毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2024
(212回臨時国会、213回通常国会総括)

第2章「次の内閣」・政務調査会 各分野の対応

子ども政策

子ども・子育て支援金制度に反対

「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」が213回通常国会で政府より提出された。新たな「支援金制度」の創設等に立憲民主党は反対したが、法案は可決・成立した。(詳細 第3章 「子ども・子育て支援金制度」の廃止、日銀保有ETFの活用

子どもを性犯罪から守る日本版DBSを実現

政府は213回通常国会において、対象事業者が従事者の犯罪事実を確認する仕組み(いわゆる「日本版DBS」)を創設するため、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」を提出した。

「日本版DBS」の創設自体は、立憲民主党が主張してきたものであり、2021年の204回通常国会で成立した「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案」の衆参両院の附帯決議でその仕組みの検討を行うことが明記されていた。

今回の法案には、ストーカーや示談、起訴猶予は対象外であるなど対象犯罪の範囲が狭いこと、制度の根本部分からガイドラインに任されているものが多く実際の運用が不透明といった懸念や課題があり、これらについて附帯決議に盛り込んだ上で、立憲民主党は賛成し、法案は全会一致で可決・成立した。

児童扶養手当の1人1万円増額法案提出

立憲民主党は、212回臨時国会において、「児童扶養手当増額法案」を衆議院に提出した。

ひとり親家庭に支給される児童扶養手当を、全部支給世帯か一部支給世帯かを問わず、子ども1人あたり一律月額1万円加算するものである。法案は審議されず、継続審議となった。

2023.10.23 児童扶養手当増額法案を衆議院に提出
2023.10.23 児童扶養手当増額法案を衆議院に提出

子どもの貧困の抜本的解消に向けて

物価や光熱費の高騰などにより、子どもを取り巻く環境は一層深刻な状況にある。政府の「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案」には、関係団体の希望に反して、子どもの貧困対策の拡充が十分に盛り込まれなかった。そこで、超党派「子どもの貧困対策推進議員連盟」が中心となり、「子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を取りまとめた。名称を「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」に改めるとともに、目的や基本理念に解消すべき「子どもの貧困」を具体化したものである。本法案は、213回通常国会において衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長から提出され、立憲民主党は、対策の抜本拡充に向けた足掛かりになるとして更なる課題について委員会決議に盛り込んだ上で賛成し、全会一致で成立した。

旧優生保護法による被害者の救済のために

旧優生保護法の下で障がいや特定の疾患がある人たちが不妊手術等を強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに鑑み、1人あたり320万円の一時金が支給されている。

その対象者は約2万5000人いるとされるが、支給認定は2024年5月末時点で1100人余りにすぎない。請求期限を2029年まで延長するため、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案」が213回通常国会で衆議院地こデジ特別委員長より提出され、立憲民主党は賛成し、全会一致で可決・成立した。