第2章「次の内閣」・政務調査会 各分野の対応
子ども政策
立憲民主党は2022年10月、子ども・若者支援策の強化・充実のため、泉健太代表を本部長とする「子ども・若者応援本部」を設置した。
また、こども家庭庁の創設や衆議院地域活性化・子ども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会の設置を受け2023年4月に新たに設けた「子ども政策部門」では、地位利用第三者児童虐待防止法案を衆議院に提出し、継続審議となった。(詳細 第3章 地位利用第三者児童虐待防止法案)
立憲民主党はチルドレン・ファースト
立憲民主党は、分断をなくし社会全体で子どもの育ちを支えるため、「もっと良い『子ども・子育てビジョン』」を2023年3月に発表した。
①児童手当拡充(所得制限をなくし、高校卒業年次まで一律月額1万5千円を給付)、②教育の無償化(幼児教育・保育から高等教育まで)と公立小中学校の給食の無償化、③保育士配置基準の見直しと給特法の抜本的見直し、④賃上げの加速と不本意非正規雇用者を減らしていくこと、⑤若年カップルや子育て世代も利用できる新たな家賃補助制度の創設、を柱とする子ども・若者政策の集大成である。
若い世代の負担を軽減するとともに、子育て環境を改善し社会全体で子育てを支えることで、それぞれの多様な生き方や人権を尊重し、希望がかなう社会の実現を目指していく。
子どもの安全・安心を守るための施策をリード
2022年9月に発生した静岡県の認定こども園の通園バスに置き去りにされた幼児が亡くなる痛ましい事件を重く受け止め、立憲民主党は、210回臨時国会に「通園バス置き去り防止法案」を衆議院に提出した。内容は、通園バスへの置き去り防止装置設置の義務付け、設置等の費用を全額国が補助すること等である。この法案を受け、政府は事業者の負担を実質ゼロに方針変更した。こうした事件が起こる背景に人手不足の問題があるため、211回通常国会に保育士配置充実法案を衆議院に提出した。
また、低所得の子育て世帯に児童1人当たり一律5万円を給付する「低所得子育て世帯給付金」再支給法案を衆議院に提出した。法案はいずれも継続審議となった。
若者・子育て世代への緊急支援策
若者や子育て世代が厳しい経済状況におかれていることに鑑み、立憲民主党は、210回臨時国会に「子育て・若者緊急支援法案」を衆議院に提出した。内容は、①出産費用の負担解消・軽減、②不払養育費立て替え払い制度の導入、③児童手当の特例給付に係る所得制限の実質的撤廃、④学校給食費無償化、⑤大学等奨学金の制度拡充、である。法案は継続審議となった。
所得制限のない児童手当の実現へ
立憲民主党は、児童手当の所得制限を撤廃するため、「児童手当法の一部を改正する法律案」(児童手当所得制限撤廃法案)を211回通常国会に衆議院に提出した。法案は継続審議となったが、立憲民主党は、児童手当について、所得制限なく高校卒業年次までのすべての子どもに月額1万5千円を支給すべきと考えており、引き続き実現に向けて努力していく。