毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2024
(212回臨時国会、213回通常国会総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

新たな国民負担なく、子ども・子育て支援政策の拡充を実現する「子ども・子育て支援金制度」の廃止、日銀保有ETFの活用

現役世代に負担を強いる「支援金制度」

政府は2023年12月に閣議決定した「こども未来戦略」の「加速化プラン」における具体的施策を定めるとともに、子ども・子育て支援特別会計と「子ども・子育て支援金制度」を創設するため、213回通常国会に「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」を提出した。

子ども・子育て支援政策としては、政府の取り組みは遅きに失した上に、児童手当の増額が第3子以降に限定されるなど不十分な点があるものの、一歩前進であると評価した。一方、財源については、新設される1兆円規模の「支援金制度」が、現行の医療保険料に上乗せして徴収するものであり、保険の本来の機能を毀損しかねないばかりか、逆に現役世代に負担を強いることになるなど、多くの問題がある。

代替財源として日銀保有ETFの活用を提案

立憲民主党は、この「支援金制度」を廃止し、現在日本銀行が保有しているETFから得られる分配金収入を代替財源として活用する修正案を提出した。しかし、同案は与党等により否決されたため、政府案に反対した。

その後、立憲民主党は日銀保有ETF活用法案を衆議院に提出した。本法案では、修正案の内容をさらに具体化し、政府が日銀の保有するETFを買い取るために交付国債を発行すること、買い取ったETFを管理・処分するために新たな特別会計を設置すること等を規定した。

なお、この日銀が保有するETFの分配金について、岸田首相は「国の一般財源として既に活用されている」と国会で答弁したが、分配金収入の急増により、過去2年度の日銀国庫納付金は予算段階から1兆円以上上振れし、今年度も同額以上の上振れが見込まれることから、財源としての有用性は明らかである。