第3章焦点となった法案・課題への対応
介護崩壊の防止策を提案訪問介護緊急支援法案、処遇改善法案
介護崩壊を招く基本報酬の引き下げ
岸田政権は2024年4月からの介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬を引き下げようとしていた。これにより、小規模な訪問介護事業者の倒産や人手不足に拍車がかかり、訪問介護サービスが受けられなくなる要介護者や介護離職が増加するおそれがある。そのため立憲民主党は、引き下げ方針の撤回等を厚生労働大臣に強く要請したが、政府は引き下げを強行した。
介護崩壊防止に向けて一歩を踏み出す
立憲民主党は介護崩壊を防止するため、213回通常国会で訪問介護緊急支援法案、介護・障害福祉従事者処遇改善法案を衆議院に提出した。訪問介護緊急支援法案は①できる限り速やかに訪問介護事業者に訪問介護事業支援金を支給し、②次回の改定(令和9年度)を待たずに、できる限り早い時期に訪問介護の介護報酬基準を改定するものである。介護・障害福祉従事者処遇改善法案は人材確保のため、政府の新たな処遇改善策の上乗せ措置として、全ての介護・障害福祉事業所で働く全ての職員に対し、月額1万円の処遇改善を行うものである。
2法案は衆議院厚生労働委員会で審議されたが、与党の理解が得られず、継続審議となった。立憲民主党は何としても2法案の内容を実現させるため、与党に強く働き掛けて衆議院で委員会決議の採択を実現させた。決議の内容は、政府は介護報酬、障害福祉サービス等報酬の改定の影響について、速やかにかつ十分に検証を行い、介護・障害福祉従事者の賃金等の処遇改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずるべき、というものである。立憲民主党はこの決議を足がかりとすること等により提案の実現を目指していく。