毎年9月に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2023
(第209回臨時国会、210回臨時国会、211回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

希望する全ての人に学びなおしの機会を!「もっと良い学びなおしビジョン」

日本では、学びなおしのための公的な休暇制度がないなど、ヨーロッパに比べて学びなおし環境の整備が立ち遅れている。岸田首相はリスキリングに投資する方針を表明したものの、社会システムの根本から考え直すことなく投資したところで、予算のバラマキに終わることが危惧される。こうした状況を踏まえ、厚生労働部門と文部科学部門は有識者や関係団体からのヒアリングを行った上で、2023年3月、人への投資を拡充し、リカレント教育・リスキリングを支える基盤を整備するため、「もっと良い学びなおしビジョン」を取りまとめた。

学びなおし環境を再構築しつつ、投資を拡充

ビジョンは、基本理念として「正規・非正規を問わず全ての労働者に機会を提供」「スキルアップに見合った適切な賃金」「成長分野への労働移動のための手段と限定せず、リストラにつなげない」等を掲げた。その上で学びなおしの効果が上がるよう、学びなおし環境を再構築しつつ、リカレント教育やリスキリングに対する投資を拡充することを提案した。

学びなおし環境の再構築のための方策として、①学びなおしのための休暇制度を整備すること、②公的職業訓練を拡充することにより、企業が公的な訓練、民間の訓練、企業内部での訓練を適宜組み合わせて労働者にきめ細かな訓練を提供できるようにすること等を盛り込んでいる。また、投資の拡充としては、①求職者支援制度の訓練期間の大幅延長、②教育訓練給付制度の拡充、③スキルアップによる賃上げを実現した中小企業等への助成金等の創設を盛り込んでいる。