毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

不合理な税負担に終止符をガソリン暫定税率廃止法案

ガソリン暫定税率廃止を党議決定

立憲民主党は従来、ガソリン価格の高騰に対しては「トリガー条項」の発動で対応することを主張してきたが、物価高が長期化し、国民生活を圧迫している現状に鑑み、2024年12月13日に取りまとめた「2025(令和7)年度税制改正に関する主要提言」の中で、ガソリン暫定税率(当分の間税率)の廃止を打ち出した。時期を同じくして、自民党・公明党・国民民主党の3党は、「いわゆる『ガソリンの暫定税率』は、廃止する」と明記された合意文書を交わしたものの、廃止の時期は明言されないままであった。以降、立憲民主党は、ガソリン暫定税率廃止を党の重点政策として位置付け、その実現に向け、様々な取り組みを積極的に展開した。

修正案や議員立法の提出で実現を図る

立憲民主党は、217回通常国会において、政府4演説に対する代表質問で野田代表が石破首相に対してガソリン暫定税率の廃止を迫ったのを皮切りに、政府提出の2025年度当初予算並びに税法に対して、ガソリン暫定税率廃止を含む修正案を提出するなどして、その実現を図った。特に、税法の修正案については、立憲民主党単独で提出していたものを取り下げ、ガソリン暫定税率廃止に特化した修正案を国民民主党と共同提出するなど、攻勢を強めたが、廃止に合意しているはずの与党から強い反発を受け、成立には至らなかった。4月18日には、立憲民主党単独で「ガソリン税暫定税率廃止法案」を衆議院に提出し、他の野党に賛同を呼び掛けた。

野党7党共同で法案を提出、廃止実現に全力

その後、野党側の意見を集約し、6月11日には、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の野党7党で「ガソリン暫定税率廃止法案」を衆議院に共同提出するに至った。しかし、与党が審議入りに難色を示したため、立憲民主党をはじめとする野党は財務金融委員長解任決議案を提出し、これを野党多数で可決した。衆議院における常任委員長の解任は現行憲法下で初の出来事であった。その後、立憲民主党から後任の委員長を選出した上で、財務金融委員会での審議入りを実現した。委員会審議では、与党からの執拗な批判に対して真摯に答弁を行い、6月20日、委員会および本会議で、野党多数を以て法案を可決し、参議院に送付した。

参議院においては、依然として与党が多数派であり、事実上の会期末を迎えていたことから、審議入りの見通しは立っていなかったが、同日20日夕刻、突如として本会議における趣旨説明質疑が行われることになった。そして、翌21日には、異例の土曜国会で、財政金融委員会における審議が行われた。委員会は、予定された質疑が終了した後、休憩に入ったが、その後、委員長により再開と同時に散会が宣言された。これは与党による採決拒否であり、立憲民主党をはじめとする野党は、この状況を打開すべく、財政金融委員長解任決議案を提出するなどして徹底抗戦したが、同決議案は審議されることなく、217回通常国会は閉会となり、「ガソリン暫定税率廃止法案」は廃案となった。

立憲民主党は、「暫定」と称しながら50年以上続いてきた不合理な税負担の解消に向けて、引き続き全力で取り組んでいく。