毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2025
(第214回臨時国会・第215回特別国会・第216回臨時国会・第217回通常国会の総括)

第3章焦点となった法案・課題への対応

通信の秘密の保護、国会の関与を強化する修正を実現能動的サイバー防御法修正

政府が217回通常国会に提出した、いわゆる「能動的サイバー防御法案」(サイバー対処能力強化法案および同整備法案)は、国や基幹インフラ等のサイバーセキュリティを確保するため、官民連携を強化する仕組みのほか、政府が通信情報を基幹インフラ会社や電気通信事業者を通じて取得・利用する仕組み、警察・自衛隊の権限を拡大して攻撃者のサーバ等へ侵入・「無害化措置」を講ずる仕組み等を定めるものである。

この法案について、立憲民主党は、11回にわたる関係部門の合同会議で検討を重ねた。合同会議では、サイバー防御体制の強化という目的について異論なしとされた一方で、憲法が保障する「通信の秘密」が侵害されるおそれがないか、また、警察・自衛隊の権限行使が外国の主権侵害と批判されるおそれがないか、国会による民主的統制が十分担保されていないのではないか等の論点について議論が行われた。

国会の統制を強化する等の法案修正を実現

立憲民主党は、党内議論や委員会審議を踏まえ、「無害化措置」等の権限行使に関する国会への報告事項を個別に明示する条項や、「通信の秘密」の制約を最小限度とする旨の条項を含む修正案を取りまとめた。

この修正案をもとに、立憲民主党は精力的に修正協議を推進し、第三者機関が「無害化措置」等の要求・承認件数などを国会に報告する規定や、「通信の秘密」を尊重する規定を設ける修正を実現した。また、法案には、衆議院では14項、参議院では23項にのぼる附帯決議が付された。立憲民主党は2法案に賛成し、法案は可決・成立した。