毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

政治の信頼回復政治資金規正法等改正案・公職選挙法改正案

政策活動費廃止法案を野党7党で提出

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に端を発し、政党から議員に対して使途公開を伴わず「渡し切り」で支給され、政党の「裏金」と指摘された、政策活動費が問題となった。

2024年10月の衆議院総選挙の結果、衆議院では与党が過半数割れし、野党が結束すれば議員立法が成立しうる政治環境の下、わが党は野党間の議論をリードし、12月4日に立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の7党は共同で、政策活動費を全面廃止する「政策活動費廃止法案」を衆議院に提出した。

衆議院政治改革に関する特別委員会の審議では、自民党は当初、「公開方法工夫支出」と呼ばれる非公開制度の新設を主張していたが、野党の強い反発を受けて撤回し、野党案を受け入れた。立憲民主党は賛成し、同法案は可決・成立した。

企業・団体献金禁止の実現に向けて全力

企業・団体献金は、金権腐敗政治や利権・癒着政治の温床ともいわれ、政治・政策決定が歪められるおそれが大きいことから、「平成の政治改革」からの30年の宿題とされてきた。先に成立した政策活動費廃止法と同様に、野党が結束すれば企業・団体献金の禁止も実現できることを踏まえ、217回通常国会においては、立憲民主党は各党に協議を呼びかけ、新たな野党共同案をまとめるに至った。立憲民主党は2025年3月19日、日本維新の会、参政党、社会民主党、衆議院会派の有志の会との野党5党派共同で、企業・団体献金を禁止、パーティー券の購入も規制対象とする「企業・団体献金禁止法案」を衆議院に提出した。衆議院政治改革に関する特別委員会においては、自民党提出の「公開強化法案」「構成員意思尊重法案」と、野党5党派提出の「企業・団体献金禁止法案」が審議された。

自民党と野党との主張には大きな隔たりがあり、いずれの案も過半数を確保できないなかで、野党5党派は企業・団体献金の「公開・規制」を主張している公明党、国民民主党に法案提出を促し、歩み寄りの姿勢を見せたが、両党は法案を提出しなかった。審議の結果、216回臨時国会の衆議院政治改革に関する特別委員会の申合せ事項であった「企業・団体献金禁止法案については、令和6年度末までに結論を得る」は実現せず、自民党案、野党5党派案は採決されることなく、継続審議となった。

公平・公正な選挙の実現

2024年4月の衆議院東京15区補欠選挙、7月の東京都知事選、11月の兵庫県知事選などで、公職選挙法が従来想定していなかった複数の問題が顕在化し、与野党7党の責任者で構成する「選挙運動に関する各党協議会」で対応を協議した。これを受けて2025年2月20日、立憲民主党は自由民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、参政党、日本保守党とともに選挙ポスターに品位を損なう内容の記載を禁止するための公職選挙法改正案を衆議院に提出した。公職選挙法改正案の附則には、当選意思のない候補者が他の候補者の選挙運動を行う「2馬力」問題への対応や、SNS上で選挙に関する偽・誤情報などが拡散している状況に対応するための施策の在り方を検討し、必要な措置を講じることが盛り込まれた。立憲民主党は賛成し、同法案は可決・成立した。