症対策樹立法案は審査未了、日本版EUA法案は継続審議となった。その後、政府は修正で追加した検討規定をもとに新型コロナの感染症法上の位置付けを5類に変更した。