毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第2章「次の内閣」・政務調査会 各分野の対応

総務・政治改革

軽油引取税「当分の間税率」の廃止を

政府は217回通常国会に「地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」「地方交付税法等の一部を改正する法律案」を提出した。

立憲民主党は、地方税法等改正案に対して軽油引取税の当分の間税率を廃止するとともに、道府県たばこ税および市町村たばこ税の見直しを中止する修正案を提出した。その後、軽油引取税の当分の間税率の廃止に絞った修正案を国民民主党と共同で提出したが、与党などの反対で否決された。立憲民主党は反対したが、同法案は可決・成立した。その後、4月18日には立憲民主党単独で「軽油引取税暫定税率廃止法案」を衆議院に提出したが、廃案となった。

2025年度地方財政は、一般財源総額・交付税総額ともに24年度を上回る水準となり、初めて赤字地方債の発行額がゼロになった。給与改定費の計上や積極的な人への投資も手当てされている。立憲民主党は「103万円の壁」のさらなる引き上げに伴う与党修正案・政府案ともに賛成し、地方交付税法等改正案は修正の上で可決・成立した。地方税財政に関する課題について、公立病院対策の強化、老朽化した施設・インフラ対策の強化等を盛り込んだ委員会決議を衆参両院で採択した。

2025.4.18 「軽油引取税暫定税率廃止法案」を衆議院に提出
2025.4.18 「軽油引取税暫定税率廃止法案」を衆議院に提出

電波法改正案・NTT法改正案に賛成

政府は217回通常国会に「電波法及び放送法の一部を改正する法律案」を提出した。立憲民主党は、オークション導入に伴うユーザ負担増や地方の切り捨て等の懸念について、附帯決議を付して賛成し、同法案は可決・成立した。

政府は217回通常国会に「電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案」を提出した。立憲民主党は、ユニバーサルサービスや公正競争の確保、国際競争力の強化や経済安全保障の観点から、関係団体と連携して取り組み、課題について附帯決議を付して賛成し、同法案は可決・成立した。

行政書士法の改正をリード

関係団体の要望を踏まえ、超党派の実務者協議で法制化作業を行い、217回通常国会に衆議院総務委員長から議員立法「行政書士法の一部を改正する法律案」が提出された。立憲民主党は賛成し、同法案は可決・成立した。

特定行政書士の業務範囲の拡大について慎重な意見もあったが、立憲民主党は、国民の利便性の向上や迅速な権利利益の救済を実現することに繋がるものであるとして、同国会での成立を強く求めた。デジタル社会においても「街の身近で頼れる法律家」として行政書士が期待に応えていくことができるよう取り組んでいく。

特定地域づくり事業に歯止め

特定地域づくり事業推進法について、内閣府の事務の期限が切れることから、超党派の実務者協議会で改正案の検討が行われてきた。

労働者派遣法の特例となることもあり、5年前の制定時にも慎重な議論が行われてきた経緯も踏まえ、立憲民主党は、当時指摘していた懸念が払拭されたとは言えず、安定した雇用創出によって地域外からの定住を促進するという目的達成も道半ばであるとして、修正要求項目をまとめ与党と協議した。修正には至らなかったが、委員会決議等で歯止めをかけることとし、217回通常国会に衆議院総務委員長から提出された議員立法「地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律の一部を改正する法律案」に立憲民主党は賛成し、同法案は可決・成立した。今後とも推移を注視していく。

旧文通費改革と政策活動費の廃止は実現

2024年6月に成立した改正政治資金規正法が極めて不十分だったことから、立憲民主党は214回臨時国会に、社民党、国民民主党、有志の会と共同で改正政治資金規正法廃止法案および政治資金透明化法案を、社民党と共同で企業・団体献金禁止法案を提出したが、廃案になった。

立憲民主党が求めていた調査研究広報滞在費の報告・公開・返還について与党も合意し、216回臨時国会に衆議院議院運営委員長から「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案」が提出され、同法案は可決・成立し、2025年8月より新制度が実施されることになった。

総選挙で示された民意を踏まえ、立憲民主党は216回臨時国会に7党共同で政策活動費廃止法案を、5党共同で政治資金世襲制限法案を、3党1会派で企業・団体献金禁止法案を、2党共同で政治資金透明化法案を衆議院に提出した。粘り強い修正協議の結果、自民党も賛成し、政策活動費廃止法案は可決・成立した。また、自民党が公開方法工夫支出を削除する修正に合意したことから、政治資金透明化法案と同趣旨の内容が含まれている自民党案に立憲民主党は賛成し、同法案は可決・成立した。立憲民主党は、国民民主党・公明党提出の「政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案」に賛成し、同法案は可決・成立した。それ以外の法案は継続審議となり、企業・団体献金禁止法案について、「令和6年度末までに結論を得る」との申し合わせを行った。

2024.12.4 「政策活動費廃止法案」を野党7党で衆議院に提出
2024.12.4 「政策活動費廃止法案」を野党7党で衆議院に提出

本気の政治改革の実現へ全力

立憲民主党は企業・団体献金禁止法案の内容をブラッシュアップし、217回通常国会に維新を含む4党1会派共同で再提出した。一方、自民党は公開強化法案と構成員意思尊重法案を217回通常国会に対案として提出し並行審議となった。国民民主党・公明党は考え方をまとめたものの、法案提出には至らなかった。申し合わせの期限を越えてもすべての法案の採決には至らなかった。(詳細p.34)

選挙運動に関する各党協議会の議論を踏まえ、立憲民主党は、ポスターの品位保持等の「公職選挙法の一部を改正する法律案」を7党共同で、選挙運動用自動車やポスターの規格の簡素化に関する「公職選挙法の一部を改正する法律案」を6党共同で217回通常国会に衆議院に提出し、立憲民主党は賛成して両法案は可決・成立した。

立憲民主党は、若者の政治参加の議論をリードすべく、被選挙権年齢引き下げワーキングチームで検討してきた、参議院議員と首長は23歳以上に、それ以外は18歳以上に引き下げる「公職選挙法及び地方自治法の一部を改正する法律案」(被選挙権年齢引下げ法案)を217回通常国会に衆議院に提出したが継続審議となった。