毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2024
(212回臨時国会、213回通常国会総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

マイナ保険証問題保険証廃止延期法案

マイナンバーカードと健康保険証を一体化したマイナ保険証のトラブルが頻発し国民の不安が高まる中、岸田政権は2023年の211回通常国会で、健康保険証を廃止するマイナンバー法等改正法の成立を強行した。

今の保険証を守る取り組みを強化

立憲民主党は2023年8月、マイナンバー在り方検討プロジェクトチームを設置し、10月に「マイナ保険証に関する基本的考え方」を取りまとめた。考え方では、医療分野のデジタル化を推進する立場であることを前提にしつつも、「不安払拭なくしてデジタル化なし」を基本姿勢とした。また、マイナ保険証の在り方等について、①一定の条件が整うまで現在の保険証を存続させること、②マイナンバーカードの取得が申請主義であることを踏まえ、マイナ保険証の利用はリスクと便益を自分で判断して決めるべきであり、本人の選択制とすること、③2024年秋の健康保険証廃止は延期すること等を盛り込んだ。立憲民主党は基本的考え方に基づき、212回臨時国会で保険証廃止延期法案(保険証併用法案)を衆議院に提出し、廃止延期を強く求めた。

健康保険証の廃止へ突き進む岸田政権

世論調査で健康保険証の廃止について延期や撤回を求める声が7割を超え、マイナ保険証の利用率が低迷する中、岸田政権は健康保険証を2024年12月2日に廃止することを閣議決定した。岸田政権は利用率低迷の原因が医療機関での声掛け不足にあると捉え、利用人数を増加させた医療機関に一時金を支給するなど見当違いの対応に力を入れているが、国民の不安は払拭されないままである。立憲民主党の法案は継続審議となった。