毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

学問の自由を守るためナショナルアカデミーの自律性・独立性確保を追求日本学術会議法案に対する修正案

ナショナルアカデミーである日本学術会議の会員選考について、従前、日本学術会議法は総理大臣に任命権限を持たせていたが、この任命権限は形式的なもので、学術会議が推薦した会員候補者の任命を拒否できないとの法解釈が定着していた。

ところが、菅義偉政権は2020年、この法解釈を突如変更した上、6名の会員候補者の任命を拒否し、任命拒否の具体的理由の説明も拒んだ。立憲民主党は、会員選考への介入であり、学問の自由を脅かすとして任命拒否を批判したが、その後の政権も具体的理由を説明することなく任命拒否の判断を維持し、会員選考の自律性は著しく損なわれる事態となっていた。

学問の自由を守り、日本の学術の発展を

自公政権は、その後、学術会議の在り方を見直すとして有識者懇談会を設置し、217回通常国会に新たな「日本学術会議法案」を提出した。この法案は、独立性を高めるという名目で政府機関としての学術会議を廃止して特殊法人に改組し、新たな組織において政府が会員選考や運営に介入できる機関を幾重にも複雑に定めるものであった。法案は学術会議の意見を聴くことなく閣議決定され、学術会議は、閣議決定後、法案の抜本的な修正を求める提案を決議し、声明を採択した。

立憲民主党は、法案に反対するとともに、学術会議の提案を反映した修正案を取りまとめ、参議院に提出した。しかし、法案は修正されることなく可決・成立した。新法の下で学問の自由が侵害され、日本の学術の発展が阻害されることのないよう、取り組みを続けていく。