毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

医療機関を支援し、命と健康を守る公立・公的病院改革

公立・公的病院は、へき地における医療、救急・小児・周産期などの不採算部門の医療、高度・先進医療など重要な役割を担っている。こうした役割を担う公立・公的病院は厳しい経営を余儀なくされてきたが、物価高騰の影響や人件費の増大などによって、より厳しい状況に置かれている。また、公立・公的病院の医療従事者の人員確保も課題であり、賃上げに対応できなければ、必要な人員が確保できず、地域に必要な医療を提供できなくなることも危惧される。

こうした状況を踏まえ、厚生労働部門は総務部門とともに公立・公的病院改革ワーキングチームを設置し、医療機関や関係団体からのヒアリング、三重県の名張市立病院、志摩市民病院の視察等を行った。

その結果、厚生労働部門とWTが2025年4月に取りまとめた「持続可能な地域医療をつくる重点政策」に地域医療の崩壊を防ぐための医療機関支援、医療従事者の人材確保のための対策を盛り込んだ。主な内容は、①公立病院など、赤字の医療機関の経営を緊急的に支える補助金制度を速やかに創設する、②次期診療報酬改定で①の補助金の内容を取り込んだ上でプラス改定とすることに取り組む、③公立病院が引き続き地域医療の要として機能を果たせるよう、繰出基準および普通交付税や特別交付税の単価を引き上げる等、制度全体を見直す、④ベースアップ評価料や基本料引き上げの効果を早期に検証し、看護師等のさらなる賃上げが可能となる制度設計を行う、等である。

また、厚生労働部門、総務部門、WTは同年5月、これらの対策を盛り込んだ緊急申し入れを厚生労働大臣と総務大臣に手交した。