毎年9月に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2023
(第209回臨時国会、210回臨時国会、211回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

旧統一教会被害対策悪質献金被害救済法案

30年以上前から旧統一教会の高額献金等による家庭崩壊など深刻な被害が生じていたことが、短期間に多くの2世信者や全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が声を上げたことで明らかとなった。立憲民主党は、2022年7月に旧統一教会被害対策本部を立ち上げ、高額献金による家庭崩壊等の被害対応の必要性を認識しつつ、まずは悪質な高額献金等の被害救済のため、消費者保護の観点から不当な寄付の防止に向けた議論を開始した。

政府は当初、旧統一教会関連の被害相談件数等の情報を公表しなかった。このため立憲民主党は、全国弁連や2世信者からの情報を通じ、被害実態の把握を行った。「親が子どもの給食費や学費のための奨学金まで寄付してしまう。いわゆるマインドコントロールによって、そうしたことが当然のように行われ、日々の生活は貧困そのものだった…」これは2世信者から聞いた被害実態の一端である。

立憲民主党は財産被害に関する救済手段をまとめ、210回臨時国会に日本維新の会および社会民主党とともに「特定財産損害誘導行為による被害の防止及び救済等に関する法律案」(悪質献金被害救済法案)を提出した。本法案は、いわゆるマインドコントロールによる特定の行為を特定財産損害誘導行為として禁止し、その行為に基づく意思表示を取り消せるものである。

与党からは、政府が法案を検討中であるとして協力を得られず、成立には至らなかったが、本法案の提出が与野党協議のきっかけとなり、政府提出の消費者契約法等の改正、さらには、不当寄附勧誘防止法の成立へとつながった。まだすべての被害の声に応えきれていないが、今後も引き続き対策を検討し、被害救済を目指す。