毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2024
(212回臨時国会、213回通常国会総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

分権・自治推進の観点で徹底追及補充的指示権盛り込む地方自治法改正案

地方自治法改正案の最大の焦点は、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」において、自治体に対する国の関与の原則に関する新たな特例を設けて、①国民の生命等の保護を的確かつ迅速に実施するため講ずべき措置に関する自治体への必要な指示(補充的指示権)、②都道府県の事務処理と規模等に応じて市町村が処理する事務の処理との調整のための指示、③自治体相互間の応援に関する国の要求・指示、④職員派遣に関するあっせん等を可能にする規定を盛り込んだことである。

改正案に反対、最低限の歯止めを要求

本改正案は、①「想定できない事態」をあえて想定していて立法事実がないこと、②2000年の地方分権改革の成果を無にし、「対等・協力」を「上下・主従」の時代に逆行させ、憲法が保障する地方自治の本旨を損ないかねないこと、③補充的指示権の要件や範囲が不明確で、時の内閣の恣意的な判断による乱用が懸念されることなど、地方自治の根幹に関わる重大な問題を有していた。

そこで立憲民主党は、有識者や首長、関係団体と連携し、①国の関与の原則の維持、②自治体との事前協議・調整の義務化、③国会の関与と事後検証、を柱とする最低限の歯止めを求める修正要求をまとめた。しかし与党が根幹部分を受け入れなかったことから、国会への事後報告を求める自民・公明・維教提出の修正案については賛成したが、政府案には反対した。立憲民主党の努力で地方の声を反映した修正要求に基づく附帯決議を付すことができ、関係団体から高い評価を得ている。

立憲民主党は、今後とも真の地方自治の確立を目指し、全力で取り組んでいく。